第2話 美少女とおっぱい

1週間が経ち、やっと俺は立ち直ることができていた。といっても、自分1人で立ち直れたわけではなく、やっぱり先輩には敵わないなと思わされた。


たとえば泣いたあの日、結局先輩は2時間もそばに居てくれた。


たとえば次の日、朝からずっと家に籠り、1人暗くなっていた時、先輩は家に来て、心に染みるような料理を沢山作ってくれた。


たとえばさらにその次の日、やっぱり家で籠っていると、先輩はまた家まで来て、


「いつまでそうしてるつもりなの?君がそんな姿じゃ、おばあちゃんが責任を感じちゃうよ。感謝してるなら、安心させてあげなよ」


「向こうでおじいちゃんといっしょに、君を見てて笑えるような、そんな人生にすることが、おばあちゃんに対する恩返しなんじゃないの?」


正直に言ってしまえば、うるさかった。なにも考えたくなかった。ただ、



ただ、やっぱりおばちゃんには笑っていてほしいと思った。





そんなこんなで、先輩にはとてもお世話になった。だから、ちゃんとお礼を言うべきだろう。


「先輩、いろいろ、ありがとうございました」


「いーよいーよ。まぁ、大切な人がなくなったとき、1人で立ち直れる人間のほうが少ないよ...。」



そして先輩は、少し間を空け、わざとらしく、


「やっぱり私みたいな美少女が来てくれたっていうのが大きいかなー?」


センチメンタルになりかけてたところで、空気を変えてくれる。こういうところが、惚れる要因の1つなんだろうな。

それに、本人も言っているが確かに美少女なのだ。漫画やアニメのヒロインなんじゃないのかってくらいに、大きくて透き通っている瞳、さらさらのショートカット、暗すぎない若干茶色が混ざったような髪色、そして、なぜか胸はアニメや漫画と比べ物にならないぐらい控えめ。



いや、ほんとに美少女だけどね!?



「どうせなら、ぼんきゅっぼんな美少女が良かったな」


「君は、ほんとにおばあちゃん想いだね。そんなに同じところに行きたいの?」


「す、すいませんでした」


どうやら触れてはいけないところだったみたいだ。2つの意味で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る