ゆっくり解説者の闘病日記

とくじろう

闘病日記~前日譚~

動画を作るのはしんどいけれど何もせず無為に過ごすのもなんだかなというわけで、せっかくだから入院中に日記(もどき)を書いていこうと思います。

とはいえ既に25日経過しています。

これはpixivの最初のほうに書いた日記を加筆修正したものです。


今回はその前日譚。入院にいたった経緯です。最初に言っておく。

壮絶なまでに暗い。あと各所に結構恨みがこもってます。

ご覚悟めされい。敬称略です。


メンタルが崩れる前兆は2020年5月。母が亡くなったことに始まります。

介護というほどではないですが、仕事をやめて日常のお世話を始めたのがたしか…2019年の夏。母の体調が芳しくなく、家事が出来なくなったためです。

末期がんだと発覚したのが10月、手術をしたのが11月。あと2か月と余命宣告を受けたのが2020年1月。それでも生きているうちは一緒に泣きながらも生活をしていたし、私のメンタルもブレイクはしませんでした。

そりゃ介護ではなくてお世話とはいっても究極に気を遣うわけで大変と言えば大変ですが、いなくなるより全然いい。

テレビから流れる森山直太朗の「さくら」で二人大号泣ですよ。

桜は見れるのか?3月は微妙に難しいか?

母は2020年5月の私の誕生日に亡くなったので、桜は見て逝きました。


闘病、特に余命を宣告された病気はゴールがありません。

末期の病気にゴールではないんですよ。

「終わり」です。残されたものにそこから始まるのは「後悔」と「絶望」。

葬式が終わって少し経った頃からそれが頭の中で始まります。

そんな状況で物事がうまくいくはずもありません。

ましてや私は自分で言うのもなんですが、よく言えば繊細さん。

悪く言えば度を越した完璧主義の超神経質。


ゴリゴリと活力はなくなり家のことをこなすので精いっぱい。

とても動画を投稿できる状況ではありませんが、YouTubeは待ってはくれません。

システム上一定期間投稿がないとトップや関連動画に載りにくくなります。

これはチャンネルの規模にもよりますが、私の運営するチャンネルは決して大手ではないので、忘れ去られるのは一瞬です(5万人弱)。

運営にも、視聴者にも。


ものすごい恐怖との戦いです。眠れません。食べられません。

コーヒーだけは1日10杯飲みます。


そもそも動画投稿者(母はハッキリYouTuberと言ってましたが)になってほしいと言い出したのは亡くなった母で、私の意思ではありませんでした。

2019年春、ガンがわかる前の出来事。

自分が興味関心のあるジャンルを探して…せや!クリマイを紹介しよう!

専門用語多いドラマだし、それを実際の犯罪者と絡めて説明しよう!

これがザックリとチャンネル誕生の経緯です。

今では犯罪心理学の真似事してますが最初はこんな感じでした。


「続けてほしい」とはもう遺言ですよね、あったので、

チャンネルを形にはせねばなりません。

収入もこれしかないし。家事して投稿して社会で働いてとか無理ゲーです。

一人暮らしではないからね。

働いている父と弟の家事をしながら正社員…無理。


さらに「チャンネル運営」もあります。

中傷コメント(批判ではなく)の管理やインプレッション(関連などからどのくらい来てくれているのか)クリック率(サムネの訴求力)などなど、動画を作って投稿していればいいわけではないんです。考えることは山積みです。


それでもどうにかこうにか続けてきたのは母が生きていたからでした。

その母も亡くなり、二人の祖母も亡くなり。

それでもコロナでロクな気晴らしもできず。

気晴らししようとすると都会の人は石投げてくるって、

くまみこで教わったから。


「コロナになりますか?それとも精神病みますか?」で私は「精神病む」を無理やり選択させられた、そういう状況です。

「コロナで自粛している」とツイートしている人でさえ「ライブに行ってきた」「友人と遊んだ」「カードショップに行った」など適度に気晴らししているのを何件何十件も見ています。

私もMTG専門店の「晴れる屋」さんに一度行きたかったけれど、入院してしまったのでもう無理でしょう。主に金銭的な意味で。

入院代、いくら高額制度があるとはいえすごいですからね。

上京計画ご破算です。仙台さえ無理だし行っても何もできません。


私の状況で自粛したら精神を病むに決まっていました。

適度に遊び歩くべきだった。後悔しています。

他人は自分のことを考えてくれないのに、世話してくれないのに。

どうして自分は他人の目を気にしてしまったのか。

「コロナにかかったらあなたが大変なんだ」と言う人が心配しているのは「あなた」ではなく「自分」と「社会」と「医療崩壊」です。

その人がメンタルどうなろうと関係ないんです。経済はよそでやって。

私に方々で自粛を促した人たちは入院代を出してはくれません。

仮に私が遊びに出たら100%コロナにかかる前提でも、どっちみち入院はしたんです。

コロナで入院しようと精神的に病んで入院しようと入院代は出してもらえません。

そこらのコロナうつとはレベルが違う。

何せ母をはじめ身内がバタバタ亡くなりましたからね。


気晴らしもできずチャンネル運営にも身が入らない状況で、登録者と再生回数は笑えないほど急降下していきました。

投稿できない私。頻度を上げる同内容のライバル(実写とV含む)たち。

私も頭からっぽで作れる「人物概要」だけにしようかなと考えたのは1度や2度ではありません。

私の動画は人物概要のあとに私の見解が入ります。

そっちが本命で人物概要はそのための前知識です。


概要だけで良いなら個人の私でも3日で1本(10分ちょっと)楽勝。

ちょろいです。収益だけを考えたら絶対に100%それが正解。

適当に人物概要話して最後それっぽいこと言って終わり。

「犯人はひどいやつなんですよ」とか言っておけばいいんでしょ?

でもそれをしたらチャンネルの趣旨に反します。

時間がかかるのはいくつかの犯罪心理学の分厚い本を読んで砕いて戻すこと。

どれかなとテーマを考えて。専門家ではないのにね。


1本の動画で加害者に場当たり的な憎悪を向け、被害者には十数分無責任に寄り添うだけの感動ポルノなドキュメンタリーで終わらせたくない。

そんな次の日にはけろっと忘れている動画にはしたくない。

事実私は日本語チャンネルなら一番詳しく扱っている自負があります。

そんな思いで作ってきました。

でもそれでは投稿頻度は上がらない…。

YouTubeでは完全に負け、敗者です。

文字通り八方ふさがり。


一縷の望みは書籍化でした。

これだけ詳しく動画にしてるんだし、腐っても4万人の登録者(当時)。

再生回数も公開24時間でアベレージ1万回以上(当時)。もしかして…。


いろんな「さか」がありますが、「まさか」はありませんでした。

あるのは転がり落ちる本当の「坂」だけ。


YouTubeは遊びではないという人がいますがそれはちょっと違います。

YouTubeは真剣な遊び場でなければならなかった。

遊びではないという人たちが遊び場を戦場に変えてしまった。

最初から戦場だったわけではありません。

真剣な遊びだと勝てないから土台を変えた。

こだわり、企画、内容で真剣な遊び心を持つ職人に勝てるはずがない。

だから大量破壊兵器を投入できる戦場に変えたんですね。

YouTubeが戦場になったら勝てるのは武器商人であって職人ではありません。

それはゆっくりに限りません。


シリアルキラー解説でも事件解説でも未解決でも都市伝説でも怪談でもオカルトでも歴史でもなんでもそうです。

皆さん職人が好きと言う割には、見てるチャンネルは商人のなんですよね。

毎日投稿=商人ではありませんよ。

中身のない動画ばかり公開して数を増やすことを意識しているのが、私のなかでの商人です。

人によってはそれを「コカとペプシの違い」と言いますが、そうでしょうか。

職人は生きてるうちはそうそう評価されません。

そう思い始めたころから「死」が頭をよぎりだしました。


親をはじめ近い肉親を亡くしても気晴らしさえ出来ず、

人物や事件概要だけで一切投稿者の考えがない、

何を言いたいのかよくわからないチャンネルは「面白い」ともてはやされ、

果てはコカとペプシの違いと言われてうちは急降下。


さて。2020年の秋ころからずっと頭にあったのは「とにかく気晴らしがしたい」これだけでした。

家族以外の人に会いたい。話がしたい。外食でも良い。

既にメンタルはボロボロですが、まだあります。

それを見越したのか、究極なまでにコロナ脳な父親が「ゆるキャラグランプリを見てこい」と。


ありえん出来事です。


私はゆるキャラが大好きで、しかも2020年は最後。屋外イベント。

たかたのゆめちゃん!

さらにVTuberの某お二人が来る!毎日動画見てる!!

しかしお二人には会えず。ファンクラブなのかな?

そろいのパーカー来てる人たちが前面で新参は入りにくい状況。

かなり遠目からステージを見て「帰ろっか」となりました。

隣の子供も「あれ着てないと(お話しちゃ)ダメなの?」みたいなこと言ってました。

というわけで気晴らしになったのか微妙でしたが、

私のゆるキャラぐらんぷりはこんな感じで終わりました。


冬になりました。もう「メンタル?なにそれ?」状態です。

もうほとんど残ってないよ。端切れレベル。

人の死が「ヒトノシ」被害者が「ヒガイシャ」みたいな感じ。

でも動画を投稿しないわけにはいきません。母との約束です。生きる糧です。

父は自粛の限界を迎えたようで毎晩帰りが遅くなります。弟は元々仕事で遅い。


犬を飼い始めました。わからないことだらけで不安だしトレーナーに一度指導してほしかったのですが、家族は認めません。

コロナ云々、犬の面倒も見れないのか云々、お金が云々。

トレーナー指導は家族がそろっていなければ効果が薄いです。


この頃から吐くようになりました。犬ではなくて私が。

それまでも1本の動画投稿に3回は吐いてました。

公開ボタンを押して、1時間後の結果を見て、24時間後の結果を見て。

なぜ私がこんな目にあうのか…。理由は分かっていました。

チリが積もって山となったんです。


自虐や被害妄想もひどくなっていきます。

「この投稿者卑屈だから嫌い」とも言われます。

陽キャは良いよな。ごめんね陰キャで。母さん死んだから許してくれよ。

そうしているうちに一人目の祖母が亡くなりました。

周囲が泣く中、涙が全く出なかった。祖母は好きでしたよ。


死ぬことってそんなに不幸なのか? 

不幸だと泣くのか?

死ぬこと「だけ」が不幸なのか?

今の私は不幸だぞ?

さぁ泣けよと言っても、誰も泣かんだろ?

泣いたら祖母は生き返るのか?

私のチャンネルは復活するのか?

母は生き返るのか?

誰のために、何のために泣いているんだ?


祖母は火葬炉に入っていきました。


2021年春から夏。

それまで毎週欠かさずしていた母のお墓参りを初めて休みました。

体が思うように動かなかったのです。

公園で太極拳をするおじいちゃんのように、ゆっくりしか動きません。

それでも犬の散歩は開始します。安心してください。犬は無事です。


そうこうしていたらもう一人の祖母が亡くなりました。

もうよくわからないというか、混乱極まった状況です。

自分が地獄だと思っていた場所にはまだ続きがあった、

最深部ではなかった。そんな感じ。地獄も奥が深いですね。


このころから最後の綱、ライブ配信を開始しました。

私もゆっくりの端くれ、人前で話すのは超苦手ですし、ゆっくり解説者が配信をすると確実に登録者は減ります。これは確実。間違いない。評判も下がります。

「配信が面白くてこの方のゆっくり解説見始めました」って聞かないでしょ。

でも「ゆっくりが良いのに配信しやがって…もういいわ」はツイッターで見るでしょ。なぜか裏切り行為に思う人がいるんです。


配信は…どうだったのでしょうね。ポジティブ面で分かったことは、


・平場でも近くに動画で取り上げたシリアルキラーなら結構話せる。裏を返せば配信で話せない人は台本を読むだけの演者か、実はそんなにそのテーマ(シリアルキラーに限らず)に興味がない(解説系なのに配信はノリで1時間とかの人が実写やVで割といる)

・緊張はするけれど開始したら吐きはしない(開始前は吐くしトイレも多い)

・動画と配信で同じ内容なら編集不要な配信のほうが恐らくずっと楽。(事前に調べておけば知識は同じなんだから話すことは変わらない。経験して分かった)


ネガティブ面では


・人が来ない(恐らくメインチャンネルでやっても同じ。そこそこ告知してもMAX100人いかないくらいだから、うちのチャンネルは地声嫌いのゆっくり好きが多いのだろう)

・OBSがわからない(マジでわからない。動画見てもサイト見てもわからない。誰か設定して「はい、もう配信できます。画像はこうやって持ってきます」くらいにならないかな。これ出来たらゼミ発表みたいな形式でできそうだが…いや地声嫌いが多いから無理か)

・放送事故の可能性(個人でやってるので何かあったときに誰にも聞けない。個人では対処できないことも。個人の弱いところ)


いつもの精神状態、ポテンシャルならもっと良い点悪い点を見つけられたかもしれませんが、ボーっとした状態の配信や頭の回転だとこれが限界でした。


戻して。ある日、同ジャンルの動画をいくつか見ていたら「ゆっくり(というか機械音声)は楽でいいよな」「正体を明かさず喋れる」とも受け取れる発言をした動画を見つけてしまいます。


ちょっと何を言ってるのかわからない。


その人が顔出し実名でやってるならまだしも。

コメント欄を見ると「いつも勉強になります」と。

いやいやいや、事件概要話してるだけじゃん。

お気持ち話してるだけじゃん。

だったらうちのチャンネル見にきてよ。きっと何倍も勉強になるから。

…とは流石にコメントできず。

ゆっくり動画は作成楽じゃないよ?

ぺらっぺらな動画でもそれなりに大変よ?


やっぱり登録者数が多いチャンネルが言ったことが正義になるんだなって。

うちみたいなのが何を言っても信者を抱える教祖様には勝てません。

YouTubeは教祖様が黒と言えば白も黒になるんです。

たとえライターが書いた台本を読んでそれらしくしても、

演者が考えたことになるんです!恐ろしいですね。


6月、心療内科の先生に「ちょっと見るからにやばそうだし入院しよ」と言われるも「今入院したらチャンネル終わるし家事する人もいなくなるんでムリっす」

7月、心療内科の先生に「ちょっとウチではもう厳しいから精神科に転院しよう」と言われ「…了解しました」

7月末、転院先の先生に「入院しましょう」


そして2021年8月2日。開放病棟です。瀬戸際。

文字は読めますが、先ほども言ったように頭のポテンシャルが相当下がっているので理解が追いつきません。

今回の文章も推敲なく思った通りに打っています。

一応誤字は見直した、その程度です。

失礼な点は絶対にありますがその点はご了承ください。

そもそも読む人おるんかな。


母を亡くしてからは本当に本当に、文字通り精神的には地獄でした。

ほぼ毎晩泣いてます。

その精神的な地獄はまだ続いています。

これはもう母が生き返るか、母に変わるほどの人生の推しが見つかるか、

チャンネルがなんか知らんが息を吹き返すか、〇ぬかしないと変わらんでしょう。

知ってますか?地獄って悪いことしなくても落とされるんですよ?

しかも深いんです。ずっとずっと落ち続けるんです。


今回は以上です。

ね、暗かったでしょ。ちゃんと最初に注意したんだからね!

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