第2話召喚

後日


「悠介〜。早くいくぞ!お前とPT組みたかったんだぞ。早くしろ!」


「す、すまん。先に向かっててくれ。」


結城に急かされ教材をバックにぶち込む。


「教科書とか机にぶちこめよ!持っていっても重いだけだぞ?ギルドのロッカーも高いしさ。」


一応ギルドにもコインロッカーがあるが1時間1000円と高校生である俺の懐には響くものがあった。

ただ、親との約束として成績は落とさない為持ち帰り学習する必要はあるのでどうしようもない。


最悪家まで持って帰れば良いのだが、学校からギルドまでは自転車で10分程。家まで20分程だ。往復すると30分も掛かってしまう。


「いらっしゃい。悠介君。今日は攻略に来たの?」


「こんにちは流さん。今日は友人‥結城って言うんですけど、PT組んで1階層を探索しようと。」


「あー。悠介君と結城ちゃんは友達だったのね。なら安心できるからしら。結城ちゃんはここの攻略は済んでるし。」


そう、結城は3ヶ月前にギルドで攻略者登録して2ヶ月目ですでにEランクダンジョンを攻略しており、この辺りでは期待の新人として話題になっていた。


「流さん。先日の件はありがとうございました。」


「いいのよ。あれを公表しちゃうと狙ってくる攻略者がいるかもしれないし。攻略者にも危ない人は多いから。悠介君を守るためには必要ことよ。気にしないでね。」


先日、【ランク??】という前代未聞の事件があり、このまま正式に記録に残して公表すると俺を狙う犯罪、マスコミ、海外からも何かしらアクションが来ると流さんは予想し。信用できるギルド上層部へ連絡。

会議の結果として基本的にギルドとしては公表はせず、戦闘力を考えみてDランクとして処理。

悠介自体が情報を公表し身に何かあってもそれは自己責任となった。

これにより俺はPTを組む予定の結城と家族にだけ今回の出来事を話した。



動きやすいジャージに着替えて入口に向かう。入口は真っ黒になっており、そこに入るのも最初は勇気がいる。中にはいると草原が広がっていた。

空もあり、入口をこえると幻想的な世界へとなっていた。


「とりあえず昨日ガチャででた例のアレを召喚してみろよ。メールだけじゃいまいちわからなかったし。」


例のアレ。昨日出たドラゴニュートのことだ。


【名前】未登録

【種族】スライム

【ランク:E】

【Lv 1】

【戦闘力】100

【スキル】

物理吸収Lv1

自己再生Lv1

【装備】

---



【名前】未登録

【種族】ハイコボルトソルジャー

【ランク:D】

【Lv 1】

【戦闘力】300+50

【スキル】

身体強化Lv1

剣術Lv1

盾術Lv1

【装備】

木剣

木盾



【名前】未登録

【種族】ドラゴニュート

【ランク:??】

【Lv 1】

【戦闘力】300

【スキル】

覚醒(使用不可)

成長

身体強化Lv1

【装備】

---


これが昨日ガチャで引いたモンスター達だ。

1つずつ説明していこう。

【名前】これはモンスターに名付けをすることが出来るようになる!‥だけでなくメリットとして数値こそでないが懐きやすくなり【忠誠】スキルなどが入る可能性もあるらしい。またスキルの上昇もしやすいとか。デメリットはモンスターコアの抽出が出来なることだ。

アイテム、アーティストはアプリから直接だすことができる。モンスターはダンジョン内でしか活動はできないが、それ以外ではコアとして取り出すことが出来る。コアとして抽出されたものはギルドで売買ができランクが低いと需要はないが、高ランクになると高値で販売されていた。


【種族】に関しては説明はあまりいらないだろう。

現在判明してるだけで数十種類があり、珍しいのだと【天使】【魔人】【聖獣】【龍】などがある。見るからに強そうだ。


【ランク】はE〜Sまでありランクが高いほど初期ステータスは高い。モンスターのLv上限も高い。

モンスターはダンジョンで一定確率でドロップするかガチャポイントを貯めて引き当てることでしか仲間にすることは出来ない。


【Lv】はモンスターを倒すことにより経験値を獲得、一定数貯まると上がる。上がる数値は個体にもよるがランクが低いと上昇率も低くなる。

ランクによりLv制限があり

【Eランク】だとLv10

【Dランク】だとLv25

【Cランク】だとLv40

【Bランク】だとLv60

Bランク以降は攻略はまだであり、世界ランキング1位が現在Aランクを8割ほど攻略。打破までもう少しとの情報が出回っている。Lvも80や90だと憶測が流れているのが現状である。


【戦闘力】とはそのままの意味であり。モンスターの力の数値である。Eランクであれば戦闘力300もあれば攻略できるとのことだ。(ギルド情報)


【スキル】これに関しては憶測も飛び交っている。最大Lvは10までとか。10までいくと上位スキルになるとか。そこまでいったらガチプロだな。

スキルは戦闘によりあがっていく。戦闘内容によってスキルの上昇率も変わるらしい。

そしてなんといっても【ユニークスキル】なるものがあるらしい。これはネットに画像があがっているのを見たが【スキルガチャ】から排出されたものだ。

身体強化Lv1だと大体1割ほどの強化。Lv2だと1.5割と0.5とあがっていく。


【装備】はドロップ又は装備・アイテムガチャから排出される。種族により装備が出来る出来ないがあり、アイテムもでるので、このガチャは闇ガチャと言われている。ただ、排出率は悪いがアイテムでマジックバックや空飛ぶ絨毯。ポーションセットなど需要はあるだけにランクの低い攻略者はこの闇ガチャを引きたがる傾向がある。俺としてはそんなのでガチャポイントは使いたくないし、早々に稼いで購入すればよいので装備・アイテムガチャはしない方針だ。

ちなみに装備をすると戦闘力の横に追加で数値が付く。



そしてもう一度みてみよう。

ドラゴニュートを。


【ランク:??】

これはわけがわからない。がスキルをみれば想像がつくな。

【スキル】

覚醒(使用不可)

成長


ユニークスキルだろう。

覚醒‥一時的に本来の姿になる。

成長‥Lvをあげることにより段階的に戦闘力上昇。容姿も成長していく。


要は本来の姿だとランク表記はされていたと思うが、現状幼女モードなのでランク変動が起きてる?のかと思考した。それでも成長と同時にランクが変わればいいだけだと思うんだが。謎だ。


とりあえず【編成】して召喚しようか。


「召喚」


そう発するとデジタル的なエフェクトと共に3体が召喚された。



「ぷるぷる?ぷる!」

スライムがぷるぷると


「‥クゥーン?」

ハイコボルトソルジャーは首を周りを確認している。


「お兄ちゃんだーれ?」

5.6歳ほどの幼女が語りかけてきた。



「「は?????」」


「お、おい悠介。幼女をゲットだぜ!って言ったときはお前との仲を切ろうと思ったけど。マジだったんだな。話せる種族はいるけど実際に初めて見たから驚いたわ。」


「結城、冗談は顔だけにして。会話できる種族って高位、Bランク以上だよな?この娘、戦闘力はDランク相当だけど本来はB以上ってことか?幼女は最高だぜ!」


興奮しすぎておかしな事をいってるような気がする。

まさかDランクのハイコボルトソルジャーが引けて、更にBランク以上に成長するかもしれない幼女まで引けてたのか。すげぇアドバンテージじゃないか!


「お兄ちゃんは私のますたーなの?」

幼女は俺の側まできて見上げて言ってきた。か、可愛い。保護欲はんぱないぞ!


「そ、そうだよ君のマスターの悠介だ。これからよろしく。名前を付けたいんだけどちょっと考えさせてくれ。もちろんスライムとハイコボルトソルジャーにも付けるから。」


スライムはぷるぷると喜んでる風だ。

ハイコボルトソルジャーは姿勢を正しウォン!と吠えた。なんかナイトって感じだな笑。すでに【忠誠】スキル持っててもおかしくなさそう。


「ますたーこれからよろしくね!」



「悠介、時間も限られてるしそろそろモンスターを狩に行こうぜ?」


結城はホブゴブリン、ゴブリンアーチャー、バットを召喚して準備運動をしていた。


「よし!一狩りいきますか!」


いよいよ俺の冒険が始まる。

そうワクワクした感情を抑えて駆ける悠介だった。








































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