第3話 入学式
うわぁぁぁぁぁぁぁ。やべっ・・・入学式遅刻する。
なんで、なんで目覚まし鳴らなかったんだよぉぉぉ。
ざけんな
急いで服着るしかない。朝飯なしでいいや。てか作れないし。
やばい、やばい。入学式まであと5分だ。
顔洗って、歯を磨いて、着替えて。
てか着替えどこにしまったっけ。
着替え流石に持ってきたよな・・・?
え、持ってきてなかったっけ。
は?着替えなしでどういう生き方してくんだよ。
全裸で外歩けってか?
残り3分・・・
ピーンポーン
は?こんな時に誰だよっっ!!!
「ローディオさん。服を持ってきました。」
「ん?どういうことですか?」
(昨日のおじいさん警備員だ。勇者隊隊長の。)
「ここの家って壁が案外薄くて隣の家の人の声が聞こえるんですよね。」
高級住宅街なのに!?
「あぁーそうなんですね。で、私に服を・・・?」
「はい。これはわしが若いころに着とった服です。こんなんで良ければ」
「もちろんです!!!いいんですか?」
「はい」
この人案外いい人だな。
「ちなみに今日制服が配られる為これから3年間は私服はいりませんよ。」
「あぁ、そうなんですね。貴重な情報ありがとうございます。」
「では、また」
「はい。」
やべ、話しているうちに残り2分だ。でも目の前だから大丈夫か!?
よし、着替え終わった。
ダッシュで行くぞ!!!
「まもなく入学式が始まります。新入生の方は体育館へ来てください。」
あ、校内放送が流れてる。体育館か。
よし、なんとか間に合った・・・
でも、若者からの視線がすごい。めっちゃ睨まれてる。
隣の席に人が座った。
なんか隣の席の人は全然みてこないな。
「お前ら!!!このおじさんの事あんまり睨むなよ!!!お前らはぁぁぁ『何歳でもOK』と書いてあるのをみてなかったのかぁぁ!!!???お前らこんな事気にしてたらすぐ魔王に殺されるんだな(笑)」
え?急になに?女の人だ。
「ごめんなさい。大声出しちゃって。」
「いえいえ、ありがとうございます。」
「ローディオさんですよね?」
「はい。なんで私の名前を?」
「ローディオさんの家の後ろの家に住んでいるものです。」
まさかの後ろの家に住んでる人!?こんな女の人住んでたっけ
「え!?そうなんですか?ごめんなさい。挨拶してなくて・・・お名前は?」
「ライフです!!」
「ライフさん、よろしくお願いします!!」
「こちらこそ!そろそろ入学式始まりますね。
「そうですね!」
(とうとう入学式始まる!!)
「お前らぁぁぁ!!!!」
なに急に?ガタイのいい50代ぐらいのおじさんが急に喋りだした。
「お前らにはぁぁぁ、味方に命を預ける覚悟はあるかぁ!?」
「「あります!!!」」
(なんかみんな「あります」って言ってるから言った方がいいよな)
「お前らにはぁぁぁ、この世界のために死ぬ覚悟はあるかぁ!?」
「「あります!!!」」
(これは恒例の儀式なのか!?)
「声が小さいっっ!!!!!!もう一度っっっ!!!!!!」
「「あります!!!!!!!」」
(普通に疲れる)
「よし!良いだろう。」
「お前らぁぁこいっっ!!!」
「「はい!!!」」
え?なに?
「いくぞ」
「何処に?」
あっ!隣の家に住んでる若者で入学するって言ってた人だ。えーと名前はヒルさんだっけ。
この状況を聞いてみるか。
「ヒルさん!!」
「あぁ!ローディオさん!」
「おはようございます!!」
「おはようございます!!」
「あの、この状況ってどこに行くんですか?」
「これは多分バスに乗るんだと思います。」
「そうなんですか!?何処に行くんですか?」
「勇者新人養成所に行くのだと思います。3年間そこで住むから。もう家には帰れませんね。」
え?俺の高級住宅は!?どうしてだよ。
「え?本当ですか?ヒルさんの家はどうするんですか?」
「あぁ僕は兄が1級勇者なので代わりに住んでくれます。」
「そうなんですね!」
「俺の家はどうしよう・・・」
「まさか知らなかったんですか!?」
「はい・・・」
「なら僕の兄に今から連絡するので僕の兄に住んでもらうってことでいいですか?」
「いいんですか!?」
「はい。では養成所では連絡禁止なので今連絡しますね。」
「ありがとうございます!!」
つーかそれなら勇者学校の意味なくね?
「あぁローディオさんとヒルさん!!」
「ライフさん!!」
「こんにちは!バス一緒に乗りません?」
「あっ!いいですよ!」
「ありがとうございます!」
高級住宅は3年間お預けか・・・
『特級勇者になってもっといい高級住宅に住んでやる!!』
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