第3話 深い森へ

 ヴォル村からアッシュの半径10kmにある影のある場所まで瞬時に移動できる、影移動のスキルにより、村の賢者3人から上手く逃げることに成功したリュン達は、葉が生い茂る深い森の中に転移していた。


「我が移動できるギリギリの所まで影移動した。その上、気配遮断スキルも使っている。これで、あの4人も追ってこれまい」


 アッシュは、自信が持つスキルと呼ばれる特殊な能力を使い、自身の再封印を企んでいるであろう人達から行方をくらませることに成功したようだ。


「それと、この3つ首の龍の姿では、一般人に見られては、すぐにアジダカーハだと丸わかりであろう。ならば──」


 アッシュは、自信の姿を変化させる擬態スキルと魔力を使い自信の姿を信じ込ませる擬態魔法を組み合わせ、人間の姿に変化した。


「アッシュ本当になんでもできるんだね! 凄い!」


「だが、あの賢者共は、高いレベルの千里眼を持っている。偶然我らに出会い、千里眼を使われたら流石に正体が分かってしまう」


「影移動を連続で使えばもっと遠くにいけるんじゃないの?」


「そうするのは簡単だが、お前はこれからいずれかの街へ行き、ギルドに加入する必要がある。だが、ヴォル村の近辺にある、街のギルドに入ってしまいと、奴らに見つかる可能性が高い」


「うんうん」


「だが、遠くの街に行ってギルドに加入した場合、モンスターテイマーであるのにも関わらず、出身の村から出て道中でモンスターをテイムしていないことを不審がられるだろう」


「だから、アッシュの影移動をするごとに、モンスターをテイムしていった方が良いってことね!」


「話が早くて助かる」


 2人の話がまとまったので、リュンは、早速森の中でテイムをするモンスターを探すことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る