5配信 無視してもいいのだろうか?

  


 アリスとのコラボをする前にお出かけすることになった

 なぜかマネージャー経由でアリスとのお出かけが計画されている、といっても私に丸投げなのだがな。

 アリス曰く「デート楽しみにしています!」だそうだ。何をどうしろというのだ私は知識不足に嘆きたい、これがパワハラと言うモノなのか

 知識不足ということでマネージャーになにか案はないか聞いてみたが自分で考えてくださいといわれてしまった。もし思いつかないのなら図書館に行ってみるのもいいかもしれませんね。といわれた


 図書館に行ってみるのも、か。


「………案は思いつかないし、行ってみるか図書館」


 境界事務所近くのアパートから近くの図書館に足を運ぶことにする

 時刻は朝の8時で同じ服を身にまとった10代がちらほらと歩道を歩いているのが見える、私の方を見てなにか話をしている女性もいるな。まぁ行く道の先に私がいるからそう見えるだけだろうが

 同じ服をまとった女性、少女達が私の方に小走りでやってくる。


「私聞いてくる!」


「やめなよ~もしかしたら大人の人かもだよ」 


「いや、私こんなに小さな大人見たことないよ」


 少女が3人、1人は私のもとまで小走りできて他の2人の方を向き私の頭のてっぺんを触りながら小さいと言ってくる

 それを止めようとする少女と1番後ろで眠そうに2人を見てる少女。いったい何がしたいのだろうか


「あの!失礼ですけど!年齢聞いてもいいですか!!!」


 私の頭のてっぺんをさわっている少女が年齢を聞いてくる。私はその手を払いのけ答える


「12だが、なにかようでもあるのか」


 私の言葉を聞くや否や少女は私との目線を合わせる


「小学生は学校行く時間でしょ?お母さんとお父さんはどんな教育してるの?」


 なにを言っているんだ?


「それに小学生がスーツって似合ってるけど、子供は子供服って相場が―――――」


 これは離れてもいいのだろうか。目を瞑って語り出してしまってるし行ってもいいよな?

 私は少女の横を抜け図書館に向かう


 なんとか図書館にやってくることができた

 館内にはいって思ったことが年寄りが多いと言うことだ、さっき少女が言ってた学校に若い者は行っているのだろうか?


 マネージャー曰くこの図書館は最近できたモノで清潔感があるとのこと。たしかに他の建造物より新しいと思う


 私は目的である“デート”に関する書物を探す

 本棚の上から下まで確認したら次の本棚を確認する


 次、次、次、次、次、人、次、次


「そこは驚いてほしかったんだが……こんにちはお嬢さん。なにかお探しかな?」


 本棚と本棚の通路にいた人が話しかけてくる


「無視かな、私は悲しいよぉ“彼岸零ちゃん”」


 !?


「驚いてるね、私がどうしてお嬢さんの名前を知っているのか。それは―――君のマネちゃんに教えられたんだっよ!」


 マネージャーに教えてもらった、つまり境界関係者ということか。

 この少し特徴的な間の取り方そして声は“音坂こがね”か


「ふふ、どうやっら気が付いたようだっね!そう私こそが“音坂こがね”っさ!」


 ………うざったいな、無視でいいだろうか。


「あっ、ごめんよ。それでなにか探しているようだったから話しかけたんだ。目当てのモノがあるのなら一緒に探すけど教えてくれっるっかな?」


 ふむ、探してくれるのか。なら話は別だ手伝ってもらおう


「“デート”に関する本を探しているんだ」


「それならこっちにあるっよ」


 ついて行くと確かに“デート”の本が置かれている本棚を紹介してくれた

 はやかったな、考えるそぶりが一切なかった。


「少し読書ついでに話をっしないか?」


 周りに人の気配はしない。それもそうだろう、この図書館には高齢の人間がほとんどそしてこのエリアは若い者をターゲットした本が並んでいるしたがって人がいないのだ


「まぁかまわない」


・・・・・・・・・


2021/12/31

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