第20話

そんな一部始終も、取材で話してしまったものだから。ドキュメンタリー番組で取り上げられ、新聞や雑誌にもそのエピソードは掲載されてしまった。

そのため。

前いた会社の社長から電話がひっきりなしにきた。


何度か出たけど。

いつも同じような内容だった。


「申し訳なかった、本当に申し訳なかった!

まさか、君がそれほど優秀だとは、思っても見なかった...!私は甥っ子から、君が無能だと、間違った認識を植え付けられていたんだな...!」


「...すまなかった!君さえ許してくれるなら、給与を倍にして迎え入れたいと思う...!

だから、戻って来てほしい!!」


ある時、ふと思い立って。

俺は藤島さんの現在を尋ねてみた。


「藤島さんは、今、どうしてますか?」と。


すると。


「先月の終わりだっか、、

あいつは、今、仕事上の大きなミスがあって、重要な取引先をひとつ失ってしまったから、

俺がじきじきに叱ったんだ。そしたら

お臍曲げて会社に来なくなっちゃてね、、」


「今、ほとんど引きこもって

ゲームしてるって噂だ。

時々は家から出て、君の開発した

モンスターズGOに勤しんでるんだと!!」


「そりゃ、どーも...」


俺は苦笑するしかなかった。





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