決める人達
白月 明
第1話
あるオフィスで、2人の男性がなにやら作業をしている。
A「じゃあ、次はこれですね」
B「うーむ、こいつはまた平凡な奴が来たな」
A「ほんとに。さっきから似たようなのばっかりですね」
B「こいつのデータは?」
A「えーっと、仕事に向かう途中の電車内にて、隣でものすごく咳き込むおじさんを見かけ、その3日後に39.2℃の高熱が」
B「あー、それはなんとも不憫だな。よし、陽性ってことで、早く入院してもらおう」
A「いや、でもこいつその仕事の2日前に、家で友達6人と集まって夜遅くまで酒飲んでますよ」
B「なんだと!?家の中ということはマスクすらろくにつけていないじゃないか!」
A「まぁ、そうなるでしょうね」
B「けしからん奴だ。陽性にして自宅療養にさせろ」
A「んーでもこいつ、先月も38.8℃の高熱を出してますね。その時は結局ただの風邪ってことになったみたいですよ」
B「そうなの?じゃあ、今回のもどうせ風邪だよ。陰性で出しといて」
A「いいんですか?」
B「いいんだよ。陰性出たからって好き勝手遊ぶような馬鹿じゃないはずだし」
A「まぁ、そりゃ人間の脳は哺乳類の中でも割と大きい方ですからね。じゃあ、陰性ということで」
B「よーし。で、今日はあと何件残ってるんだ?」
A「今日はまだあと7000はありますね」
B「……多いな」
決める人達 白月 明 @Shiratsuki-Mei
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