晩夏

昨日はうまくしゃべれなかった

あれは君のせい

そういうことにしておこう

うつむいちゃって雫がこぼれて

なみなみ溜まった青いグラス

夏の終わりにふさわしい深いやつ


君みたいにくりくりの瞳がほしい

切れ長では世界が狭いの もどかしい

カーテンの隙間

すべての吐息と雲のその先

吸い込む瞳は君のもの

波打つグラスも君のもの


追いこせないからこれでいい

名前しか知らない君とたまに会う

目を合わせたり突き放したり

これくらいがちょうどいい


でも最後には

ほんとのほんとの最後には

手に入れたものこの手で台無しにするわ

私のグラスを壊すのはとても簡単

空気の散る音も一瞬だけ

もったいないって笑うでしょ


きらわれたってどうでもいい

これで大丈夫 大丈夫

君と目を合わせないよう必死だけど

きっと大丈夫

大丈夫

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