《忍者》に憧れた少女は、暗躍がしたい
Mei
第一章
prologue:やっぱり忍者といえば……これよね
私──エリノアは小さい頃から忍者というものに憧れていた。普通の女子なら、可愛いものとかに興味を示すのだろうけど……私は普通じゃないからね。
小さい頃から忍者についての本を読み漁った。忍者は異世界から伝えられたいわば伝承上の存在と言われており、実際にはいないとされている。ならば……私がその先駆けとなろう。今、私は八歳。両親は普通に庶民で、姉が一人いる。母がクリス。父がジャレッド。姉はマリーという。姉は私より三歳年上で確か来年から学園に通う。確かノーなんたら学園ってところ。十二歳から学園に通えるのだが、お金に余裕がないから姉しか通わせられないの、ごめんね……って両親に言われたが別に気にしていない。学園にどうしても通いたい訳じゃないし。どうでもよし。
今は忍術の練習をするべく森にいるわけだが……
「確か
「よし……これで、とりあえずいつもの日課が終わったから……忍者といえばこれよね」
身代わりの術と手裏剣とクナイ! あと、あの黒装束! まあ、黒装束は後でもいいとして……とりあえず身代わりの術とクナイ、それと手裏剣ね。
「よし──……とりあえず、手裏剣とクナイね」
気力を使い、手裏剣とクナイを作り出す。これなら敵に奪われる心配もないし、完璧ね。これはわりとすぐできた。
「次──……《身代わりの術》」
敵を想定し、気力を操作して身代わりの木を作り出し、自分はその下をすり抜けて持っていた短剣で敵へと肉簿。《身体強化》も忘れない。これもわりと初期の方から特訓してるので、失敗はしない。
「ふぅ……まだまだ拙いわね……」
自分的に出来はまだまだ満足のいくものじゃない。
「……火薬玉と合わせればさらによくなるかもしれないわね」
丁度懐に持っていた火薬玉を取り出す。これはお手製。一応、忍者以外の本も読んでおり、薬学系の本で作り方を学んだ。忍者の本もそうだけど、本を読み始めた時は苦労したわ。文字がわからないから、司書に聞いたりしてどうにか読んだ。近くに図書館あってよかったわ。
「身代わりの術の度に火薬玉出してたら火薬玉もったいないし……いざというときの為のものだからね、火薬玉は」
これはとりあえず没。まあ、練習あるのみね。
「火術に、歩法に走法、遁走術……まだまだやることは山積み……面白い」
忍術は奥深いし、面白い。将来の忍術を身につけた自分を想像してにやけた笑みを浮かべながらもエリノアは訓練を続け────
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