幕間 2 魔法少女になりやせんか?

  


 黒い楕円型のなにかをくぐると教室の中だった

 教室ではちょうど席に着き始めるようでホームルームに間に合ったかな


「よかったぁギリギリセーフかな?」


 私は自分の席に急いで向かう

 その間クラスメイトは全員私の方を凝視していた

 私が席に着くと幼馴染みの静ちゃんがコソコソ話をしてくる


「桃子あんたそのカッコどうしたのよ、女児向けアニメみたいな服着てきて。てかどっかから現れたのよ」


 言われて気が付いた、さっきまで着ていた制服がピンク色のふりふり衣装に変わっていた静ちゃんが言うように女児向けアニメに出てきそうな衣装だな~。


「うーん、私もわかんないんだよねー」


「いや、あんたが着てきたんでしょ?」


「いや気が付いたらこうなってたって言うか?」


 静ちゃんが頭を抱える

 

「どうしたの?頭痛いの?頭痛薬いる?」


 静ちゃんは私をジト目で見てくる


「あんたのせいよ!はぁ……本気でそれ言ってるなら病院連れてくわよ、頭解剖してみてもらいましょ」


「静ちゃんさすがにそんなことされたら私死んじゃうよ!」


「冗談よ。とりあえずその服どうにかしないとね、体操服に着替えてきなさいよ。………ん。あんたそんな人形なんて持ってたっけ?」


 人形?私人形なんて持ってきてないはずなんだけど

 バックをみればさっきのロボットがキーホルダーのようにいた、さすがにその大きさだと先生に没収されちゃうよ


「実はかくかくしかじかなことがあってその時のロボットだと思うんだけど」


 静ちゃんは「あんた何言ってんの?」と言った表情をする


「かくかくしかじかで分かるわけ無いでしょ!」


 ごもっともです。


「んん、ねーちゃん。着替えに行かんでも『変身解除!』って叫べば戻るで」


 ロボットが私に話しかける


「えっ!ほんとに?『変身解除!』―――ほんとに制服に戻った!!!」


 私が唱えると閃光を私中心に放ち光が収まると衣装が制服へと変わっている

 クラスメイトの反応はと言うと


「目が目がぁぁぁぁぁあああ!!!!!」


「急に光がぁぁああ!」


「ま、前が見えない(モニュ)」


「な、なんでごわすか!?胸部の肉を触ったのは誰でごわすか!」


「げっ、五右のだったのかよ!知りたくなかった!」


「佐々木殿だったか!熱烈なアピールを教室でされるのはさすがに自分でも引くでごわす」


「佐々木君×五右君かな?五右君×佐々木君かな?」


「私は五右×佐々木派かな」


「私もそうだよ、よかったぁ。ふぅ」


 とこのようになっていた、

 佐々木君がわざと手を伸ばしたら五右君のお胸に当たっちゃった(揉んでしまった)んだね。

 最後の女子2人の話はわかんなかったけどまいっか


「………で桃子、この人形が全ての元凶?」


 静ちゃんは自身の手をにぎにぎしながら聞いてくる


「んー多分?」


「ちょっとその人形と一緒にサボりに行こうか。ね?」


 いつもまじめな静ちゃんが『おサボり』なんて言い出した!!!!

 きっとこれは緊急事態なんだ!私はコクコクと頷きロボットを掴んで教室を抜け出す


 ・


 ・


 ・


 1時間目もおわりくらいだろうか私たちは校舎裏に来てコトのあらましを静ちゃんに話していた。と言ってもほとんどがロボットが喋っていたんだけど


「つまり、朝ぶつかってきた桃子が魔法少女の素質があったから無理矢理契約させてあんな事態になったのね?」


 私は終始疑問符を頭の上にのっけていた


「へい、そうでやす」


 ロボットは最初こそであったときの態度だったけど校舎裏で静ちゃんが思いっきり握ったあたりからこんな風になっちゃった。あの時ミシミシいってたな


「契約解除もできないって言ってたわよね?」


「へ、へい」


 あっ、静ちゃんがロボットをまた掴んだ。

 今度は頭と胴体を持って引きちぎろうとしてる


「い、いてててててててててててててててて」


 ロボットも痛覚ってあるんだなぁ


「しかも説明すらしなかったと」


「う、うす」


 あっ、ロボットを壁に沿わせて片手で押さえてパンチしだした

 1回1回ドスって聞こえる


「や、やめてくだせぇ」


「あ゛あ゛ん」


「ひっ………」


「桃子の柔肌にかすり傷ができるかもしれんのだぞ。だまって見過ごせるわけねぇだろ、私は今はらわたが煮え狂うくらい機嫌がわりぃんだよ。桃子との時間をお前が奪うって宣言してるようなもんだからな!私がどれだけ手間暇かけて純情無垢の桃子を作ったと思う。14年だ、生まれてからずっと桃子と一緒にいた。今日は私が日直だったから先に学校に来たけどそのせいでこうなっちまった……ああぁ(ドス)この落とし前どうしてくれんだ?あ゛あ゛ん、自称妖精さんよぉ」


 なんだかみたこと無い静ちゃんだなぁ

 

「じ、じぶん1人じゃ…決められないんで。そ、そのじじょうしにそ、相談させていただけませんか……。」


 静ちゃんがロボットの手を離す

 ロボットは少し離れてスマートホンを取り出し誰かと話し出す


 ・


 ・


 ・


「あ、あの~。上司と相談したんすけど……その、魔法少女をやめさせることはでき無いぽくて……。これは提案なんすけど、静さんも……魔法少女として契約してもいいと許可が下りたんすよ、どうっすか?」


・・・・・・・・・


 幕間 魔法少女 でした。これがどうつながるのかこうご期待!


 おやすみ

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