魔物にはもう孕まされん! 〜神様から貰った『避妊魔法』とかを駆使して、俺は英雄になってヤる!〜

るっち

第0射 最低最悪の死に方


「ねぇ! なんでそんなことしたのよ!!」


 彼女から詰問されてる俺の名は、原将蓮はらまされん。苗字が原で名前が将蓮……な? 変わった名前だろ?

 トシは22歳。アダルトショップのバイト店員をしている謂わゆるフリーターというやつで、高校時代の渾名は『ハラショー』だ。

 ただ今絶賛、彼女との修羅場中である。

 彼女とは高校1年の頃から付き合ってるから今年で7年目になるだろうか? そんなに長く付き合ってれば当然色んなことが起きるもんだが、今回は流石にヤバい。

 彼女は今、左手に包丁を持って俺に激昂してるところで、いつ刺されてもおかしくない。

 正直言ってすっげぇ怖いけど、100%俺が悪いから何も言えないんだよね。それで、俺は何をやらかしたかというと……



「ねぇ! なんで浮気なんてしたのよ!!」


 ……とまぁ、そんなわけである。

 つい魔がさして先月にこっそり浮気なんかしてみたら、不覚にも一発で浮気相手を孕ませちまった……敗因は消費期限切れのゴムを使ったからだと思うんだよなぁ……くそぉ……



「ねぇ! 私の話を聞いてるの!?」


 ほ、本格的にヤバいな……話なんて全然聞いてなかったし……まぁ、いっか!

 んで、なんで浮気の件が彼女にバレたかっていうと、浮気相手から孕ませたお詫びとして付き合ってからの結婚っていう流れを約束させられて、それを彼女に告げたらこの有り様ってわけ。

 別に隠してたわけじゃないし、自分から言ったんだからワンチャン許してくれるかなぁって思ったんだけど、やっぱダメだった。

 本当は俺だって彼女とは別れたくないけどさ、この国は一夫一妻制だからしょうがないよね?

 てか、なんで浮気なんかしたんだろ? 別に彼女との相性は心身共に悪く無かったし、特に不満とかも無かったんだけどなぁ……

 もうこの際、他の世界でもいいから人生やり直したいよ……はぁ……



「ねぇ! ちょっと! なんであんたがため息なんか吐いてんのよ!! ため息を吐きたいのは私の方なのに!!」


「あぁ、ごめんごめん。ちょっと考え事しててさぁ……」


「はぁ!? この状況で考え事ですって!? もういやっ! アンタを殺して私も死んでやる!!」


「うおっ!? ちょっ、まっ、待って、な? たっ、頼む、頼むから待ってくれ!!」


「うっ、うるさぁぁぁーいっ!! あんたなんて死んじゃえばいいんだぁぁぁぁぁーっ!!」


「う、うわぁぁぁぁぁーっ!! は、はなっ、やめーー」





「……」


 あぁ、もうすぐ俺は死ぬのか……


 あぁ、死ぬ前に女湯を覗いてみたかったな……


 あぁ、やっぱ死にたくねぇよ……


 あぁ、刺される前に戻らねぇかな……


 あぁ、せめて刺されたとこ治ってくれよ……


 あぁ、床が超気持ちいいや……


 あぁ、なんか眠くなってきた……


 あぁ、これが死ぬってことなのか……


 あぁ、華……ごめ……ん……




 

「……はっ!? 華ごめん! マジで反省して……って、あれ? 俺って確か、彼女に刺されて死んだはずじゃ……な、なんで生きてんだ……? ていうか、どこだ、ここ……?」


 どうやら俺は、別の空間に来てしまったようだ。

 特に何もない真っ白な空間で、例えるなら某人気漫画に出てくる精神と時の部屋みたいな感じかな。

 まぁそれは別にいいとして、なんでここに俺が呼ばれたのかが問題なんだよなぁ……ここが天国ならいいけど絶対にありえないし、もし地獄なら思ったより楽に死に生きれそうだ……

 つーか、死んでるのに生きるってイミフだよな? ははっ……はぁ、取り敢えずは誰かいるかもしんないし、大声で呼んでみるか……



「うぉぉぉーいっ!! 誰かいませんかぁぁぁーっ!!」


「たわけぇぇぇぇぇーっ!! そんなでかい声を出さんくてもちゃんと聞こえとるわぁぁぁぁぁーっ!!」


「うぉぉぉっ!? ビっ、ビックリしたぁ……」


 すっげぇうるさい声だな……まだ耳がキーンってしてるよ……でも、一体どこにいるんだ? 声のした方向には誰もいないぞ? もしや姿を隠してんのかも、透明化みたいな能力でさ。


「違うわ! そんな能力なぞ使っておらん! このたわけめ!」


 おっ? なんだ? あのサンタのような白髭をした爺さんは? もしかして異世界の神様だったりして。よく転生モノで出てくるやつ……みたいな?


「もしそうなら、無双できるくらいのステータスと最強スキルを下さい! お願いします!」


 ……どうだ? 反応はくるか? これで無反応だったら俺っち泣いちゃうよ?


「勝手に泣けばええじゃろうが! このっ、卑しく女々しい奴め!」


 酷い言いようだな、これは。ただ、会話は成立するようだからまだマシと言えるだろう。

 まぁなんにせよ、なんでここに呼ばれたのかを先ずは知りたいんだが……うーむ、教えてくれるだろうか……? はぁ、めんどいけど声を張らずに問い掛けてみるか……


「すんませーん! なんでここに俺を呼んだんすかぁー?」


「ふんっ! 信じたくはないが、お主が魔法を駆使してこの世界を救う英雄になると『神占い』に出たからじゃ!」


 えっ、マジで? 俺って凄くね? まさかフリーターが英雄に転職できるなんて、まるで遊び人が賢者になるようなもんだよな! いや、もしかするとそれ以上っ!? どっちにしても悪くねぇ! これで俺は大金持ち確定でハーレムルートまっしぐらだ!


「あざーす! で? 肝心の魔法はなんすか? 即死魔法? 殲滅魔法? あっ、あれか! 終焉魔法ってやつ! でも、アレ使うと世界が滅んで終わっちゃうんだよね!」


「はぁ、何故お主の言う魔法は全て物騒なやつしかないんじゃ? もしや頭が沸いておるのか? ふぅ、かわいそうにのぉ……」


 カッチーン! はいキレた! 俺超キレちゃったよ? これはもう、アルティメットレアな魔法じゃなきゃ納得しないかんね? もしこれで生活魔法とかだったら……絶対に許さん!!


「お主、やばい奴じゃったか……だからこんなに早く召されたのかのぉ……はぁ、取り敢えず魔法はそこの5つを使うのじゃ……」



【窃視魔法・時間魔法・治癒魔法・睡眠魔法・避妊魔法】



「えぇっ!? 少なっ!  しかも魔法のチョイスがよく分からん……特に最後の避妊魔法って……?」


「これらはのぉ、お主が前世で願ったことを魔法に変換してあるのじゃ。つまりはお主が蒔いた種が魔法となって芽が出たわけじゃの。まぁ、最後の魔法は特別みたいじゃがのぉ……」

 

 ……なるへそ、そういうことか。

 確かに使い方次第じゃ英雄になるのだって可能かもな。

 窃視魔法は完全に俺の嗜好に刺さってモチベになるし、時間魔法は超便利だし、治癒魔法も超有能。

 睡眠魔法は別にいらんが、最後の避妊魔法はある意味面白い。女性にも人気ありそうだしな。

 さて、あとは使い方だけど……ん? 神様、なんか言いたそうにしてる? 言いたいことがあれば遠慮なく言ってくれればいいのに……全く、水くさいし足くさい神様だ。


「こっ、こらっ! 誰が足くさいじゃ! このたわけが! た、確かに水虫ではあるが……ごほんっ、実はこの世界でお主にやってもらいたいことがあってな……それはーー」



 ……あぁ、色々喋り出しちゃったよ、この神様……

 で、その神様によると俺の使命は『増加傾向にある魔物の数を減らす、及び増やさせない』ということらしい。

 その減らすってのは討伐のことを意味してるんだと思うけど、増やさせないってのは一体どういうことなんだ……? と思ってたら、勝手に神様が教えてくれたよ……ーー




 ーー……ふむ、なるほどな。どうやら魔物はオスしかおらず、繁殖のためとはいえ人間や亜人の女性を孕ませまくってると……そして、ソレを俺に食い止めてほしいってわけか。なんて羨ま……じゃなくて、なんてけしからん魔物共なんだ! 許せん!!


「よしっ、やってやんよ! 俺やってやんよ! 神様! 俺に任せとけ!」


「お、おぉ、やる気になってくれたなら何よりじゃ……だがのぉ、もうちっとだけ説明させてほしかったのじゃが……」


「お、おぉ、神様が落ち込んでるよ……はい、分かりました! 結果は変わらないと思うけど、一応説明を聞いてあげます!」



 ……とまぁ、そんな感じで一応説明を聞いたんだけど、女性を孕ませる主な魔物の種族とその情報を聞いたってわけ。


 先ずは『ゴブリン』

 異世界で定番のヤ○チンモンスター。通称『犯し屋』

【性欲値3000セクロス・受精率10%・回転数2回】

 ナニは細く短くまぁまぁ硬い。早漏。舌づかいは上手いが愛撫は雑。輪姦が得意。妊娠期間30日。


 次は『オーク』

 こいつも異世界で定番のヤ○チンモンスター。通称『くっ殺キラー』

【性欲値2500セクロス・受精率15%・回転数6回】

 ナニは太く長く硬い。ドリル型。愛撫は不得意だが濡れるまではやる。女騎士が大好物。妊娠期間180日。


 続いては『オーガ』

 闘いを好む、謂わゆる戦闘狂。通称『ザ・クラッシャー』

【性欲値2000セクロス・受精率20%・回転数3回】

 ナニは超太く超長く超硬い。遅漏。愛撫は皆無。孕ませる前に女性を壊してしまうことが多い。妊娠期間300日。

 

 更には『ローパー』

 様々な媚薬を扱う、一つ目の触手系モンスター。通称『媚薬の使い手』

【性欲値1500セクロス・受精率25%・回転数1回】

 ナニは太くどこまでも長く柔らかい。愛撫は上手く、イカせるまでやる。1度の妊娠で沢山産ませる。妊娠期間7日。


 その後は『スライム』

 特殊な酸で衣服だけを溶かすことが可能なゲル系モンスター。通称『露出させ隊』

【性欲値1200セクロス・受精率30%・回転数1回】

 ナニは細く短く柔らかい。愛撫は無意識にしており、知らぬ間にイカせている。愛液を好む。1度の妊娠で3〜6匹ほど産ませる。妊娠期間14日。


 最後は『ユニコーン』

 処女にしか手を出さない馬系魔獣。通称『処女専』

【性欲値5000セクロス・受精率5%・回転数10回】

 ナニは超絶太く超絶長く超絶硬い。まさに馬並み。超早漏だが回転数は多い。愛撫は舌で丁寧に味わいながらやる。非処女が近づくと唾を吐く。妊娠期間330日。

 

 他にも色んな魔物がいるらしいけど要注意なのはこの6種類みたいで、あとの情報は現地調達で頼むと言われちまった。けどそうなると、情報が見れそうなあの魔法が火を噴くだろうな……



「ふむ……説明も終わったことじゃし、そろそろ下界に送ろうかの。お主……いや、将蓮よ……心の準備はよいか?」


「おう! いつでもおけまるだぜ! どんとこいや!」


「うむ、下界でも達者でな……」


「神様……」


 こうして、俺は異世界『エクスタシア』に転生し、下界を神様から託された。

 そして、このエクスタシアで俺は大金持ちになってハーレム生活を送り、ついでに英雄になってヤる!


「神様、見ててくれ……俺がきっとーー」


 まだ喋ってる途中なのに、下界へ転送されてしまう俺であった……

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