2話 私泣く殿方って生理的に受け付けないんです。 殿方なら泣いてないで自分でなんとかすればいいのに。 泣けば誰かが助けてくれるとでも思ってますか

 場を離れた私はトヘコケリン王国王妃メユアの元に走りました。

 「王妃メユア、悪いのは貴方が産んだ出来損ないですからね。

恨むなら殿下を恨んで下さい」

 王妃メユアを殺そうとしました。

一瞬で殺しきれなかったのか、死に損ないのゴキブリのようにじたばた逃げ出そうとします。

醜いですね。気持ち悪いですね。無様ですね。不愉快ですね。往生際が悪いですね。

 「私が何をやったと言うのよ。やめて、死にたくない、殺さないで。私は家族にずっと虐められてきて-」

 「あら、王妃ともあろう方がみっともないわね。貴女の過去なんて興味ないわ。

悲劇のヒロイン気取りかしら。貴女はもう”ババァ”なのよ。

殿下が決めた事は絶対なのです。

私はヘコケリン王国王太子の決めた事には逆らえないのです。

“ごめんなさいない”なんて言うとでも思ったかしら?

言うわけないじゃないの。ばーか(笑)」

 醜い死に損ないに止めを刺しました。

ざまぁ(笑)

 王妃に何かされた事もありませんが、まぁいいでしょう。

仕方のないことなのです。

 「アルマ、貴様ぁ!」

 今更になって追いついてきた殿下が何やら叫んでいますが、今更叫んでももう遅いっ!!

 「うるさいわね殿下。私叫ばれるような事したかしら。

何もしていないわよね。

意味もなく叫ぶのは辞めて頂戴」

 はぁ、殿方の癖に煩いですね。

意味もなくぎゃーぎゃー叫ぶ煩い殿方は女性に嫌われますよ。

 「アルマ、貴様!何故お母様を殺した!」

 はぁ?何故って、何を言ってるのでしょうかこの出来損ない殿下は。

「あら、怒ってるのかしら殿下。でもね、これは貴方が悪いのよ殿下。

全て自業自得よ。怒るのなら自分に怒りなさい」

 はぁ、自業自得でしょうに。

何を怒っているのでしょうか。

私は何も悪くないのに、怒るのは辞めて下さい。

 あら、今度は泣き出しましたよ。

気持ち悪いですね。

殿方の癖にめそめそと泣いて、気持ち悪いです。

うわぁ、本当に気持ち悪いですね。

私泣く殿方って生理的に受け付けないんです。

殿方なら、泣いてないで自分でなんとかすればいいのに。

泣けば誰かが助けてくれるとでも思ってるんでしょうか。

女性でも泣いてばかりいる女性はゴミカスですし殺してあげたいんですがね。

殿方が泣いていると殿方の癖に!!と殺してあげたくなります。

ああ、殺してあげたくなってきました。


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