蝶々
君の涎の跡をなぞる
そんなことから始めてた
日曜の朝を始めてた
君がいないと落ち着かない
本棚にできた隙間みたい
君が最後に見た景色を
それは考えてもしかたのないことだ
しかたがないから考える
アスファルトに落ちた君の影
それとも
雲の隙間の青空か
そういえばあの日は花曇りの日だった
ねえ神様お願いがあります
わたしが最後に見る景色
君のと同じにしてほしい
わたしは誰も恨まない
泣きわめかないし嘘もつかない
庭の蝶々はきれいじゃないし
ひとりで飲むお酒は苦すぎて
涙が出そうだよ
じっとこらえてる
君のこと思い出さないよう
結構必死になっている
君だったからしかたなく
意味ないことも考える
わたしだったらなんてこと
君は笑うのだろうけど
もしも、もしもと言ったところで
もう君はいないのだけど
カーテンの皺は君の横顔
やっと見つけたその影を
なぞるように始まった
いやな日曜の昼下がり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます