「んで結局奥さんがしてほしかったのは、奥さんは一緒に旅行にも行きたかったし、自分との時間を欲しかったの」

「まぁそうだね」

「うん」

「たしかに」

「っていう何か忘れちゃったけど、そういう話を聞いて、私思ったのよ」

「何を？」

「いや」

「奥さんと出掛けてるのかなって」

「出掛けてないね」

「大丈夫なの？」

「コロナだからね」

「え？」

「コロナだからねって言ったの」

「ふははははは(爆笑)」

「ダメ？」

「いいよ(笑)ふふふふ(笑)」

「何？」

「よかったね(笑)」

「何がよかったの？」

「ううん、そういう理由があってよかったね、おにいちゃん」

「うん」

「でもさ、そう思うと男って悲しいなって思って、なんか」

「なんで？」

「その人は一生懸命、一生懸命頑張ってたんだよ」

「みんな頑張ってんじゃん」

「ちゃちゃちゃ、それでー、頑張ってるのは勿論その奥さんもわかってたの。家族のために頑張ってくれてるしってのはわかってたんだけども、だけども結果やっぱりね、もう、だからそういう」

「なんだよ、結果何？」

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