第120話 暁星となるのは……ルキナか?
キィィィン!!
ルキナとシオルの剣が互いにぶつかると甲高い音が玉座の間に響いた。
「ふ……」
「ふ……」
鍔迫り合いが始まるとルキナとシオルの口から互いに笑みが溢れた。
「何が嬉しいのかな?」
「お前と同じ理由だと思うぞ」
ルキナの問いかけにシオルが笑みを浮かべたまま返した。シオルの返答に満足したかのようにルキナはシオルの剣を弾く。
「はぁ!!」
ルキナは裂帛の気合を込めて首薙の斬撃を放つとシオルは屈んで斬撃を躱すと同時に足首を薙ぎにいった。ルキナは跳躍して斬撃を躱すと空中で魔剣ヴォルシスに魔力を込めると凄まじい速度で振り下ろした。
シオルは振り下ろされた斬撃を横に跳んで躱した。
ビシィィィ!!
ズズ……ン
両者の斬撃の余波により、玉座の間の柱は斬り倒され、壁にも大きく切れ込みが入った。
わずか数合の剣戟で玉座の間は目も当てられない状況になっていた。
「やれやれ……まだ様子見でなのにこの有様か……」
「すまないな……だが、わかってた事だろう?」
「まぁな、ただのぼやきだよ」
ルキナはそう言って笑うとシオルもまた笑う。両者はまだ様子見の状況である以上笑う余裕があるのだ。
「さて剣の腕前は互角と見て良いかな」
ルキナの言葉にシオルは静かに頷いた。実際にシオルの経験上、ルキナの斬撃の鋭さ、速度はシオルが経験したもので最も鋭いものであった。
「確かにな。まぁそう判断するのは早計とも言えるがな」
「それもそうだな」
ルキナは言い終わると同時にシオルとの間合いを一気に詰める。シオルは下がる事なくルキナとの間合いを詰めた。
キキキキキキィィィィン!!
両者の間で無数の火花が散り、激しい剣戟が繰り広げられた音が響いた。両者の動きを目に映すことができる者はほとんどこの世界に存在しない。残響と余波、打ち交わされる事で生じる火花により両者が戦っていることが認識できるというものだ。
両者が自然と距離をとると今度は魔術を撃ち合う。
数百の
(
ルキナが人頭大の火球をシオルへと放つ。
(これは……まずい!!)
シオルは放たれた火球が
シオルは火球の大きさから、ただの
シオルの剣が光ると横薙ぎに振る。
ドゴォォォォォォ!!
飛ばされた斬撃が火球に当たると大爆発を起こした。
(く……大した熱量だ)
シオルはあまりの熱量に顔をしかめた。さらに拙いことにルキナは爆炎で視界が塞がれた瞬間に気配を完全に絶ちシオルの探知から外れたのだ。
(どこから……)
シオルは気配を探りながらルキナの斬撃に備える。
(う……!!)
シオルは視界の端にルキナの姿を捉える。
キィィィィン!!
ルキナの斬撃をシオルは辛うじて止めることに成功した。
「ふ……」
ルキナはニヤリと笑うとルキナの持つ剣の刀身にヒビが入る。
(何だ?)
シオルもヒビが入った事に気付いた。だがルキナはニヤリとした表情を崩さない。それがシオルにはゾクリとした感覚を覚えた。
ルキナの剣の刀身が砕け散ると中から黒い新たな刀身が現れた。その刀身は実態を伴わない膨大な魔力により形成されたものであることをルキナは察した。
ジュウウゥゥゥゥッ!!
「何だと!?」
シオルの口から驚愕の声が上がる。シオルの持つ剣、神剣ヴァルジオスはオリハルコン製でありそれが溶けるなどあり得ない事であったのだ。
シオルは動揺のためか吹き飛ぶと壁を突き破った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます