好き
勉強会2日目。今日は近くの図書館の自習室で勉強をする予定だ。私たちの利用する図書館は、自習室が個室になっていて個人で勉強するにはちょうどいいだろう。しかし、どういう訳だか個室に3人くらいなら余裕で入れるし、防音完璧でカラオケもついている。今日はそんな変わった図書館で勉強しようということだった。
「夏海、楽しみだね! 私個々の自習室使うの初めてだよ」
「うん。私中学の時たまに使ってたから勝手はわかるよ。時間決めないといけないんだけど、お昼ごろまででいいかな」
「そこはおまかせするよ」
そんなことを話していたら、図書館についたので、自習室前で入口のところで使う部屋と代表者の名前を記入して勉強を始めた。
しばらくお互い黙って勉強をしていたけど防音完璧で匂いのしない図書館の個室、いつも以上に蒼ちゃんのつけている香水の匂いがして集中ができない。今ならだれもいないし邪魔も入らない、外に気付かれることもなく押し倒すことができるだろう。
ドタッ!
なんてことを考えているうちに私の体は動いていた。
「な、夏海、どうしたの」
「蒼ちゃんが悪いんだよ。いつもいつも、周りも人に笑顔を向けて、優しくして、自分の魅力に気づいていない。蒼ちゃんが昨日私に近づいてきた時もいきなり家に誘ってお泊り会に誘った時も少し危機感がなさすぎるんじゃないかな。それに、蒼ちゃんが誰かのものになるのは嫌なんだ。ねぇ、私、蒼ちゃんが好きだよ。だからさ、付き合ってよ。」
私は何を口走っているのだろうか。でも、こんな機会二度とないかもしれない。しかし、これで私が振られて仲が気まずくなってもしょうがないだろう。これは、私が一方的に蒼ちゃんを押し倒して、告白したのだから。それに、蒼ちゃん泣きそうだし。
「はい。お願いします」
え…。今、はいと聞こえた気がする。
「え。ほんとにいいの?」
「うん、私も前から好きでした。それに、急に家に誘ってお泊り会とかすごい近づいたりなんて、夏海にしかしないよ。じゃあ、これからはカップルということでいいのかな。」
顔を真っ赤にしながらてれてれしている蒼ちゃんと同じくらい私の顔も赤いのだろう。急だったけれど、わたしたちは付き合うことができた。その後しばらく、また無言の時間が過ぎていたけど、さっきよりも近くで勉強をしていたら終了の時間になった。
「よし、もう時間になったね。今からどうする?」
午後どうするか話すときには平然としていたいけれど、内心は全然落ち着けない。
「じゃあね、せっかく付き合えたんだし、カップルっぽいことしながらご飯食べ行きたいな。」
「手をつないでいこうか。近所のサ〇ゼでもいい?」
「いいよー。えへへ」
二人して顔を真っ赤にしながらご飯食べ行って、「あーん」なんてことをしてしまった。そのあとは、普通に蒼ちゃん家に帰って、昨日みたいに一緒にお風呂に入った。でも、彼女の彼女になれたからか、いつもより色っぽく見えてやっぱり倒れた。
いやー、私は幸せだなっ!
百合カタパルト nsho @Nsho
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