百合カタパルト

nsho

第1話 少女妄想中

 気づいた時には彼女の姿から目が離せなくなっていた。誰とでもすぐ仲良くなれる彼女と教室の隅で本を読んでいるような自分。正反対の彼女に声をかけられるまでは違う世界にいるように感じていたが案外話も合う、かなり人見知りだと思うのだが彼女の周りのぽわぽわした空気に充てられて、話しやすい。出会ってまだ二ヵ月程しかたっていないのに私が彼女に対してこのような感情を抱いていることは彼女は気づいていないのだろう、何なら女同士の恋愛なんて気にもしていないと思う。あぁ、今日もかわいい。

「ねぇ、ねぇってば!夏海、聞いてた?」

「あ、ごめん聞いてなかった。それで何の話?」

「テスト一週間前じゃん、学校もテスト前一週間は午前授業みたいだしさ一緒に勉強会しようよ。二人でさ」

 べんきょーかい? あぁ、あの勉強会か。陽キャの方たちが大人数で集まって勉強しようとか言っているのに全く進まないあれか。(※これはあくまで夏海の偏見であり実際の勉強会とは違う可能性があります)中学の時は一人で勉強していたし、そのやり方で校内でもそこそこの成績を修めることができていたこれからもそうしていくものかと思ってた。しかし二人とは、

「OK!いつから始める?」

「今日金曜日だしさ、私んちで今日から泊りで日曜日までとかどうかな」

 二人きりでしかも好きな人の家で二泊三日のお泊り勉強会とは、なかなかレベルの高い・・・しかしこんな機会なかなかないだろう。何なら告白してもいいかもしれない、最近いい感じだし。

「急だけど大丈夫?もし良かったら教えてくれると嬉しいでしゅ」

 しまった意識のし過ぎで噛んだ

「急に改まってどうしたのしかも最後噛んでるし!うちは大丈夫だよ。今日は学校少し早く終わったし三時に迎え行くね。また後でね!」

「うん。また後で」

 今日は親がいる日でよかった。親が仕事だと泊まることも伝えられないし、蒼ちゃんの家に泊まることもできない。こんな話をした後だとむんむんとしたまま夜を過ごすことになるとこだった。

「ただいまー!」

「お帰り。やけにハイテンションだけどいいことあったの?」

「あったも何も、今日から三日間蒼ちゃんちに泊まりに行ってくるね」

「あら、そうなの。あんまり長門さんのところに迷惑をかけちゃだめよ」

「わかってるって!勉強会するだけだから、大丈夫だよ」

 早くしなければ、三時まで時間がない。しかし、徒歩三分もかからないのに迎えに来てくれるとは、蒼ちゃんも私に気が合ったりして・・・。そんなことを考えながら荷物をまとめていると三時前になっていた。

(ピンポーン)「こんにちは!」

時間ぴったり。ちょうど準備が終わったときに蒼ちゃんが来た。

「はーい。今行くね!」

そんなかんじに蒼ちゃんのもとへ玄関へ行くと私服に着替えていた美少女の姿が・・・

「夏海どうしたの天に召されそうになってるけど!」

「oh・・・Jesus」

「なつみーーー」

そんなかんなで天に召されそうになったが戻ってくることができた。始まる前からこれで三日間も耐えれるか心配だが、蒼ちゃんの家へ行って勉強する。何か起きたらその時の自分に任せよう。

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