-26- 「*****(伏字)」
学校の掃除の時間、黒板に黒板消しを掛けていると、黒板の隅に小さく『*****(伏字)』と書かれているのに気が付いた。
知らない言葉だった。
「*****(伏字)?」
僕は、書かれている言葉を、何の気なしに読み上げてしまった。
すると、僕の口から、黒いモヤっとしたモノが出てきた。
よく分からないけれど、それは何だか凄く嫌な、善くないモノの様に思えた。
その時は何が何だか全く分からなかったけれど、今思えば多分、『*****(伏字)』は口に出してはいけない、呪いの禁止ワードみたいなモノだったんだと思う。
そのモヤみたいなモノは、煙が風に吹かれる様に、すーっと漂って教室の外に出て行った。
僕が出したモヤだけで、とんでもない事が起きるとは思えない。
けれど、沢山の人があの言葉を口にして、たくさんのモヤが集まったら、きっと、とても善くない事が起こるに違いない。
僕ではなく森崎君あたりが見つけていたら、どう言う意味か気になって聞いて回り、きっと学校中の噂になって、大量のモヤが生まれたに違いない。
僕は黒板に書かれた『*****(伏字)』の文字を消した。
黒板に書いたのは、誰?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます