異世界に巻き添え召喚で転生したら魅力Sランクと性的スキルチートしか能の無いクズ野郎扱いで投獄されたけど美少女を絶頂テイムしてハーレム作って無双!最強勇者に!国に戻れとかもう遅いこのまま俺は魔王になる!
金国佐門
第一章前編『英雄爆誕編』
(序)巻き添え転生は突然に
第1話「いきなり転生!?」
気がつくと、石造りの部屋の中に俺はいた。
中世ヨーロッパの城とか砦ってきっとこんな感じだよねーっていういかにもな景色。
その中でも多分一番偉い人とかがいる部屋だよね~って感じの広大な空間。
地面にはなんか巨大な魔法陣みたいなのがデーンと描かれてるし。
で、目の前には四人の御同郷と思われるブレザー姿の男女が四人。
その先にはなんというか、半透明の壁みたいなものに遮られて、いかにも王様ですって感じの老人と、その家来と思われる偉そうな衣装のおっさんが一人立っていた。
多少のファンタジーをかじっている者ならば想像もつくことだろう。
そう、異世界召喚って奴だ。
俺の名前は
どうしてこんな事になってしまったのか。
それを語るには少しばかり時間を遡って説明しなければなるまい。
つい先ほども名乗ったが、俺の名前は
私立光明高校に通うごく普通の高校三年生だ。
そう、ごく普通。
ブサイクって訳ではないけどまぁフツメンなおフェイスを持ち、デブではないけれどガリでもない。
いわゆる中肉中背って奴で、身長はギリギリ170cmに届かない。チビでも無いけど高くも無いクソ微妙なライン。
成績は中の下。いじめられてはいないけど友達は少ないし、むしろ影が薄い方。
声だってイケメンからはほど遠い、チビま○こちゃんに出てくる委員長とかみたいなノットイケボなクソモブボイス。
当然、眼鏡。典型的なモブ系男子って奴だ。
そんな俺は今日の朝。通学時間における唯一の癒しとも言える、憧れのマドンナを視姦するという行為に酔いしれていた。
あぁ、美しいなぁ。見るだけで癒されるなぁ。
などと思いながら、この学園のマドンナである天王寺桜さんのお顔を眺めていた訳ですよ。
まるで芸術品のように整ったお顔。
長い黒髪に白い肌。長いまつ毛に塗れた唇。
何より、豊満なそのお胸様!!
眺めるだけで寿命が三ヶ月は延びそうな程の美しさだ。
あぁ、少しでも話す機会があればなぁ。
などと夢想はするものの、そんな機会あったとしても部活のエースでもない地味メン中途半端オタクな俺が相手される訳が無い。
そんな事はわかってるんだ、それでも……!
などと悶々としながら思い悩んでいた矢先であった。
突然、何かが光った。
「うぉっ、眩しっ!?」
なんだろう?
と周囲を見やると、その光に目がくらんだのだろうか、一台のトラックが憧れのマドンナ目がけて突っ込んでくるではないか!!
これはチャンス! じゃない! 大ピンチだ!
彼女のような美人がこんな若さで死ぬだなんて地球の損失! 俺が助けなきゃ!
呆然としているのか動かないマドンナへと急いで近づいて、突き飛ばす!
よし、後は逃げるだけ。
これで俺にも憧れのマドンナとお話しする機会ができた!
と喜んだ矢先。
グキッ。
嘘だろ、おい……こんな時に足とか挫く!?
そして、転倒した俺の顔目掛けてトラックのタイヤが――。
なんかものすっごい衝撃があった気がした。
気付くと俺は、真っ白い空間にいたのだ。
目の前には、いかにも神っぽいじいさんが一人。
「困ったのぅ」
何か困っているらしい。
俺も困ってる。
ここ、どこだ?
「まぁ天国みたいなもんじゃよ」
天国か……。
って、え?
「天原翔君。君、死んだんじゃよ」
死んだ? おいおいおい、嘘だろ?
「嘘じゃないんだなぁこれが」
ってか、心が読まれてる?
「まぁね。君、魂みたいな状態だからね」
本当だ。よく見ると、手とか体がなんか透けてる。
「何が困るってさぁ、ここ、君がいた世界じゃないんだよね」
は? どういうこと?
「君が助けた子ね。召喚されてたんだよ」
召喚?
「うん、ピカって光ったでしょ? アレ、召喚の光」
へぇ~。で?
「うん、それで君はね? 巻き込まれちゃったみたいなんだよね。召喚に。結果、魂だけここに来ちゃったわけ」
異世界転生って奴だろうか。
だとしたらそこは普通女神だろ。
なぜにおっさん?
「しゃあないじゃん。わし、男なんじゃもん」
じゃもんって言われてもなぁ。
「あとわし、神とかじゃなくて、正確には“神みたいなもの”ね」
どう違うん?
「輪廻転生を管理している魂の王。精霊の王みたいな感じ?」
へー。
「で、君、可愛そうだからこっちの世界に転生する権利とかあげちゃうけど、どうする?」
おー、それは嬉しいね。
記憶はもちろん残ったまま?
「もちろん」
それはいいねぇ。
……で、可愛そうって?
「うん、だって君、ぶっちゃけ無駄死になんだもん」
は?
「無駄死に。君が助けた子ね? こっちの世界に召喚されてたから、あのままほっといてもぶつかる前にこっちの世界に飛んで助かってたんだよね」
……リアリィ?
「マジマジ」
酷くね?
「しかもその召喚ものぅ、こちらの世界の王が利己的に使いおったものじゃから……君、完全な巻き添えなんじゃよ」
マジで酷くね……?
「で、巻き添えで死んだ上に魂だけで召喚されちゃった訳でしょ? 無駄死にな上に元の世界に戻そうにも肉体は死んじゃってるって訳」
そんなのってないよ……あんまりだよ……!
ってか責任とれや誰かおいこらぁ!!
「で、可哀想だからさ。うちも責任とってさ? 君の知ってる漫画だかアニメ? だかみたいに沢山スキルとかあげてさ。優遇した上で転生させてあげようって訳よ。どうよ?」
それは願っても無い事だけどさ。
「じゃあ契約成立ね。で、スキル何が欲しい?」
契約成立ってなぁ……。
後でなんか請求したりしない?
「その辺は大丈夫。わしを信じて……」
信じがたいけど信じるしかないんだよなぁ。
「で、ほれほれ。欲しいスキル言ってみぃ」
スキルねぇ……ってか、スキルなんてあるんだ。
「あるねぇ」
一体どんな世界なんです?
「君のよく知ってるような異世界転生ものとほぼ同じ。よくある剣と魔法な世界だよーん」
だよーんって……本当にあるんだ、そんな世界。
「本当にあるんじゃよぉ。しっかし凄い偶然じゃのぉ。お前さんの世界の作家、予知能力とかあるんじゃね?」
案外、俺が元いた世界の方こそが異端で、普通はそういう世界ばっかだったりするのかも?
「そうかもしれんのぅ……で、何が欲しい」
何がって、そりゃぁ……前世では使ってあげられなかったものをしっかりと使えるようなスキルですかねぇ。
「使ってあげられなかったもの?」
本来ならば別の用途があるのに、排便行為くらいにしか使ってあげられなかった……一人で慰めるしかできなかった可哀想な息子ちゃんに、全力で暴れてもらえるようなスキルが欲しいっすね!
「あ~……そういう」
こういうのは女性には伝えにくいものがあるからね。こればっかりは相手がおっさんでよかったかも?
「お主も好きよのぅ」
神もどきのじいさんがニヤニヤしながら肘で突いてくる。
「そりゃぁ、男ですから」
「わかるわかる。わしも若い頃はのぅ……グヒヒ」
「ぬふふ」
二人、男同志、わかりあって親睦を深めた。
そんなこんなで俺が神様っぽいじいさんに伝えたのは四つ。
童貞のまま死んでしまったのが悔しいので、来世ではブイブイ言わせてやれる系のスキル。
そしてチートレベルの最強ステータス。
やれば何でも身につく天才的な才能。
そして不老不死の体。
無双系の能力を選ぶべきだったんだろうけど、そういうのは後で身につければ良いだろ。レべリングもゲームの内ってね。
とりあえず死なない事、痛くない事、辛くない事、そして何でもやれば全部上手くいくこと。
そして何より、魅力特化だ。
その世界における最強レベルの魅力と、女を一瞬で絶頂に導けるような性的スキルとかそんなん。
これさえあれば文句は言わねぇ!
「お主も好きよのう」
ニヤニヤと笑いながらじいさんが何か色々と操作して設定しているご様子。
空間に半透明のパネルが出て指で操作してる感じだ。
これはあれか? ステータスオープン! みたいなのもあるのか?
「あるぞい。地上に出たらやってみるとええ」
あるらしい。
ちょっと楽しみになってきた。
「転生して赤ん坊からでは面倒じゃろう。生まれつき大人で老化もしないタイプの魔族にしておくからのぅ。他にも親無しってのは面倒じゃろうから、人化した状態で召喚された奴らと一緒にこの世界に来た犠牲者の一人って感じで処理しておくからのぅ。がんばれよ~」
じいさんの言葉と共に世界が白い光に埋め尽くされていく。
こうして俺は異世界に転生した。
俺の第二の人生が始まるのだ!
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