オープニングフェイズ

■オープニング1 マスターシーン

 細い月が照らす暗い夜道、道化師の仮面を着けた人物と、暗闇が伸び上がったような黒い人影が、血だまりの中に倒れ、大きく肩で息をしている男を見下ろしている。


「上出来だクラウン。さあ、トドメを刺せ」


 仮面の人物がゆっくりと拳を振り上げる。


「どうした? 早くしろ!」


 黒い影が声を荒げたその時、銃声が夜気の中に轟き、懐中電灯の明かりが2人を照らした。


「おい! そこで何をやってる!」


「チッ、UGN……今日はここまでだ! 行くぞ!」


「待て!」


 機関銃のごとき連射が行われたが、銃弾は何もとらえなかった。


「クソッ、逃がしたか。すぐに医療班をよこしてくれ! まだ息がある!」


■オープニング2

 時刻は放課後、場所は教室の隅、怪談仕立てにしてカモフラージュした事件のあらまし(OP1の事)を、伊達から聞いたところ。


伊達「という事があったんだ。支部のメンバーが大分やられてて、もう俺とお前ぐらいしか満足に戦える奴がいない。頼む、手伝ってくれないか?」


伊達「ありがとうPC1、お前ならそう言ってくれると思ったよ。支部長が情報を集めてるんだ。帰りに支部の方に寄ってくれ」


 と、その辺でそそくさと帰り支度をしているヒロインの描写。


(PC1が声をかけた)鳴海「ごめん、やる事があるんだ」


(PC1が声をかけない)ちらっとPC1を見たけど、さっさと教室を出て行ってしまう。


 どちらにせよ逃げるように鳴海は教室から去っていく。そして見失ってしまう。


伊達「鳴海となんかあったのか?」


GM「もちろん、そんな記憶はない。いつから変わったとはハッキリ思い出せないが、以前はこんな事はなかった。一緒に帰れないとわかると口には出さないが残念そうにしていたほどだ」


●PC1が鳴海を追っていく場合

 難易度は伏せ、〈情報:噂話〉で判定を要求する。達成値が7以下なら見失う。8以上なら、校内の誰も鳴海の姿を見ていないことがわかる。

 これ以上深追いするより明日学校で会う方が良いとか、今日はひとりになりたい気分なのかもしれないとか言って、ここは支部へ向かうよう誘導し、シーンを終了する。


●なに、家まで行くとか言い出した?

 支部までの通り道みたいなものだし、途中で寄ってみよう。ということにして、シーンを終了し、ミドル1の最初の部分に、家は留守だったという描写を挟む。


▼トラブルシューティング

 プレイヤーが非協力的な場合は、シーンの目的を明示し、どのような形でこれを達成したいのかを質問し、それに沿って演出する。

 回答が要領を得ない、シーンの目的の達成自体を拒否するなど、シナリオ進行が極めて困難である場合は、無理をせず、本シナリオ、またはDX3で遊ぶこと自体を断念する。

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