第104話

「赤旗のように卑怯な連中なら、真っ先に考えそうなことじゃない?」



「そうかなぁ……?」



桃花ちゃんは、また首を傾げた。



と、その時。



部屋のドアが開いて強が入ってきた。



「今の話、詳しく聞かせてくれ」



「え?」



今の話って、あたしが言ったことだよね?



強は部屋の中央にクッションをしいて座り、あたしにも座るように促してきた。



あたしは強の前に座り、桃花ちゃんに話したことを繰り返し伝えた。



話終えると、強は真剣な表情であたしを見た。



「確かに、あそこまで卑怯な赤旗が女を無傷で返すのは引っかかるな」



「そうでしょ!?」



「あぁ。特に、お前みたいな綺麗な女少しくらいいたずらしてやろうって気になるだろ」



「へ?」



お前みたいに綺麗な女?



あたしが綺麗って、強は目が悪いの?



隣に入る桃花ちゃんのほうが、よほど綺麗なのに。



「今の話は大志に伝えておく。本当に赤旗の弱点かどうか、カナタにも確認をとってみよう」



「うん! よろしくね、強」



あたしは大志の役に立てたことが嬉しくて、ニッコリと微笑んだのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る