第23話 ヤキモチ


「でも頑張ってるからね、おにいちゃん。しょうがないね」


「なにが?」


「ん?」


「何がしょうがない?」


「いやだから、もしそうなったとしたらおにいちゃんのことだからさ、うまくそこらへんはやってくれると思うからさ。私に気づかれないように。その逆も然りだけどさ」


「うーん。気づかないように?うまく?」


「ん?」


「うまくやれと」


「やってると思うよ」


「やってると思う。現在進行形かい」


「ふははは(笑)今やってんの?」


「何を?」


「やってんの?」


「何をやってんだよ」


「行ったりしてんの?旅行」


「行ってないし、旅行なんて」


「旅行っていうかお出かけみたいな」


「行ってないしどこにも」


「行ってないよね、どこにも」


「うん」


「え?」


「いつ行くんだ」


「たまにちょっとヤキモチ妬くよ、私だって」


「何が」


「私だってヤキモチ妬くじゃん」


「なんでヤキモチ妬くの?」


「え?」


「え?なんでヤキモチ妬くの?」


「おにいちゃんに対して私だってヤキモチ妬くでしょって」


「なんで?」


「好きなんだもん」


「そうなの?」


「うん。知らなかったでしょ?」


「知らなかった」


「ずっと前から好きだったの」


「ほんとに?」


「うん」


「知らなかったぁ…」


「うん」


「わからないね、女性の気持ちは聞いてみないと」


「でしょ?」


「うん」


「………なんなんだよ、この会話は(笑)」


「あはははは(笑)」


「なあ、この会話なんだよ(笑)」



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