第4話 魔王遭遇

 俺ってバス酔いしやすいからなぁ。


「ヒルさんってバス酔いしますか?」


「いや僕はそこまでしませんね。」


「そうなんですか。ライフさんはバス酔いしますか?」


「私もヒルさんと一緒でしませんね。ローディオさんするんですか?」


「しますねぇ・・・」


「そうなんですか。大変ですね」



ドン・・・・バン!!!


なっなんだ?


「「キャー」」


まっ・・・魔王!?なぜここに!?


「「魔王だぁぁぁ殺せ!!!!」」


何の武器もない俺らに殺せるわけないだろ。


「まてっ!!」


ここは俺が大声出して皆を守らなくてはならない。最年長として・・・


「今ここで戦っては俺らが全滅する。外に出たら殺される。とにかく窓ガラスを死守しろっ!!ガムテープでもなんでもいい。とにかく窓ガラスを守れ!」


「なんでお前が指示する。」


なっ・・・


「今はとにかく協力した方がいいだろ。」


「いや、戦え。ここで守っていてもいつかガムテープも尽きる。」


「それはそうだ。だがその間に先生が帰ってくるのを待てばいい。」

 (確かあの大声出してた先生は元1級剣士だったはずだ。)


「いつ帰ってくるかわからないだろ。」


「いや待つ」


「そもそも先生はどこに行った?」


「わからん」


「今この瞬間も魔王は窓を叩いている。」


「待て」


「待たない」


「俺に逆らったらどうなるかわかるよな?ローディオ」


こいつは偉いやつなのか?


「俺は絶対待つ」


「40歳だから俺らより年上だからってイキってんじゃねーよ!!」


「みんなを守る策を言って何が悪い。俺は『皆を守るために言ってんだよ!!!』」


「ちっ。うぜぇ。ほいよっと。皆を守りたいなら自分で魔王を全員倒して来いよ。」


「「え?」」


俺はこの瞬間バスの窓から外に追い出された。


「しっ死ぬ。ふざけてんじゃねぇぞ。」


「ローディオさんがっ!!!!」


「ヒルさん!!!待って。あなたも落ちてしまう」


「でも!!!!!」


「んっ・・・」


これは俺に残された選択肢は『魔王5体と戦う』しかない。

こんなの無茶だ。俺は結局死刑だったか(笑)。


母さん、父さん助けてくれ・・・


まだだ。まだここで諦めてはダメだ。『戦わないと』


魔王は全員5m級か。剣がないと戦えない。


「ローディオさん!兄の対魔王用の剣です!」


「ヒルさん!!!ありがとうございます。」


これで剣はゲットした。あとはどうやって魔王の首を狙うか。


魔王は首を切れば死ぬと父さんに言われた事がある。

飛行装置がない限り首までいけない。


そうだ最初に足を切ればいい。足をきって身長を低くすれば・・・『ある』


早速切るか。


オラぁっ。シャキーン


「おいみろ。ローディオ切り出したぞ。あんなの一般人ができる術じゃない・・・」


「いけ!ローディオさん!!」


バサッ バサッ


残り二体


「おらっっ!!!」


残り一体


ん?他4体とは何か違う。


はっ!・・・


「ローディオさん大丈夫ですか?!」


やべぇ、握られた。このままだと潰される。


改善するには・・・


『手を切る』しかない


バサッ


「ローディオさん!!!!」


なんとか切れたが・・・頭から大量に出血しているな・・・

最後の首だけ・・・


バサッ


「ローディオさんすごいです!!!こんなの一般人じゃできませんよっ!!!」


「ローディオさん?・・・みんなローディオさんの意識がないぞ!!!!速く病院に連れてけ!!」


「はいっ!!!」


~3日後~


「ろっローディオさん!?皆さんローディオさんの意識が!!!」


「ああヒルさん」

 (ここはどこだ?病院!?そうだあの時だ。バスから落とされ魔王を倒した時か)

「ローディオさんの方が年上なので『ヒル』って呼び捨てにしていいですよ。」


「あぁわかった。」


「ローディオ、よくやった。わしも実はずっとバスの後ろの席から見てたんだぞぉぉ。」


先生!?なら助けに来いよ。


「あははそうなんですね。」

 (いや笑いごとになんねーぞ?新入生が殺されかかったのに助けにこなかったんだぞ?)


「俺の退院はいつですか?」


「今日じゃ」


は?


「え?」


「今日から普段と同じ勇者の試練を受けてもらう。幸いお前以外の新入生もまだ授業を受けていない」


この体で試練って・・・


「わかりました。頑張ります。」


「うむ、お前ならできる」


「ありがとうございます。」

 (3日前魔王5体倒したぐらいでそんな信頼されたら困るんだが)


ふぅ、今日から試練頑張るか・・・

 


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