第77話

☆☆☆


俺はチーズハンバーグを平らげ、瞳はチョコレートパフェを平らげたころ、ようやく本題へと入ることができた。



「で、話なんだけどな」



「うん。なに?」



瞳は口のまわりについたチョコをナフキンで拭いながら、聞いてきた。



本当に、まるで子供だな。



でも、さっきまでの会話で瞳は16歳だということがわかった。



学校に行っていれば高校2年生くらいだ。



「お前、昨日星の形をした刺青があったって言ってたろ?」



「うん」



「それって、これじゃねぇよな?」



そう言い、俺はカバンの中から印刷した紙を取り出し、瞳に見せた。



瞳はそれをまじまじと見つめ、「これで間違いないよ」と、言ったのだ。



「本当か!?」



「うん。会場は薄暗かったけれど、ちょうど扉が開いて男の手に外の明かりが当たって、はっきり見えたから」



「そうか。サンキュな」



俺はそう言い、すぐに立ちあがった。



こいつに薬を渡したのは、きっと赤旗。



そして、赤旗の仲間のしるしは星型の刺青だ。



「ちょっと、もう帰るの!?」



「あぁ。行かなきゃいけない所ができた。今日はごちそうさん」



俺はそう言い、瞳の頭を軽くなでるとファミレスを出たのだった。

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