帰途
秋は戸惑う
置いてかないで 息が詰まる
こどもは家に帰る時間
かき氷が溶けない季節なんて泣けるね
とげとげも苦いのも
平気なふりして知らん顔したい
まん丸より四角が好きで
眉毛は紫にしてみたいし
ベリーショートに憧れる
冷めたコーヒーも一息に飲み干せる
わたし見栄っ張りなの
なにがわるいの
ベランダは朽ちた葉の匂い
屋根に反射するオレンジの
光が帰る場所を探してあげる
嫌われないよう必死だよ
迷子の光は見送るだけ
もう大人だから手は握れない
無邪気なふりなふりしてる
カマトトだって思われたくない
ごめんねって言わせたくない
なんでも余裕な人に
でもね
ほんとはね
知りたくないこと知りたいの
溶けるかき氷でベロ染めて
叱られながらお腹こわして
繋いだ光の鮮烈な赤
白色矮星になったらだきしめたい
いとしいこどもをあやすよう
顔をしかめて寄る皺の
影だけ残して家へ駆けるの
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