崖っぷちのチョコと

DITinoue(上楽竜文)

キッカケ

 「ひゃ~、今日も暑いねぇ~」

私、璃子はそうつぶやく。私は、中学2年生。

「おはよ!璃子!」

友達の智花が話す。智花は、犬猫やインコ、熱帯魚など生き物が大好き。

学校では、当然生き物係だ。今日も、智花は、カメに手渡しで

エサをやっていた。それに対して、私は生き物がさほど好きなわけではない。

まあ、別に嫌いでもないけど。

 帰り道、四つ角でビラを配っている人がいた。

「あ、ありがとうございま~す」

一応もらって、自転車を飛ばし、家についた。

「あら、おかえりなさ~い!」

相変わらず、ハイテンションなママだな~。も~。

そして、部屋に入って、宿題をやった。

「ええっと、これなんだっけ。教科書、教科書・・・」

ん、これなんだっけ。ああ、帰り道でもらったビラか。一回読んでみよう。

というわけで、読んでみた。ふんふん、犬や猫の譲渡会か。でも、そんなに犬が

好きなわけでもないしなぁ~、まあいっか、一回行ってみよう。意外といいかも。

そ~だ、智花も誘おっかな。

 そして、電話で、智花を誘った。

「ふ~ん、犬と猫の譲渡会か。ん、いいじゃない?」

「ありがと!じゃあ、いつ行く?私は、いつでも空いてるけど。」

「せっかくだし、夏休みにしたら?結構空いてるし、新しく犬猫が

来れば、夏のいい思い出になるじゃん!ついでに、日記も進む!」

「よしOK!!それじゃあ、また今度、ちゃんとした、計画を話し合おう!」

「その前に、お母さんたちに話さないとね。」

「あそっか。」

 「ねえねえママ~、犬や猫の譲渡会があるんだって!いってみない?」

「ママは、犬猫はあんまり好きじゃないんだよね~。」

「お願いだよ!お願い!マジで!お・ね・が・い!!」

こうして、私とママの格闘の末、ママは、了解してくれた。

「ヤッタ~!!!!!」

 そして、智花との約束の日がやってきた。

「あ、璃子~!」

「智花~!」

そして、レッツゴ~!!そこには、たくさんの犬や猫がいた。みんなカワイイ!

どれにするか目が大忙しだ。ドン!

「あ、すみません。」

「いえいえこちらこそ・・・。え、なに?すぐ向かう!」

私がぶつかった男性は、急いでいった。なんだろう?なんとなく、私は、彼を

追った。

「あの、何があったんですか?気になるんですけど。」

「ここの子たちは、保護犬・保護猫なんだ。新しく保護された子がいるって聞いて」

「私も行っていいですか?!」

智花がいきなり口をはさんでいった。え、行くの?マジで?

「あ、それじゃあまた今度行く?僕は、結城っていうんだけど、メール教えてもらっていい?」

そして、智花は、結城って人と、メールアドレスを交換した。そして、行く日は、

夏休みの真ん中らへんの9日と決まってしまった。

 その日は、すぐにやってきた。私は、みんなで車に乗って、保護施設へ向かった。

そこには、たくさんの犬や猫がぎっしりと並んでいた。そこには、ひときわ目立つ、

チョコレート色の子犬もいた。

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