りんご

オーブンが鳴く

生焼けのアップルパイの底

うまくできないのも好きだけど

君に食べてほしいなんて

わがままね


見たいものだけ見ていいよね

変だねって言われたい


溶けたマカロニのシチュー

生クリームと溜まったバター

なめるくせは直らない

どうせなら君と

こどものままで白いお皿で


甘いの食べたい

そう君が言うから

君のわたしになってみる

毎日は疲れちゃうでしょ

今日だけ特別


キャメルのニットは押入れの手前に

再来週の遊びに着てくため


そうただの遊びなんだけど


ピアスの穴を迷ってる

一回のためで勿体無い

とは思わない


君んちのオーブンどんな音かな

アップルパイを作りましょう

バターたっぷりの


まとまらない粉はわたしたち

練って練って練りましょう

辛抱づよくどこまでも



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