説得難航

 「絶対チョコを助けるぞー!!」

「おー!!」

こうして、私と智花、結城さん、そして、チョコレート色のカワイイ子犬、

チョコで始まった殺処分ギリギリのチョコを救うチョコ救出作戦。

しかし、現実は甘くなかった・・・。


 「ただいま!!お母さん!!あ、今日はお父さんももう帰ってる~!!」

「おかえり~、璃子~。」

「保護施設はどうだったかしら?」

このお母さんの問いは、あまり答えたくはなかった。でも、これを

説明しなければ、チョコを救うはじめの一歩でさえ踏み込めない。

やらなきゃ。

「えっとね、保護施設で、信じられないほどの犬猫がずら~っと並んでて、

そこで、チョコレート色のカワイイ子犬を見つけてね・・・」

私は、保護施設で見たり知ったりしたありったけのことを、両親にぶつけた!

「てなわけで、保護施設にいて、殺処分寸前のチョコを救ってあげようってこと!」

「なんだって?犬だと?」

お父さんは、不機嫌そうにいった。え・・・なになに?了解してくれる雰囲気じゃ

ないよね?う~ん、思った以上に難航しそうだ。

「いやいや、でも、もうすぐ殺処分のワンちゃんだよ?何とかしてあげたい

と思わないの?!」

思わず強気に言ってしまった。

「でも、璃子、犬の飼い方わかるの?」

「それに、寄生虫とかが家にいて、犬の寿命が縮まったらどうするんだよ?

家で毛が抜けたりしたりしたときの、掃除とか、病気になった時の

看病代は、お前が払ってくれるのか?!」

「そ、それは・・・」

思わず黙ってしまった。いや、だって確かに知らないけどこれから猛勉強するし

注射とかやればいいじゃん?

「それじゃあ、注射をいっぱいして、病気は防げばいいじゃん!」

「だからって、全部防げるわけじゃないだろ?」

ああ、クッソー!なんでこうなるんだよ!神様!どうにかしてください!

「それに、エサとか、ずっと野良だったんだから食べないかもしれないでしょ?」

お母さんまで・・・はぁ~どうしよう?マジで、どうすればいいんでしょうか?

 こうして、仕方ないから、ペットショップへ行って、犬を見た。やっぱ

カワイイなぁ。チョコには負けるけど。でも、その1位のチョコがいなくなるかも

しれない。う~ん。

「どうしたの?犬に関する悩み事?」

ペットショップの店員さんが声をかけてくれた。そして、チョコの計画のことを

全て話した。

「それじゃあ、一緒に勉強しましょう!」

「い、いいんですか?」

そして、店員さんに様々な犬のことを聞いた。あと、店員さんは、

愛実というらしい。愛実さんは、犬や猫の飼い方などをめちゃくちゃ詳しく

教えてくれた。それで、かなりのことを理解できたと思う。よし、これで

お父さんとお母さんに話す!そして、納得してもらって、

チョコを引き取る!ファイト!

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