ベルトコンベアその1 わたしの場合

時折

訳もわからない言葉を叫び出したくなることってありません?

体育館のステージで校長先生がどこかの偉人の話をしている時

いきなり、うわあ!って立ち上がって

全校生徒の目がこちらに向くの

身体が勝手に動いちゃうんじゃないかってびくびくしてた

だから腕をしっかり膝小僧に巻きつけて

今でも唇の端をきゅっと結ぶのが癖なんです


何かがちょっとずつ怖かった


シャープペンのノックするとこだけ失くすこと

二五メートルプールの端っこに頭をぶつけること

図書館の本の元あった位置を忘れること

給食の紙パック牛乳をどうしても飲み終えないこと


そんなこと一度も起こらなかったのに

たった三文字の「なやみ」も「おそれ」も

人によっては何百の文字が詰まってるかもしれないわけで

それは

わたしとあなたのこと

だから

しかたのないことだから


もしかしたら今だって

ほら

シャープペンのノックするとこ、見てみたら

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