ゲームその1 『赤ずきんちゃんのお花畑』第4話

「はい、カモミールティーにお砂糖たっぷりの紅茶だよ。十分甘いと思うけど、甘さが足りなかったらはちみつもあるから、試してみてね」


 ルージュとブランにカモミールティーと紅茶を、そしてマーイにはホットミルクを差し出します。ワオンはコーヒーです。


「わぁ、いい香り。甘いリンゴの香りが、わたしすっごくお気に入りなの」


 さっそくルージュがカモミールティーに口をつけます。ブランも恐る恐る紅茶を飲んで、そして二人とも同時に「おいしい!」と声をあげたのです。


「すごいいい香りだ! それに甘さもちょうどいいよ!」

「わたしのカモミールティーも、ちょっぴり甘酸っぱくて、なんだか新鮮だわ!」


 顔を見合わせてから、味わうように飲む二人に、ワオンも満足そうにうなずきました。


「よかった、気に入ってくれて。ブラン君の紅茶には、とっておきのダージリンを使ったのさ。ルージュちゃんのカモミールティーには、カモミールだけじゃなくてレモンバームも加えて、甘酸っぱさを出しているんだよ。でも、気に入ってもらえてすごくうれしいよ」


 よほどうれしかったのでしょう、ワオンのしっぽも、ふりふりとゆれて、まるで飼い主になでられている仔犬のようです。ルージュが思わずくすりとします。


「そうだわ、こんなおいしいお茶には、クッキーがきっと合うと思うわ」


 バスケットのお花をそっとハンカチに包んで、ルージュがクッキーを取り出しました。ワオンとマーイが歓声をあげます。


「わぁ、ありがとう! それじゃあさっそく、あ、そうだ、お手拭きも持ってくるよ。クッキーを食べたあとは手をふいて、それでカードを楽しんでね」

「ワオンもちゃんと爪を引っこめとけよ。こないだ熱中しすぎて、危うくカードを傷つけるとこだっただろ」


 マーイにつっこまれて、ワオンはへへっと苦笑いします。人数分のお手拭きを持ってきてから、みんなそれぞれ飲み物を飲み、いよいよ『赤ずきんちゃんのお花畑』の開始です! ……ですがその前に、もう一度ルールをおさらいしてみましょう。




~『赤ずきんちゃんのお花畑』のルール~


用意するもの:100枚のカードの束(以下デッキ)を用意します。デッキのカード内訳は以下のようになります。


50枚:お花カード

25枚:オオカミさんカード

10枚:猟師さんカード

10枚:ワインとパンカード

5枚:おばあちゃんカード


ゲームの流れ:最初に各プレイヤーはデッキから3枚カードを引きます。じゃんけんで誰からスタートするかを決めて、最初のプレイヤーはデッキからカードを1枚引き、そのあと効果を持つカードを公開して場に出すかどうか選びます。これを時計回りに続けていき、手札が10枚より多く(11枚以上)なったら10枚になるように調整します。


勝利条件:お花カードを5枚そろえたプレイヤーの勝ちとなります。5枚そろえたプレイヤーは、自分の手番のときに、手札をすべて公開します。公開するタイミングは、カードを引く前でも、あとでも構いません。ただし、1枚でもオオカミさんカードを持っていた状態で手札を公開してしまった場合、もしくは5枚そろっていないで手札を公開してしまったプレイヤーは、自分の手札をすべて場に出す(捨てる)ことになります。ちなみにデッキのカードがなくなってしまったら、一番お花カードを多く持っているプレイヤーの勝ちとなります。


それぞれのカードの効果について:お花カードとオオカミさんカード以外はすべて効果を持っています。自分の番になったら、まずはオオカミさんカードを捨てるか、カードを引くか選びます。オオカミさんカードを捨てたら、カードを引くことはできませんし、カードの効果を使うこともできません。もし、カードを引くことを選んだら、1枚カードを引いて、そのあとカードの効果を使うかどうか選びます。ただし、効果を使えるのは自分の番につき1回のみです。ちなみにお花カードには効果がありませんが、いろんなお花の絵が描かれていて素敵ですよ♪


①オオカミさんカード

このカードを持っていると、勝利条件を満たすことができません。そのため場に出して捨てないといけませんが、1枚捨てるかわりに次の自分の番は飛ばされてしまいます。


②猟師さんカード

このカードは勝利条件には関係ありませんが、オオカミさんカードを持っているときに効果を使うことができます。オオカミさんカード1枚とこのカードを公開して場に出すことで、新たにカードを2枚引くことができます。つまりオオカミさんカード(とこのカード自身)を別のカードに変えることができるのです。


③ワインとパンカード

このカードは勝利条件には関係ありません。これを公開して場に出すと、自分から始めて右どなりの人から、手札を一枚とっていきます(ババ抜きをイメージするといいですよ)。オオカミさんカードがたくさんあるときとかに使うと、相手にオオカミさんカードを押しつけて、自分はお花カードを引けるかもしれません♪ もちろん反対にオオカミさんカードを引いて、お花カードを引かれちゃうかもしれませんが……。


④おばあちゃんカード

このカードは勝利条件には関係ありません。これを公開して場に出すと、プレイヤーの手札と場に出されているカードをすべてデッキに混ぜて、シャッフルし直します(このときに全員手札の枚数をメモするなどして覚えておきましょう)。そして、もともと持っていた手札の枚数分デッキから引き直します。カードをシャッフルできるので、誰か上がりそうな人がいたり、オオカミさんカードが手札にいっぱいあるときとかに効果があります(もちろん他の人がおばあちゃんカードを使うかもしれないから、上がりそうなときもポーカーフェイスでいてくださいね)。


 ……というルールとなります。さぁ、それではいよいよゲームの開始です!

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