第33話 『普通に』会えない
「言うんだけど、言うのも、そのなんていうの、言い方?」
「へー、めんどくさいね」
「めんどくさいんだよ」
「そんなの考えてんの、みんな」
「考えてるんじゃない?考えてる。だからその経験談みたいのが書いてある、バーって」
「しの、それ感化されるわけ?」
「ん?」
「しのはそれをちゃんと読むわけ?」
「読む」
「へー」
「読む。だってはじめてのことだからわかんない」
「へーーー」
「だってそうじゃん、今までっていうか、今までの人たちとかはさ、例えば土曜日休みだから会おうねって言ったらさ、ほぼほぼ普通に会えるわけじゃん」
「うん」
「仕事いつ休みー?いついつだよー、っていう。あれじゃん」
「まぁねぇ。なるほどねぇ」
「おにいちゃんはね特殊だからね。特殊部隊に入ってるから」
「オレおかしいからな」
「うん」
「あなたが言うようにおかしいから」
「おかしいでしょ。淋しいみたいのはないの?」
「え?」
「逆にさ、『しの、こうして』みたいのはないの?」
「こうして?」
「うん」
「『しの、こうして』かー」
「うん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。