武蔵野戦記
@tsumemoto
第1話 宣戦布告
僕は驚いた。
驚いたというよりかは思考停止した。
臨時ニュースです!
たった今、武蔵野連邦共和国がアメリカ合衆国とネオアメリカに宣戦布告した模様です!
テレビの画面には武蔵野連邦共和国の首相がドアップで映し出された。
「今、我々、武蔵野連邦共和国は同志と共にアメリカ合衆国との戦争を開始する」
「武蔵野連邦共和国、万歳!万歳!万歳!万歳!」
「腐りきった資本家どもを打ち倒し、新しい世界を実現するぞー!」
日本から独立した武蔵野は周辺を武力をもって従わせ、武蔵野連邦共和国を建国した。
日本政府は西日本に亡命した。
アメリカ合衆国大統領は全世界に結束を力強く訴えた。
「分断ではなく、お互いに認め合い、お互いに力を合わせることで新しい世界を実現しよう。私達人類はそれができる!」
アメリカ合衆国とアメリカ合衆国から分かれたネオアメリカは形式上、団結することにした。
しかし、ネオアメリカは利害に固執したため、実質的な団結はなかなかできなかった。
一方、武蔵野連邦共和国は東日本のほとんどを制圧し、独裁的な支配を行った。
国際社会は武蔵野連邦共和国に経済制裁及び武力制裁を行ったものの、あまり効き目がなかった。
武蔵野連邦共和国は多くの日本国民を人質に取っていたからだ。
武蔵野連邦共和国の誕生により、日本ではますます日本国からの分離・独立を求める動きが活発化していった。
日本政府はこれらの動きに対し、超法規的措置を行い、急遽、日本政府軍を設立した。
日本政府軍は自衛隊から集めた人々や日本中から集めた志願兵、警察から集めた人々、徴兵によって集めた人々で成り立っていた。
日本政府軍とアメリカ軍は武蔵野連邦共和国に対し、和平を勧告したが、拒否されてしまった。
そこで、日本政府軍はアメリカ軍による支援で武蔵野連邦共和国に対し、攻撃を開始した。
日本政府軍は武蔵野連邦共和国から主権を奪還するべく、武蔵野に攻め込もうとした。
アメリカ軍がミサイル攻撃で武蔵野連邦共和国の軍事施設を破壊した。
日本政府軍はアメリカ軍がミサイル攻撃で軍事施設を破壊したと同時に武蔵野連邦共和国に総攻撃を開始したものの、敵のガードはとても固く、なかなか攻め落とすことが出来なかった。
武蔵野連邦共和国はネットを通じて、支持者を増やし続けた。
武蔵野連邦共和国の支持者はムサシノ民と呼ばれ、日本各地でムサシノ民によるテロが勃発し、一般市民とムサシノ民が激しく衝突した。
武蔵野連邦共和国は勢力を拡大し続けた。
近畿地方でも日本政府軍と独立勢力の争いが行われていた。
近畿地方にも日本からの分離・独立を求める動きが活発化したことで独立国家が誕生した。
阪神連邦共和国だ。
日本政府軍は阪神連邦共和国を押し上げていった。
しかし、阪神連邦共和国は日本政府軍の猛攻に耐え、粘り強く抵抗し続けた。
日本は武蔵野連邦共和国と阪神連邦共和国の間で挟み撃ち状態となっていた。
日本はスピーディーに対処できなかった。
さらに、諸外国が日本の主権を守るという名目でこの内戦に参戦しだした。
無断で日本に軍事基地を建設しようとする国もいた。
諸外国の動きにあまり関心を持っていなかった人々は何もできず、ただあたふたするしかなかった。
日本の主権は完全に崩れ去った。
僕はこの一連の出来事を経験していく中で衝撃を体感した。
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