ささやき

深夜2時は悪魔の時間

知らないよ

見たこともない

きみが悪いもの

ただそっとささやくのよ


聞かないよ

そんなくぐもった声なんて

こわいもの

わたし も少し 生きるんだもの


得たかったはずのものは手元にあるし

だれかから羨まれてるんだろうし

べつに何も望まないし

望まない方がいい

もう何も望むまい

これ以上はそうねバチがあたるものね


強欲になるくらいなら死ね

心臓をカラカラにして散ってしまえ

朽ち果てるまで目を閉じるな

悪魔のささやき


悪魔は正しいのね


案外わたしに似てたりしてね

ビビッドピンクのドレス着て

厚化粧してドアを叩いて

呼ばれてもないのに来ちゃったなんて

自意識過剰で夢想家で


ああ恥ずかしいねと

お前の存在が恥ずかしいと

悪魔はぐらぐら笑うのよ


わたしと同じこと考えるのね

そうよ恥ずかしい

わたしはわたしが恥ずかしい


ねえ悪魔さん

いっそわたしを連れてって

悪魔の国でもどこへでも


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