みーちゃんと辻牛

 お皿洗さらあらいのごほうびに、お小遣こづかいをもらったみーちゃんはお菓子かしおうとお出掛でかけです。


 そんなみーちゃんがおおきな交差点こうさてんかったとき


「あぶない!」


 おまわりさんがみーちゃんをだきかかえるのと、同時どうじ横断歩道おうだんほどうくるまがかけけていきました。


大丈夫だいじょうぶだった?」


 おまわりさんのこえに、うなづくだけで精一杯せいいっぱいのみーちゃん。


いまくるま注意ちゅういをしてくるから、すこしっていてね」


 そうってはしっていくおまわりさん。


はらへったなぁぁ……」


 おまわりさんを見送みおくっていたみーちゃんのみみに、不思議ふしぎこえこえてきました。


 まわりをると、交差点こうさてんなかむくじゃらのおおきないぬのようなものがいました。


「おっとっと!」


 みーちゃんふぁているのに気付きづいたものは、あわてて空気くうきけてえてしまいました。


 そのすぐあとに、


「おたせ。

 いえまでおくるからみちおしえてくれるかい?」


 みーちゃんはおまわりさんにかれて、いええることになりました。



 よる


 そのことをパパにうと、


辻牛つじのうしだね」


 とおしえてくれます。


「つじのうし?」


 みーちゃんがいたこともないものです。


うしじゃなくて、いぬだったよ?」


 たままの姿すがたこたえるみーちゃんですが、


むかしうしくるまかせていたんだよ。

 そのせいでみち神様かみさまうしばれているんじゃないかな」


神様かみさまなの? へんなのだったよ!」


 みーちゃんがものはおけとったほう納得なっとく姿すがたでした。


「そうだね。

 神様かみさまってうのはへんなのもいるし、こわいのにきれいなのもいるんだよ。

 辻牛つじのうしはね?

 交差点こうさてんとかで事故じここして、それでひとんじゃうとそのいのちべちゃうこわ神様かみさまなんだ」


はらへったってうのは」


「たぶん、みーちゃんをべようとおもって失敗しっぱいしたんだよ」


こわいなぁぁ」


大丈夫だいじょうぶ

 辻牛つじのうし臆病おくびょう神様かみさまだから、事故じここすまえつけるとにげげていっちゃう。

 だから、横断歩道おうだんほどうわたときは、2くらいさががったところで、信号しんごううえ辻牛つじのうしがいないかをて、それからちかくのくるまにくっついていないかをわたればいい」


左見ひだりみて、右見みぎみて、もう一度右いちどみぎ?」


「そうだね」


つぎからける!」


「うん。みーちゃんはだね」


 やさしくあたまでるパパの笑顔えがおかべるみーちゃんでした。

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