みーちゃんと神様達

フォウ

みーちゃんのサンダルと川の主

美咲みさきちゃんことみーちゃんは、水遊みずあそびの大好だいすきな女の子。


今日もママにれられて、かわあそびにやってきました。


「わーい!」


「ちょっとって!」


川へそうとするみーちゃんをママがめます。


「ママとの約束やくそくってからよ」


 逸るみーちゃんに確認かくにんるママ。


ふかいところにはきません、ライフジャケットはぎません。

 ええっと……、

 えと、えと……」


「サンダルバイバイ」


 3つ約束やくそくおもせないみーちゃんにママがヒントをします。


「サンダルがながされてもいかけません!」


「うん。

 ってよし」


「わーい!」


 大喜おおよろこびでけていくみーちゃんを笑顔えがおるママ。



しばらくして、


「わ!」


 河原かわらいしすべったみーちゃん。

 運良うんよ怪我けががなかったものの、サンダルがあしはなれてながれていきます。


ってー!」


 おりをくしたくないみーちゃんがあわてていかけようとすると!


  ザプーン!!


 おおきななみがみーちゃんをおそいました!


『これはわたしものじゃ!』


 なみ一緒いっしょこえたこえに、おどろいてあけけたみーちゃんは、サンダルを大事だいじそうにかかええるあおかみおんなました。


「え?!」


 そのられているうちに、サンダルはどこにも見当みあたりません。



しょんぼりしたまま、ママのところに帰るみーちゃん。


「サンダルをいかけちゃダメでしょ!」


 ママはサンダルをいかけたみーちゃんをしかります。


「けど! あおかみおんなが!」


なにってるの!」


 ママはみーちゃんのうことにってくれませんでした。



かなしいままにかえったよる


「ただいま」


「パパ! あのね……」


 みーちゃんは、お仕事しごとからかえってきたパパに、今日きょうのことをはなしました。


「それはかわぬしだね」


「ぬし?」


かわんでいる神様かみさまだよ」


 きなれない言葉ことばかえすと、パパはかりやすい言葉ことばなおしました。


神様かみさまなのに、サンダルってっちゃったの?」


綺麗きれいだからしかったんだろうね。

 かわなかにあるものはすべ神様かみさまものなんだよ」


「みーちゃんのサンダルも?」


かわはいっているときはね。

 みーちゃんだって神様かみさまものなんだよ?」


 やさしくはなしていたパパは、すこかなしい表情ひょうじょうになります。


「だから、サンダルをかえそうとして、神様かみさまられたら大変たいへんだった。

 そのまま、神様かみさま世界せかいれてかれてしまうよ」


「そうなるとどうなるの?」


二度にどとパパやママにえなくなる。

 パパはかなしいな」


「みーちゃんもや!」


 パパとママにえなくなるといて不安ふあんでいっぱいのみーちゃん。


「じゃあ、今度こんどはサンダルをいかけちゃダメだよ?」


「うん!」


 やさしくあたまでるパパに、大きな声でうなづくみーちゃんでした。



つぎ


「みーちゃん。

 これ、プレゼントよ」


「わあ!

 ありがとう!」


 ママからあたらしいサンダルがプレゼントされました。

 それはおりとおなじサンダル。


神様かみさまとおそろい!!」


「?」


 パパとの会話かいわいていないママは、くびをかしげましたが、


「そうなの。

 かったわね」


 と、一緒いっしょよろこんでくれました。


「うん!」


 みーちゃんは満面まんめん笑顔えがおです!

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