楽屋トーク:この差は何だ

☆源氏ブラザーズの楽屋


義平「お疲れー」(全成の肩を叩く)

全成「お疲れ」(照れ)

頼朝(全成を拍手で迎える)

全成(照れ)

義平「頼朝ちゃんもお疲れっ」

頼朝「ジャンにい頼むから何か着て」

義平「え、これ(パンイチ)快適よ?」

頼朝「見てるこっちが快適じゃないから」(バスローブを渡す)

義平「ひどっ」


義平(バスローブをはおりつつ)「おれヌードけっこう自信あるんだけどなー。アン○ンの真夏特集とか取材来ないかな?」

頼朝「来ないよ。むしろ抱かれたくない男ナンバーワン」

義平「ひどっ! なんで?」

頼朝「感電する」


 とか言ってるところへ九郎義経が飛びこんでくる。


九郎「聞いて聞いて! 平家さんの楽屋にエスプレッソマシンある!」

全員「?!」


頼朝「何この差。うちの給茶機半分こわれてるのに」

九郎「違うの。清盛さんがポケットマネーで入れてくれたらしいの」

全員「!!」


九郎「アイスカフェモカも作れるの!!」

全員「!!!」(総立ち)


頼朝「行こ行こ行こ行こ」

 一人をのぞいて全員走りだす。もちろん九郎が先頭。

範頼のりより(六男)「ちょ、待ってみんな」


範頼「自分の飲んだ湯呑み洗ってから行こうよー(嘆)」


 蒲冠者かばのかじゃまたは蒲殿かばどのこと範頼くんは、平家追討軍のツイントップの片割れ。

 義経ばかりが脚光を浴びるけれども、範頼が九州を押さえてくれていたから平家は壇ノ浦から先へ逃げられず、義経に挟み撃ちにされてジ・エンドとなるのだ。

 皮肉なもので、のちに義経が西へ逃げられないのも、範頼が頼朝の命を受けて九州を押さえているせい。


 こんな大事な人なのに、この小説でもいまのところ完全にスルーでごめんね。ほんとごめん。

「この差」言うならきみがいちばん言いたいよね、範頼くん。

 みんなの湯呑み洗わなくていいからね。アイスカフェモカ飲みに行っておいで。

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