魔王様は小さい子がお好き?

食連星

第1話

コウもタカも口うるさいからな…

この姿で城を抜け出すと,結界にひっかかかる.


なれど,人間界でいう所のネコになると,

本当にスペックがネコなんだよな…


何か事を起こすなら,闇に紛れた方が便利が良い.


だが,散歩なら色々見られる日中が良い.


うるさいあいつらもお休み中だ.



迷いの森くらい,自由に散歩させて欲しい.

木漏れ日が気持ちが良い.


『つ~かまえたっ!ねこちゃん!』


なぜか,小さい子に捕まった…

ここに,なぜ,こんな小さな子が.

しかも,女の子だ.


「にゃ~ん.」

ここはネコで通す方が良さそうだな.


『ここは,何もいないから.

ねぇ,人間って爪が無かったら物が持てないって.

ネコちゃんも爪をもぎ取ったら,何もできなくなるよね.

代わりに私が何でもやってあげる.

私がいないと困る状態にしたら,ずっと一緒だよ.

それとも,手足をもいであげましょうか.

お人形さんのように動かしてあげましょう.

うふふ.あはははは.』


毛が逆立った.

ちょっとやばいやつなのか.

しかも,こいつの言葉…

魔語だ.

悪魔の子どもか.

ヒト型だ.

なぜ,1人.

しかも,迷いの森に.


『ここは,迷いの森.

行っても行っても1人.

そうよ,ネコちゃん鬼ごっこしましょうよ.

捕まえる度に,1本ずつ手足をもぎましょうね.』


冷たく笑い,尻尾を握って振り回した遠心力で,

俺を投げ放った.


尻尾の付け根がいてぇ.

俺を,ぶん回しやがって.

どこのガキだ,絶対に許さねぇ.

せっかくの自由時間を.


にゃ~しか言えねぇし,もう城へ帰る.

嬢ちゃんの鬼ごっこには付き合えねぇよ.


8/26漢字修正

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