短編集〜Short story~

@waiyouyour5647

    はじまり

題名 本当は。


 第一章 咲side

 私は山本咲。中学三年生。現在進行形で、いじめられている。

 もう声が出ない、、、。

「やめ、て、ください、お願い、、します、、、。」

 必死に声を絞り出した。それでもこの声は相手には届かない。もうダメかも、そう思った時

『やめなよ、もう見てられない』

 誰かがそう言って私を庇ってくれた。

『大丈夫?』

 私の顔を覗き込んだその子は、とても勇敢で、この状況でも見惚れてしまうくらいにかっこよかった。

 翌日

 私は、もしかしたらあの子なら私と友達になってくれるかもしれない。と思い、

「あの…この前は、」

 と勇気を振り絞って声をかけた。でも、

『ごめんね…』

 その声に返ってくるのは私が予想していなかった声だった。

「え?」

 私の声を聴こうともせず、そそくさとどこかへ行ってしまった。

 クスクス、と誰かがこちらを見て笑っていた。

 みんな私を見て見ぬふりをする。クラスのみんなも、先生も、親さえも。

 あぁ、やっぱり私には、誰もいないんだなぁ。

 これを機に、私の心は完全に閉ざされた。

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 第二章 咲side

 数ヶ月後、私は晴れて高校生になった。いじめの日々に耐える中、この生活から逃れたい思いや、親からのプレッシャーもあり、そこそこの高校に入った。今日は、みんなのことを知ろう!という意図で、クラスでの自己紹介がある。ギャグをやっている人や、長々と話している人などいろいろな人がいる中、私は正直どうでも良かったので簡潔に済ませた。私は読みたい本があったので、早くこの時間が終わらないかなぁと思っていたが、そんな私でも一つだけ、気になった人がいた。

「佐伯遥です!!私の趣味は……」

 佐伯遥。隣の男子たちは、『笑顔めっちゃ可愛くね?笑』と言っていたり、先生も『笑顔が素敵ですね!』と褒めていたけれど…私は違和感でしかなかった。

 この人、目が笑っていない。

 遥side

 私は佐伯遥。家は親が厳しくて、行きたくもない高校に入るために、毎日何時間も勉強させられた。『あなたはいい高校に行って、大学に進んで、立派な人になるの。大丈夫、あなたならできるわ。そうでしょ?』親に逆らうことはできず、「うん!」自分にも嘘をついて、「佐伯遥です!!」今のいままでやってきた。本当の自分はこんなに明るくないし、笑顔も少ない。自分でも時々思う。これじゃあまるでピエロみたい、って。でもこうでもしないと、自分は好かれない、自分を認めてもらえないって思ったんだ。だから私は今日もこうやって自分に嘘を重ねていく。

 自己紹介の時、山本咲という子がいた。とても簡潔な自己紹介で、若干、先生も驚いていた。

 私はその子を知っている。中学校が同じだった。スポーツもできて成績優秀。中学生とは思えない程の綺麗な顔立ちだった。そして中三の時、いじめられていた子。私はみんなと、一緒に見て見ぬふりしかできない傍観者だった。もし、私が咲ちゃんを救ってあげることができたら、咲ちゃんから笑顔がなくなることはなかったのに。私はあの日々を後悔していた。でも、ここで会うことができた。これが神様が与えてくれたチャンスなのであれば、仲良くなりたい。本当の咲ちゃんを、取り戻したい。

 第三章 遥side

 入学式から一週間後に一年生だけの合宿があるらしい。そして今日はそのチーム決めだ。・・・咲ちゃんと同じチームになりたいな。咲ちゃんは、、、誰でも良さそうだな、。入学式がから何日か経ったけど咲ちゃんが誰かと話しているところをみたことがない。そんなことを考えていると『一緒に組もー』と誰かが私に話しかけてきた。(誰だっけ…まあいっか)「組も組もーー!」今の返しは自分でもよくできたと思う。ぶっちゃけどうでもいいし、、、。『やったー!あと一人だね〜』あと一人か…。「あのさ、咲ちゃん誘ってもいい?」私は返事も聞かずに咲きちゃんの所へ歩いていた。「咲ちゃん!」私がそう言うと、咲ちゃんは驚いた顔をしていた。私はそれに構わず話を続けた。「チーム、一緒に組まない?」へ?と言う顔をよそに、『もう遥、歩くの速すぎ』と、さっき組んだチームの子2人がきた。「ごめんごめん笑」そう言うと、小さな笑いが起こった。でも咲ちゃんは黙ったまま。「どうかな、一緒に組もうよ」私が追い討ちをかけるように言うと、咲ちゃんは小さく「うん」と頷いた。『よし、じゃあ決定ね!』

 第四章 咲side

「おはよう、山本さん。バスの席のことなんだけど、他の子達はもうペアを決めちゃってるみたいで、隣に座ってもいいかな?」

 なんで私となんだろう。佐伯さんのお友達とか他にペア組んでない子もたくさんいるのに。まあなんでもいいか、

「佐伯さん、おはようございます。いいですよ。窓側と通路側どちらがいいですか?」

 敬語になっちゃった。初めて会ってから佐伯さんの表情がわからなくて怖いんだよな。

「通路側がいいかな。」

「わかりました。先に乗っときますね。」

 荷物を預けて、先生の話を聞き、バスに乗った。

 合宿施設まではバスで2、3時間かかる。バスの中では後ろの席の方に、仲の良い五人組が人狼をしたり、自前のトランプでダウトをしたりしていて騒がしかった。

 合宿施設についてからは、まず、施設の説明を受けて自分の荷物を部屋へ持っていった。その後ゆっくりする暇もなく、お昼ご飯の時間になった。お昼ご飯はバーベキューをした。

 BBQの時はグループやクラス関係なくみんなで食べた。

 そのあとはフリータイムで施設から出なければ外にも行ってもいいらしいが、ほぼ全員、外にはいかずに建物の中で遊んでいた。

 遥side

(山本さんはどこにいるんだろう。話してみたいんだけどな。)

「加奈、山本さんどこに行ったか知らない?」

「山本さん?どんな人だっけ?」

「同じクラスの、髪型はボブで、バスに乗ってる時私の隣に座ってた子。」

「ああ!あの子ね、山本さんて言うんだ。綺麗な子だよね!あの子なら外に出ていったよー」

「そうなの、綺麗だよね。ありがとう!」

 咲ちゃん、今も人が多いところは嫌いなのかな。

 グループも一緒になって、バスも隣の席に座れたのに全然話せてない。

 ベンチに座ってる白いブラウスの人、咲ちゃんだ。

「山本さん、お隣いいかな?」

「いいですよ。」

「ありがとう!ちゃんと話すのは初めてだよね?佐伯遥です。よろしくね」

「山本咲です。よろしくお願いします。」

「そんな固くならなくてもいいよ、同い年だしタメで話さない?山本さんと仲良くなりたいし!私のことは遥って呼んで!」

 咲ちゃん困ってるのかな、疑ってる?でも仲良くなりたいのはほんとだから。

「無理かな、?」

 初めて近くで咲ちゃんを見たけど、まつ毛長いし肌白いし綺麗だなぁ。

 それになんかいい匂いするし!

「わかった。」

「ほんと?!じゃあ改めて、咲ちゃんよろしくね。」

 咲ちゃんは少し微笑んで

「よろしく、遥ちゃん」

 咲side

「山本さん、お隣いいかな?」

 佐伯さん?どうしたんだろう、

「いいですよ。」

「ありがとう!ちゃんと話すは初めてだよね?佐伯遥です。よろしくね」

「山本咲です。よろしくお願いします。」

 今は、笑ってる?相変わらず表情が読めない。でも、すごく落ち着く。

「そんな固くならなくてもいいよ、同い年だしタメで話さない?山本さんと仲良くなりたいし!私のことは遥って呼んで!」

 やっぱり敬語だとおかしいよね。私なんかと仲良くなりたいなんて…ずっと一人でいるから気になるだけか。

 ここで嫌だって言ったらどうなるんだろ、後でなんか言われるのかな。それならそれでいいけど。

 佐伯さんが人の悪口を言うような子には見えない。けど、”怖い”。

「無理かな、?」

 敬語を使わないだけならいいかな。

「わかった。」

「ほんと?!改めまして、咲ちゃんよろしくね。」

『咲ちゃん』、久しぶりに名前で読んでもらえた、嬉しい、のかな?

 なんだか感情が高ぶっている。

「よろしく、遥ちゃん」

 自然と笑みが溢れたような気がした。

 第四章 咲side

 朝4時20分

 そろそろ朝日が登る時間。

 昨日のうちに見つけておいた裏口らしき場所から外に出た。先生にバレないようにちゃんと閉めておこう。

 昨日は気づかなかったけどこんな所に展望台があるんだ。ここからなら朝日が綺麗に見えそう。

 スウェットだけだから肌寒くて上に何か羽織るものを持ってくればよかったと、少しばかり後悔した。

 5分くらい経つと空が明るくなりなり始めて朝日が昇ってきた。

「やっぱりここにいた。」

 後ろから声がして振り返ると遥ちゃんがいた。

「おはよう。目が覚めたら咲ちゃんだけいなかったから心配で探してたんだけど裏口のドアが空いてたからもしかしたら朝日でも見てるのかなって。」

「そうなんだ。」

 さっき聞こえたのは何?

 それに裏口はきちんと閉めたはずなのに。

「スウェットだけで寒くない?そろそろ先生たちも起きてくると思うし、もう部屋に戻ろう?」

「そうだね。」

 それから部屋に戻り、遥ちゃんは「今から寝てもすぐに起きないといけないから。」って言って布団を綺麗にしだしたから私もそうした。

 起床時間になり、他の三人も起きたから朝ご飯を食べに食堂に行った。

「みなさんおはようございます。今日これから一日施設全体で謎解きをします。たくさん歩くと思うのでご飯をたくさん食べてくださいねー!」

「「はーい。」」

 さっきの遥ちゃん言葉が引っかかる。

 なんで私が展望台にいるって分かったんだろう。

 今日のお昼休みの時にでも聞いてみようかな。

 遥side

 朝4時30分

 布団がいつもと違うせいか早く目が覚めた。

「あれ、咲ちゃんは、?」

 もしかして、朝日見に行ったのかな。中学校の時の修学旅行で似たようなことがあったな。

 あの時は私がいたところに咲ちゃんが来たんだっけ。

 ここだとどこで朝日が見えるんだろう。そういえば、昨日裏口みたいなのがあったような、行ってみようかな。いるかどうかだけ確認しよう。

 裏口は同じ階の一番端のトイレの近くにある。

 裏口から外に出ると咲ちゃんが展望台のベンチに座ってた。

「やっぱりここにいた。」

 できるだけ音を立てないようにして、いるかどうかの確認だけしようと思ったんだけど、ここで声かけないとおかしいよね。

「おはよう。目が覚めたら咲ちゃんだけいなかったから心配で探してたんだけど裏口のドアが空いてたからもしかしたら朝日でも見てるのかなって。」

「そうなんだ。」

 今、あのこと話してみる?

 でもそろそろ先生も起きてくる時間だろうし、咲ちゃんに受け入れてもらえるかわからないからまた別の機会にしよう。

「スウェットだけで寒くない?そろそろ先生たちも起きてくると思うし部屋に戻ろう?」

「そうだね。」

 第五章 咲side

「今から、2のグループで一緒に謎解きをしてもらいます!一番最初に解けたグループには景品があるのでがんばってください!」

「「はーい」」

 私たちのグループと一緒になったグループの人は海斗さんってい言う人がいて、確か遥ちゃんのお友達の加奈さんが好きな人だ。

 きのうの夜ずっと話していたせいか(意方的にずっと話してきた)一目見ただけですぐに分かった。

「海斗です、よろしくね。」

「加奈です!よろしくお願いします!」

 加奈さんの勢いすごいな。全員の自己紹介が終わった頃に先生からの話があった。

「これから謎解きをはじめます。森の中では看板の通りに歩いてくださいねー!お昼ご飯は自由な時間に建物内で食べてください。それじゃあ、始め!」

 施設内と施設外にあるヒントを集めて謎を解くらしい。

「施設内のヒントから集めて、お昼ご飯を食べようかなと思ってるんだけどどうかな。」

「海斗くんの意見に賛成!そうしよ!」

 加奈さん、、、、

「それじゃあ行きましょうか。」

 一階から周り、全てのヒントを集めた。何気にわかりずらいところにあり、難しかったがなんとか施設内のヒントは全て見つけることができた。

 お昼ご飯は各自で取ることになり一旦解散して13時30分に集合することになった。

 食堂では、オムライスやパスタ、うどんなど大体なんでも食べれるらしく、私はオムライスを頼んで、一人で食べた。時間が20分くらい余ったので部屋に戻って本を少し読んでから集合した。

 午後の施設外でのヒント探しは、海斗さんが休み時間中に友達に聞いたらしく、早々と見つけ、1時間もしないで終わった。集めたヒントから謎解きをし、先生に出しに行ったが、ほんの少しの差で他のグループに負けてしまった。

 その後40分ほどでほとんどのグループが謎解きを終えてしまい、そこからキャンプファイヤーが始まるまで2時間ほどフリータイムになった。

 1日目のフリータイムは一人でいる人が多かったがたった1日しか経ってないのにみんなで集まって人狼をしたりトランプでダウトをしたりしていた。

 人が多いところは好きじゃないので人がこなさそうな展示物がたくさんある部屋に行ってみた。

 案の定誰もいなくて、展示物は施設の近くの森で取れたものが飾ってあった。

 そこには見たことのない植物がたくさんあり、隣には小さな図書館があって、あっという間に2時間が過ぎていた。

 それから夜ご飯を食べたり、お風呂に入ったりして、いよいよキャンプファイヤーが始まった。

 キャンプファイヤーでは、ダンスを踊ったり、みんなで合唱したりした後、自由時間が設けられた。

 私たちはマシュマロを焼いて食べた。何個か食べたら先生に、一日歩き回って疲れたので先に部屋に戻ると言って、私は図書館に向かった。

 図書館の窓からキャンプファイヤーの様子は見れなかったがはしゃいでる声はうっすら聞こえた。

 先生にバレたら怒られそうだから電気はつけないで本棚の間に座ってぼーっとしていた。

「咲ちゃんいる、、、?」

 遥ちゃん、?

「いるよ。どうしたの?」

「咲ちゃんが見当たらなくて、先生に聞いたら部屋に戻ったって聞いたんだけど部屋にいなかったから探してたの。」

「そうなんだ。」

 今二人きりだし朝のこと聞いてみようかな。

「あの、遥ちゃんに聞きたいことがあるんだけどいいかな。」

「うん、いいよ!どうしたの?」

「あの、、」

 なんて聞くのが正解?普通に聞きたいけど普通に聞くってどうやるの?わからない。

「えっと、、、」

「大丈夫?ゆっくりでいいよ、?」

「ごめんね。朝のことなんだけど、私が展望台にいて遥ちゃんが入ってきた時にやっぱりここにいたって聞こえてなんで知ってたのかなって思って。」

「わたしの聞き間違えだったのかもしれないし、責めてるつもりはないんだけどちょっと気になって、、、」

 日本語変になってないかな。遥ちゃんの顔色悪いけど怒らせたりしちゃったかな、。

「ごめんね。話すと長くなっちゃうんだけどいいかな、?」

「時間はたくさんあるし全然いいよ。」

 咲ちゃんどこにいたんだろ。さっきまで椅子に座って焼きマシュマロ食べてたのに。部屋に戻ったのかな?

 先生に聞いてみるか。

「先生、咲ちゃんが見当たらないんですけど、どこにいるかわかりますか?」

「山本のことか?山本なら疲れて部屋に戻ったぞ。心配なら見に行ってみたらどうだ?」

「わかりました。見に行ってみますね。ありがとうございます。」

 咲ちゃんにあのことを合宿中に話したかったんだけど寝ちゃってるかな。

「咲ちゃん、大丈夫?」

 返事がないな。寝ちゃったか。私ももう寝ようかな。

 あれ?咲ちゃんいない?どこに行ったんだろ。迷ったのかな。

 食堂、共通スペース、自然の部屋(展示物がたくさんある部屋)、どこにもいない。

 後どこがあるっけ?確かホールに地図があったはず。

 地図を見てみると、図書館があったことに気づいて急いで向かった。

「咲ちゃんいる、、、?」

 電気ついてないしいないよね。

「いるよ。どうしたの?」

 いた!

「咲ちゃんが見当たらなくて、先生に聞いたら部屋に戻ったって聞いたんだけど部屋にいなかったから探してたの。」

「そう。」

 良かった!いなくなっちゃったかと思った。

「あの、遥ちゃんに聞きたいことがあるんだけどいいかな。」

「うん、いいよ!どうしたの?」

「あの、、」

 どうしたんだろ。聞きづらいことなのかな?

「えっと、、、」

「大丈夫?ゆっくりでいいよ、?」

「ごめんね。朝のことなんだけど、私が展望台にいて遥ちゃんが入ってきた時にやっぱりここにいたって聞こえてなんで知ってたのかなって思って。」

「わたしの聞き間違えだったのかもしれないし、責めてるつもりはないんだけどちょっと気になって、、、」

 朝の時?声に出てたのかな?それなら本当のことを言っちゃった方がいいよね。

「ごめんね。話すと長くなっちゃうんだけどいいかな、?」

「時間はたくさんあるし全然いいよ。」

「ありがとう。ここじゃあれだし、朝の展望台にでも行く?裏側にあるから誰も来ないと思うし。」

 夜明けの展望台は一人でいても落ち着く感じがしたのに、この夜の暗さは二人でいても一人ぼっちでいる感覚になった。

「ここら辺でいいかな。」

「そうだね。それじゃあ聞かせてもらってもいい?」

「うん、まず言いたいことは私たちは中学校が同じだったんだけど覚えてるかな?隣のクラスで合同体育の時とかにたまに一緒にやってたりしたんだけど、、、」

 え、中学校が同じ?佐伯遥、、?そう言われれば聞いたことがあるような気がするけど、遥って名前の人が多かったからよく覚えてないな。

「ごめんね、あんまり覚えてないかも、、知ってるんなら最初に言ってくれれば良かったのに。」

「そうだよね。初めて教室に入ったときに咲ちゃんに似てるなとは思ってて自己紹介を聞いた時に確信したんだけど、思い出したくないことだとは思うんだけど、咲ちゃんが中学校の最後の年にいじめられてたでしょ?その時に見てみぬふりをしちゃったから話しかけずらくて、でも咲ちゃんともう一回お友達になりたくて今まで言えなくてごめんね。これからは何があっても咲ちゃんの味方でいたいんだけどいいかな?」

 遥ちゃん、、そんなふうに思ってたの。

 確かにいじめられたのは傷ついたけど、仲良くしてた友達もみんな無視されたことが一番辛かったな。

 でも、いじめの主犯の子たちに逆らえないのは分かってたし一人でいた方が楽だったからそんなに辛くないと思ってたんだけど、なんでだろ。

 涙が止まらない、、。お父さんもお母さんも私の話なんか聞いてくれなくて、友達だと思ってたみんなに無視されて、もしかしたら自分が思ってる以上に辛かったのかな、。

「咲ちゃん、?泣いてるの!?大丈夫?嫌なこと思い出させちゃってごめんね。」

「違うの。誰も私のことを気にかけてくれる人はいないと思ってたし、友達なんてもういらないし誰もなってくれないと思ってたから、、、」

 泣き止まないと遥ちゃんに迷惑かけちゃう、、

 でも久しぶりに優しい人にあって優しさに触れて、涙が止まりそうにない。

「遥ちゃ、ん、話して、くれて、あり、がとう。嬉しい。」

「そんなことないよ。私は咲ちゃんに酷いことをしたんだからこんなことじゃ足りないくらいだよ。」

「改めまして咲ちゃん、私とお友達になってくれませんか?」

 遥ちゃんの顔初めてちゃんと見れた。

 ああ。なんだ知ってるじゃん。私がいじめられてる時一回だけど助けてくれた人。遥ちゃんだったんだ。

「もちろん。私からお願いしたいくらいだよ。これからよろしくね。」

「ほんとに?!こちらこそよろしくお願いします!」

「なんで敬語なの笑」

「あっ、嬉しくて、!」

 10分くらい二人で笑い泣きして、落ち着いた頃外から声が聞こえなくなってきた。

「そろそろキャンプファイヤーも終わりそうだね。そろそろ部屋に戻る?」

「そうだね。咲ちゃん、泣き止んだ?」

「私は大丈夫。遥ちゃんはまだ泣いてるの笑」

「残ったやつが出てくるの!部屋に戻ろっ。」

「はーい笑」

 それから二人で部屋に戻って泣いて少し腫れた目を冷やしてそうしてるうちに他の人たちが帰ってきて歯磨きをして寝た。

 第六章 咲side

 三日目は朝ごはんを食べたら少しだけ森を見て回ってから帰る。朝起きてから少し気まずさはありながらもたくさん話していくうちにいつの間にかちゃん付けもなくなって、だいぶ仲良くなった。

 帰るときもバスの隣の席は遥ちゃんでたくさんのことを話した。例えば好きなアーティストが一緒でそのことについて話したり、遥ちゃんのお友達と話したり、、。

「そういえば、ねぇねぇ遥。」

「どうした?」

「昨日言い忘れてたんだけど、中学校の時私がいじめられてる時助けてくれたよね。ありがとう。」

「覚えてたの?!その後他の人たちの圧力が怖くて逆らえなかったのに、。」

「たった一回でも嬉しかったから。それにその後もちょっとだけでも話しかけてくれたでしょ?あの時は突っぱねてたけど、、」

「そうそう!顔さえ見てくれなかったもん笑」

「ほんとにありがとう。」

「いえいえー。」

 それからは話疲れた遥が寝て、他のみんなもほとんど寝ていた。私も寝ようかなと思ったけど寝れなくて結局学校に着くまで起きてた。

 学校についてからは先生の話を軽く聞いて、すぐ解散した。

「咲!連絡先交換しよ。」

「そうだね。」

 高校になるときに機種変更してお父さんとお母さんしかいない中に遥香が加わった。

「それじゃあまた来週ね。」

「そうだね、またね!」

 第七章 咲side

「ふー、よし。」教室に入る前、私は息を整えた。

 ガラガラガラ(ドアを開ける音)

『おはよー!咲!』

 ドアを開けたら遥たちはもう準備を済ましていて、私の席の前で私のことを待ってくれていた。おはよー!という明るい声とともに向けられた遥の顔は、作られた笑顔ではなく、本物の笑顔だった。

 大丈夫、私はもう一人じゃない。

「おはよー!」

 私自身も、本当の自分を取り戻せた気がした。






題名 依拠


ホームルームが終わって放課後になったら。僕は毎日のルーティンのために階段を上る。毎日といっても晴れた日限定で、夕焼けを長めに屋上へ向かうのだ。その日は四月にしては珍しい真夏日で、夕方になってからもジリジリとした昼の暑さまだ空気に混ざっていた。

 屋上の錆びついたドアに体重をかけて押すと、若葉のにおいと生ぬるい風が吹き込んできた。目を閉じて深く息を吸う。脳に空気が回ったことを確かめて目を開けると、屋上の柵の向こう側に、華奢な少女が立っていた。彼女は一眼レフを持っていて、校舎の向こうに広がる海を撮っている。彼女の白いブラウスに夕焼けのオレンジが滲んで今にも空に溶け込んでいきそうだ。僕の気配を感じたのか振り向いた彼女は、一瞬目を丸くした後、恥ずかしそうに俯きながら、柵の向こうからこちらに戻ってきた。よく見るとローファーを脱いで柵の向こうに行っていたようだから、非常に危なかった。そんなことに頭を巡らせているうちに、そそくさと彼女は屋上から去ろうとしていた。慌てて、

  「あの!」

と声をかけたものの、聞こえなかったのか、階段を下りて行ってしまった。

 次の日の放課後も僕は屋上に向かった。なぜか昨日の少女のことが頭から離れなくて、足が勝手に向かっていた。蹴破るようにドアを開けると、約束したかのように彼女はそこにいて、今日も一眼レフで海と空を撮っていた。

  「あの、昨日も写真撮ってましたよね?写真部なんですか?」

自分でもびっくりするくらい、無意識に声をかけていた。彼女はしばらく僕を見つめた後、鞄からおもむろにノートを取り出し、

  『わたし、声、出ないの』

と書いて見せた。

  『小さいときビョーキになって、出せなくなっちゃったの』

と。彼女曰く、写真部に所属しているのは彼女とその友達だけで、

その日から僕と彼女は、晴れた日の放課後に屋上のベンチで話すようになった。僕のルーティンのこと、屋上から見渡せる風景のこと、僕もこの風景を写真に収めるのが好きなこと…。僕が話しかけて、彼女がノートに書いて見せる。話題が尽きたら彼女は一眼レフを構え、僕はそれを眺めるか、一緒にスマホを構える。その繰り返しが、だんだん僕のルーティンに組み込まれていった。初めて屋上で出会った日から夏休み前までの約三ケ月間は、僕が彼女を好きになるには十分すぎる時間だった。

僕は長期休みが嫌いだ。別に学校生活や勉強が好きというわけではないが、毎日のルーティンをしばらくこなさないと、だんだんとむず痒くなってくるのだ。特に今年は、彼女に会うことができなくなることも相まって、非常に憂鬱な気分で終業式を迎えていた。放課後、例の場所で思い切って連絡先を聞くと、

  『わたしも聞こうと思ってたの』

と快く了承してくれた。


 わたしの喉は幼い頃に患った大病で、まったくと言っていいほど使うことができない。そのため、話しかけられても即座に応答することができず、そのせいで物心ついた頃から友だちはほとんどいなかった。わたしもまた、いつしか群集の喧騒を疎ましく感じ、一眼レフのレンズ越しの世界に没頭するようになった。高校生になってからもやはりそれは変わらず、ほとんど廃部寸前だった写真部に入り、校舎の屋上からレンズを通して、向こうに広がる空と海、そしてそれらの染料である夕日を眺める日々を送っていた。四月のあの日、夕方になっても日が照り付けていたあの日、いつものようにレンズを覗いていたわたしはふと、

  『この空と海と一体化して、消えてしまいたい。いやむしろ、最初からわたしなんていなかったことにしてしまいたい。』

と、まるで昔からそこに存在していたかのように一体化の衝動は感覚野を支配しており、気づけばわたしの身体は柵の向こうへ持っていかれていた。どのくらいの間そうして眺めていたのだろうか。ふと後ろを振り向くと、呆然とした顔の男子生徒がわたしを見つめていた。はっと我に返るのと同時に恥ずかしく思い、慌てて柵を乗り越え、荷物を抱えて走り去った。無我夢中で階段を駆け下り、一息ついたところで、自分が涙を流していたこと、そしていかに自分が無意識にとらわれていたかに気づいた。

  『わたし、なにしてたの…』

混乱のあまり眩暈がする身体を何とか奮い立たせながら、わたしは帰路についた。

 次の日、わたしは自分の意識世界で昨日起こったことを解明するために、屋上へ足を運んだ。大きく息を吸って、夕方の、昼間より少し冷えた空気を開いた肺に取り込む。脳に酸素がまわったことを確認するとわたしはいつものようにレンズを覗いた。オレンジに染められた水平線は、レンズで拡大しても確認することができないほど滲んでいた。ガンッとドアを蹴破った音がしたので振り向くと、そこに昨日の男子生徒がいた。

  「あの、昨日も写真撮ってましたよね?写真部なんですか?」

いかにも口をついて出たといったふうな顔で声をかけてきた。想定外の言葉に呆気にとられつつ、いつも使っている筆談用のノートを取り出し、自分の声が出ないこと、そして意思疎通にはノートを使うことを伝えた。それからというもの、彼がわたしに質問し、筆談でわたしが応えるという奇妙なコミュニケーションが生まれた。彼は今までに会った人のなかでも殊更不思議な人で、どんなにわたしがゆっくりと回答を考えても、またノートに書き込んでいても、絶やさずわたしに対して興味と気遣いを向けていた。心から優しい人なのだろう。いつしかわたしは、自分から彼と話したいと思うようになり、晴れた日の放課後は、欠かさず屋上へ足を運んでいた。

 夏休み前の終業式の日、彼に連絡先を聞かれて心が弾んだことに少しも驚きを感じなかった。それだけ彼への気もちが強くなっていっていることは、自覚していた。


 夏休みの間、夏祭り、花火大会、海、写真展など、実に多くのところに彼女と出かけた。そのたびに彼女は愛用のカメラを構え、僕は嬉々とした様子の彼女を眺める。たいして予定がないときは、図書館で各々好きな写真集をめくり、気に入った写真を見せあって、感想を交わした。彼女の目線と僕の目線が交差するとき、不思議とお互いの心の芯が、見透かせるほど通じ合っていると感じた。

  『わたしね、文化祭の展示発表に、自分が撮った写真を出展する予定なの。だからさ、モデルになってほしい。』

夏休みも終わりに差し掛かった頃、彼女にそう言われ、快く承諾した。撮った写真を見せてもらおうとすると、

  『恥ずかしいから、文化祭まで待ってて』

と言われて見せてもらえなかった。

 二学期に入り、それから文化祭までの間は目まぐるしく日々が過ぎていった。クラスは違うものの、晴れた日の放課後はやはり屋上のベンチで話していた。文化祭当日、僕の足は真っ先に展示発表に向かっていた。彼女の作品を見ることは、写された自分を見ることでもあるので正直恥ずかしくはあったが、彼女の目に自分がどのように映っているか知ることができそうで、気になって仕方がなかったのだ。


  『依拠』

額縁の中の僕は、とても柔らかい表情をしていた。その、愛おしむような視線が何を捉えていたのか、きっと誰が見てもわからないはずはないだろう。このまなざしを向けられたカメラマンは、何を思ったのだろう。作品名にあるように、彼女もまた、僕をよりどころとしてくれているのだろうか。思ったその時に脳は四肢に命令を出していて、身体はまっすぐ屋上へ向かっていた。

 ドアを体当たりする勢いで開けると、いつもの風景が広がっていた。ただ、違うのは、そこに彼女がいないこと、そしていつも二人で腰かけていたベンチに、紙袋が置かれていたことだった。中には彼女がいつも使っていた一眼レフと、手紙が入っていた。


  『ありがとう。あなたはわたしのよりどころでした。一眼レフはもう使いません。あなたが使ってくれたら嬉しい。さようなら。』


 わけが分からなかった。どうして屋上にいないのだろう。どうしてもう一眼レフを使わないのだろう。どうして別れの挨拶をしているのだろう。なにもわからなかった。

 彼女のクラスメイトを片っ端からあたり、彼女の居場所を探した。神社、海、写真展の開かれていた市民ホール、そして図書館。彼女のいそうなありとあらゆるところを探したが、彼女はいなかった。次の日も、そのまた次の日も、彼女はいなかった。文化祭が終わり、いつもの学校生活へと皆の気もちが戻りつつあるなか、僕だけが猛烈な喪失感と虚無感に襲われ、屋上の時空感覚に取り残されていた。彼女の姿が消えて一週間が経ったころ、一人の女子生徒が突然声をかけてきた。女子生徒によると、彼女の家族が僕を家に招待しているらしい。夏休みに二人で出かけた時に、家まで送っていたから場所は知っていたし、何度か家族の人とも顔を合わせていたが、家に呼ばれたのは初めてだった。呼ばれた理由の見当もつかないまま彼女の家に着くと、すぐに彼女の母に居間に通された。

 居間には、彼女が撮ったと思われる数々の写真、そしてその中心に額縁に入った彼女の満面の笑みがあった。儀式的な写真の配置に一瞬呆然としたが、すぐにそれらが意味するものが分かった。

 彼女は、いないのだ。

 頭の中で反響するその現実に思わず立ち眩みを引き起こし、僕はしゃがみこんだ。それからのことはよく覚えていない。彼女の母に詳細を聞いた気がするが、記憶があやふやだ。彼女は幼い頃に喉頭がんを患っており、手術によって幹部を摘出したものの、一切喉を使うことができなくなり、声が出なくなった。そして、小・中学生の間、喉以外はいたって健康だったものの、

転移が見つかり、そのまま再発、呆気なく去ってしまった。そんな話だった気がする。

 

 彼女は、僕たちが屋上で初めて会ったあの日の空と海の狭間に、溶け込んでいってしまったのではないだろうか。非科学的だが、どことなくそんな気がする。

 僕は屋上の時空感覚から抜け出せないまま、何度目かの夏を迎える。






題名 SF


はっ。と目を覚ました、いつも見ている僕の部屋の天井だ。

下の階から母親が朝ごはんを調理している匂いがする、これはパンケーキだ、

ぼんやりしながら下へ向かうと、そこには母と祖母がいた。

ジニー「おはよう母さん、おはようおばあちゃん」

お母さん「ジニーおはよう。もう8時よ。学校は半からでしょ?早く食べていきなさい。あと、さっきトムが来てたわよ」

ジニー「なんだよ、もっと早く起こしてよ!」

お母さん「何回も下から呼んだわよ!自分が起きないから悪いんでしょ!」

ジニー「もー!」


急いで着替え、パンケーキにバターをサッとひと塗り。

折り畳んで急いで食べた。

おばあちゃん「ジニー喉に詰まるからゆっくり食べなさいよ〜」

ジニー「わかってるって!」

学校までは歩いて30分以上かかるが、走っていけば問題ない。

僕はパイロットになるために養成所に通っている。

父に憧れた僕の中ではパイロットになるのが一番だからだ。

父は戦闘機のパイロットでその背中に憧れてパイロットを志した。

だが前回の筆記テストも腑に落ちない結果に終わった。

学校に向かって走っているとトムが歩いているのが見えた。

ジニー「おいトム!なんでそんなにゆっくり歩いてるんだよ!!遅刻するぞ!」

トム「おはようジニー!さっき家に寄ったのにお前のお母さんに、「呼んでも起きないから先に行った方がいいと思うわ。いつもごめんねトム。」って言われたぞ。」

ジニー「ごめんよ。僕が朝弱いの知ってるだろ」

トム「明日から俺が毎日起こしに行ってやろうか?」

ジニー「気持ち悪いから遠慮しとくよ」

トム「正直じゃないな〜笑」

ジニー「うるさいな!そんなんじゃねぇよ!笑」

トム「笑」

ジニー「そういえば機体の模型できた?」

トム「まだだよ!昨日はずっと惑星について調べてたよ!」

ジニー「なんでそんな関係ないことしてるのにテストで一位取れるんだよ。」

トム「まぁ俺は生まれながらの天才だからな。」

ジニー「ムカつく奴だなぁ。僕は毎日必死に勉強してるんだぞ!!」

トム「はいはい!笑 

   まぁまた次があるさ!」

ジニー「それもそうだな…ってこんなゆっくり話してる場合じゃない!」

二人は話に夢中で遅刻してしまった。


先生「ジニー・ロビンソン!遅刻だぞ!」

ジニー「すみません先生…寝坊しちゃって…」

トムはバレないように腰を低くして教室に入り、ジニーが怒られている隙に席へと座った。

ジニー「お前だけ怒られずに済むなんてずるいぞ!!!」

トム「バレなきゃ大丈夫だ!ジニーにも今度バレない方法教えてあげるよ!」

ジニー「僕はそもそも遅刻しないように頑張るよ!!」

トム「お前頭いいな…」

ジニー「何言ってんだか。笑」

先生「おーい。そろそろ始めるぞ〜。」

トム「おっ。始まるぞ〜?ジニーロビンソン〜君!また後でな!」

ジニー「うるさいぞ!笑(やばい。緊張する…)」

先生「はーい。それじゃあみんな席につけ〜。今からテストを始めるので机の上は鉛筆と消しゴムだけにしろ〜。」

テストが始まった。鉛筆の芯がカタカタと机に当たる音が教室中に響いている。

それが僕にとってはプレッシャーになっていた。

ジニー「(やばい、勉強したのに全く分からない!どうしようどうしよう。あ〜!!!)」

ジニーは焦った。そして頑張った。そして、テストは終わった。しかも色んな意味で。

トム「おいジニー!どうだった?」

ジニー「うるさいな、トムは?」

トム「どうせ満点だ」

ジニー「嫌味なやつっ」

トム「まぁそういうなって!もしかしてまた勉強したところ忘れたんだろ」

ジニー「なんでバレるんだよ!」

トム「ハハハハ」

ジニー「ハハハハ」


そうして楽しい月日は流れ、気づいたら高等部卒業の時期になっていた

時には厳しく時には母のように愛情をくれた教官の声が会場に響き渡った。

出席番号1番 ローガン・ルイス! 

ローガン「はい!

・・・

そしてどこか寂しそうで誇らしげな卒業生たちが胸を張って返事をしている。

出席番号2番アイル・バレンシュタイン!

アイル「はい!」

・・・

出席番号7番ジニーロビンソン!

ジニー「はい!」

僕が呼ばれた。僕は今日卒業するんだ。そして新しい日々を歩むんだ。

この仲間たちと。


卒業生は専門部へと進む。

専門部では4つの専攻に分かれる。

修理技術を完璧に身につけ機体のネジの位置から設計図まで記憶しているのが

機体の整備を中心とする整備専攻。

クルーの体調管理から高度な手術までさまざまな医療業務行う医学専攻。

地上と船を繋ぐ通信司令センターでクルーをサポートする情報処理専攻。

そしこの星ので花形であるパイロット専攻だ。

もちろんジニーとトムはパイロット専攻だ。

ジニー「おはようトム、今日からシミュレーションだな!!」

トム「ジニーはシュミレーションの授業はずっと楽しみにしてたよな」

ジニー「当たり前だろ!やっとパイロットに一歩近づけるんだから!!僕は誰よりも早くパイロットになりたいんだ!あ!そういえば今日来る途中ポールとすれ違ったよ!」

トム「何か話したのか?」

ジニー「いや何も...」.

トム「ところでポールは何の専攻なんだ?」

ジニー「ああ、ポールなら情報処理専攻だってよ」

トム「そうなのか!あいつにはお似合いだな!」

ポールとはよく三人で遊んでいた。

だがパイロットを志すジニーとトムとはあまり気が合わなくなり、

高校3年間でその溝は深まっていった。

ジニー「やばい!遅刻だ!早く新しい教室行こうぜ!もう授業始まってるかも!」

教室に着くと新しい教官だろうか、少し怖そうな人が授業の準備をしている。

トムはいつものように怒られているジニーを囮にしてバレないように席に着こうとした。

トム「そーっといけばばれないんだよなっ、ってえ?!」

トムは教官と目があった。どうやら高等部の教官とは違うらしい。

教官「おい!トム・マリアーノ!見えてるぞ!」

トム「まじか。終わった。」

教官「お前ら初日から遅刻とはいい度胸だな、お前らはその度胸を生かして立って授業を受けろ!」

ジニー「何で僕まで....トム、お前のせいだからな」

トム「笑」

ジニー「笑」


教官が話始めた

教官「今日からお前らの教官になったスティーブン・フォードだ。

これから長くなるがしっかりついてこいよ。よろしくな。

早速だが、お前らには今日からパイロットになるために訓練を積んでもらう。

船を飛ばすの何て簡単だ。

問題はどうすれば他の奴らより早く正確に飛び与えられた任務を遂行できるかだ。」

ジニー(かっけー!!!やっぱり専門部は違うな…)

教官「まず機長、操縦士、副操縦士、航空機関士の4人1組のチームに分かれてもらう話はそれからだ。よし決めろ。」

ジニー(進行早いな…ついていけるかな。)

トム「ジニー!もちろん俺と組むよな!」

ジニー「ああ、もちろん。ところで後の2人はどうする?」

トム「ん〜、あ!コールは?」

ジニー「また一人で端っこにいるのか!いいじゃん!誘おう!」

トム「コール!僕たちと一緒に組まない?」

コール「いい…けど…」

トム「よしきまり!」

ジニー「コールは何やりたい?」

コール「な…何でもいい…」

ジニー「じゃあ副操縦士でいい?僕は操縦士、トムは機長をやりたいんだ」

コール「いいよ…」

ジニー「ありがとう!!!」

トム「ありがとな!コール!」

コール「うん…」

ジニー「よし。後一人だな!」

トム「そうだな。コール!誰かいい人はいないか?」

コール「僕はわからない…」

トム「そうか…」

ケビン「おーいお前ら!人数足りなくて困ってるのか?」

トム「あぁ。」

ケビン「なら俺が入ってやるよ!」

彼の名はケビン。父親が局長の親友でキャリア組出世コース間違いなしのおぼっちゃま。

ジニー「ケビン!あいにくこのチームはもう役割が決まっちゃってて航空機関士しか余ってないんだ。」

ケビン「なんだって?俺に機長やらせろよ!」

トム「もう決まったことなんだ。嫌なら他のチームに行ってくれ。」

教官「もうそろそろ時間だぞ。」

ケビン「時間がないからここでいいや。しょうがないから航空機関士でいいよもう!!」

教官「よーしそろそろ決まった頃だろう。じゃあ説明に入るぞ。」

ジニー(うわ。ケビンと同じになっちゃた…)

教官「船長は指揮、操縦士は副操縦士と操縦、速度、高度、方位などの操作を行ない、航空機関士がエンジンや飛行システム関係の操作を行う。

隣の部屋に操縦シミュレーターがある。1回30分程度のフライトだ。

終わったらスコアを報告しろ。」

生徒一同「はい!!!」

トム「よーしやるぞー!!!」

ジニー「おう!コールも頑張ろうな!!!」

コール「うん…」

ケビン「やるか。」

トム「あぁ!」

ジニー「操縦席はここで機長はここで航空機関士はここ!」

ケビン「お前詳しいな。」

ジニー「お父さんに小さい頃教えてもらったんだ」

ケビン「そういえばお前のお父さんパイロットらしいな。

まぁ俺のお父さんは局長にコネがあるからお前のお父さんなんかより色々知ってるぞ!」

ジニー「はいはい。それより早く始めるよ!

みんな席について!」

トム「開始はこのボタンか?」

ジニー「あぁ!よしじゃあ始めるぞ!」

トム「おう!」

ケビン「わかった」

コール「うん…」

AI「Aグループのシミュレーションを開始します。

 各員座席について飛行準備をしてください。」

ジニー「よしみんな!行くぞー」

ジニー「水平垂直尾翼ともに正常!」

トム「エンジン問題なし」

ケビン「飛行システムオンライン」

ジニー「滑走路に行くぞ」

トム「わかった」

ケビン「結構しっかりしてるな。まるで本物みたいだ。」

トム「あぁそうだな。振動まで来る」

4人は初めて乗るコックピットに興奮し感動していた。

トム「ついた。飛ばすぞ。」

ジニー「エンジン点火!加速しろ。」

トム「了解!」

(凄まじい音が鳴り響く)

トム「離陸速度に到達!機首をひけ!」

AI「時速200km 高度300ft」

トム「まだまだだな。もっとひけ!」

AI「時速369km 高度1000ft」

トム「よし順調だ。機体はこの角度を保て。

3万3000ftまで上昇したら水平飛行に切り替えろ。」

ジニー「わかった!」

トム「そろそろ高度速度共に安定する頃だろうから自動操縦に切り変えよう」

順調に言ってるように見えたが急にアラートが鳴り出した。

AI「pull up Don't sink pull up Don't sink」

トム「くそっ!なんだ!」

ジニー「正面に積乱雲があるぞ!高度が低い!早くあげろ!」

AI「pull up Don't sink pull up Don't sink」

ジニー「あーもううるさいな!今やってるよ!」

ジニーは力一杯引いた。

トム「おいジニー!引きすぎだ!ちゃんとメーターを見ろ!」

ジニー「やばい!」

(飛行機はバランスを崩した。)

ケビン「落ちる!!!やばい!!!

コール「あ…」

AI「シミュレーション終了。aグループ墜落判定。スコア25

  シミュレーション終了。aグループ墜落判定。スコア25」

ジニー達の番は終わり

スコアが表示された

ジニー「100点中25点だった…クラス最下位だ....」

トム「ジニーそんなに落ち込むなって、次があるだろ?」

ジニー「僕があそこで焦って機種を引きすぎなければ、失敗しなかったんじゃ無いのかな〜って」

トム「お前のせいじゃないよ!みんな初めてだったんだそんなに落ち込んでてもしょうがないぞ!」

ジニー「そうだよな.....」

トム「俺は教官にスコアを伝えてくるから先に教室に行っててくれ!」

ジニー「わかった..」

次々とシュミレーションを終え、みんな少しばかり楽しげに会話をしながら

教室に帰ってきた....

前の女の子が落ち込んでいるジニーに話しかけてきた

彼女の名前はセレナ

セレナ「どうしたのジニー、何かあった?」

ジニー「今日のシュミレーションで失敗して墜落判定だしちゃったんだ」

ジニー「きっと僕には父さんとは違って才能がないんだ...」

セレナ「そうなんだ....でもまだ始まったばかりだし、操縦士が合わなかったのかもしれないし・・・」

ジニー「セレナに何がわかるんだよ!」

セレナ「でもきっとジニーには...!

ジニー「ちがう!僕は操縦士になりたいんだ!父さんみたいに・・・」

セレナ「そっか....お父さんの指揮官だもんね、無神経だっだ。ごめん....」

ジニー「こっちこそごめん僕もいいすぎた。」

セレナ「ジニーは誰よりも努力してるからきっと努力は報われるよ!」

ジニー「ありがとうセレナ」

ケビンが遅れて帰ってきた

ケビン「おいジニーせっかく操縦士やらせてやったのにお前操縦下手すぎだなハハハ・・・」

ケビン「なんか言えよ!」

セレナ「ちょっとケビン言い過ぎじゃない?」

ケビン「なんだお前こいつのお守りか?」

セレナ「そんなんじゃないけど...」

ケビン「口出しすんなよ!」

ケビン「お前次は俺が操縦士やるから任せとけハハハ」

セレナ「ジニーあんなやつ気にしない方がいいよ!」

ジニー「いいんだ僕が下手だっただけだし」

セレナ「なにいってんのよ...」

セレナ「ジニー....あんまり考えすぎないでね...」

少しするとトムがスコアの提出を終え、教室に帰ってきた

トム「ジニー!今日はツいてなかったな、また次があるから気持ち切り替えてこうぜ

どうした?ジニー」

セレナ「さっきケビンが来てジニーが操縦士下手だから次は俺がやる!って言ってたわほんと嫌なやつよね。」

トム「え?まじか来週のシュミレーションは絶対にアイツにやらせない様にしような!ジニー?大丈夫だって」

ジニー「うん.....」


(一週間後)

トム「ジニー今日は二回目のシュミレーションだな!」

ジニー「そうだね」

トム「お前まだこの前のことを気にしてるのか?あれはお前だけのせいじゃねーよ!」

ジニー「ありがとトム。そうだねこの前の反省を生かして今日は頑張るよ!」

トム「おう!」

学校につくとケビンが話しかけてきた

ケビン「よう!ジニー」

ジニー「お、おはよう」

トム「おいケビン今日は別のチームに行ってくれ」

ケビン「は?なんだトム」

トム「お前先週ジニーに次は俺がやるって言ったそうだな。」

ケビン「何言ってんだトム教官に聞いたら一度決めたチームは来月にならないと変更できないそうだ。残念だったな」

トム「でも今日はお前に操縦をやらせるわけにはいかない!」

ジニー「いいよトムそんなにやりたいならやらせてやろうよ」

トム「なんだよジニー、お前あんなに操縦について勉強してたじゃん」

ジニー「いいんだ」

トム「ジニーが言うならそうしてやってもいいが変なことしたら許さないからな」

ケビン「ああわかったよハハハ」


教官「今日は第二回目の操縦シュミレーションだ!皆気を引き締めて取り組むように」

生徒「はい!」

教官「Aグループ!部屋に入れ!」

ケビン「今日は俺に任せろ!ジニーみたいなヘマはしないからな」

トム「そんな言い方ないだろ!」

ケビン「事実だろ?今回は俺が成功させてやる。足引っ張るなよ」

トム「なんだあいつ、嫌なやつ」

コール「始めるよ!」

ケビン「ああ早くしろ!」

AI「Aグループのシミュレーションを開始します。

  各員座席について飛行準備をしてください。

  水平垂直尾翼ともに正常!

  エンジン問題なし

  飛行システムオンライン」

ケビン「俺は操縦のプロだからな。任せとけ」

トム「ケビン黙って集中しろ!」

ケビン「ちっ、ついた。飛ばすぞ。」

コール「エンジン点火!加速しろ。」

ケビン「了解!」

(凄まじい音が鳴り響く)

AI「離陸速度に到達!」

ケビン「あげるぞ!」

時速794km

高度3万2500ft

ケビン「俺の完璧な操縦を見とけ。ここだっ!」

AI「目標高度に到達

  速度安定

  高度速度共に安定

  自動操縦に切り替えます」

ケビン「ふう。どうだジニー俺の腕前は」

ジニー「すごいね」

ケビン「だろ?」

トム「嫌味なやつ」

シュミレーションは無事終わった

ケビン「今日のスコアは80点まあまあだな。ジニー今月のあと一回も俺がやるからな!」

ジニー「うん」


(次のシュミレーションも順調に進んだ)

翌月からメンバーが変更可能になるので、新しいメンバーに変更しようと考えた

トム「ジニー!セレナはどうだ?」

ジニー「うん!いいね」

トム「コールはいい?」

コール「うん!」

ジニー「誘ってくる!セレナうちのチームの航空機関士がたりてないんだケビンの代わりに入ってくれないか?」

セレナ「もちろん!ジニーありがとう!いま入るところなくて探してたの!」

ジニー「ほんとに?良かった〜!なら決まりだね!」

じゃあ今度のシュミレーションがんばろう!

教官「さて、第三回目の操縦シュミレーションを行う。皆気を引き締めて取り組むように」

生徒「はい!」

教官「それではAチームから始めていけ!」

ジニー「よろしくセレナ」

セレナ「うん!」

AI「Aグループのシミュレーションを開始します。

  各員座席について飛行準備をしてください。」

ジニー「ふう。みんな!準備はいい?」

みんな「ああ!」

AI「水平垂直尾翼ともに正常!

  エンジン問題なし

  飛行システムオンライン」

トム「滑走路を慎重に走るんだ」

ジニー「わかった。いくよみんな!」

トム「緊張してんのか?」

ジニー「トム心配すんな大丈夫だよ!」

セレナ「ジニー頑張って!」

ジニー「行くよ!」

コール「エンジン点火!加速!」

ジニー「了解!」

(凄まじい音が鳴り響く)

AI「離陸速度に到達!離陸速度に到達!」

トム「機首をひけ!」

時速530km

高度7500ft

セレナ「ジニーもう少しよ!」

速度700km

高度3万m

セレナ「3万3000ftまで上昇したら水平飛行よ!」

時速780km

高度3万2900ft

ジニー「うおお」

AI「目標高度に到達

  速度安定

  高度速度共に安定

  自動操縦に切り替えます」

ジニー「ふう」

トム「やったなジニー!!!」

ジニー「ああ!」

コール「おめでとう!」

ジニー「ああトムそれにセレナ、コールほんとのありがとう!」

トム「ああ」

セレナ「いいのよ!」

コール「僕はやれることをやっただけだよ...」

ジニー「本当にありがとう!」

教室に戻ってもまだジニーは嬉しさを抑えられなかった

それからもジニーはトムやセレナ、コールと一緒に訓練を重ね、あっとゆうまに日々は過ぎていった。

そして専門部卒業の日。

ジニーはやっと父のようになれると胸を高鳴らせていた。

今日でやっとシュミレーションからより実践型の操縦に写ってゆく

ついに本物を操縦できるのだ。


「これより代120期生専門部卒業式をとり行います。」

ながいながい話が終わり、生徒たちが呼ばれ始めた

次々と段へ上がり校長から認可証を受け取る

ついに僕の番だ

嬉しさと切なさが込み上げてくる

ついに今日専門部卒業なんだ

認可証を受け取り、段を降りると涙がこぼれ落ちた...

トム「ジニー泣いてんのか?」

ジニー「泣いてねぇよ!ふっハハハ」

トム「ハハハ」

時間はあっとゆうまに過ぎ

卒業式が終わった

今日からパイロットとして一歩ずつ進んでいくんだ。


少し日々が過ぎた頃

今日は珍しく父さんが帰ってきた

僕の専門部卒業を楽しみにしていたらしい

ジニー「久々に父さんに会えて嬉しいよ!」

父さん「ああ父さんもだ!ジニーまた大きくなったか?」

ジニー「そうかなー」

父さん「体が一回り大きくなった気がするな!それよりジニー、専門部卒業おめでとう!!」

ジニー「ああ父さんありがとう。これで僕も父さんみたいなパイロットになるよ!うれしいな!」

父さん「明日からパイロットの実技だろ?」

ジニー「うん!」

父さん「頑張れよ!コツはとにかく冷静でいることだ!冷静に慎重に機首を引くんだ」

ジニー「ああわかってるよ!父さんにいっつも言われてるじゃない」

父さん「ハハハそうだな。さあ明日早いんだろ?もう寝なさい」

ジニー「うん!おやすみ父さん」

父さん「ああおやすみジニー」


ジニー「おはようお母さん!おはようおばあちゃん!」

お母さん「今日は操縦テストでしょ!ジニーももうパイロットならしっかりしなさい!」

ジニー「うん〜」

お母さん「どうしたの?浮かない顔して、あんなに楽しみにしてたじゃない」

ジニー「昨日はあんまり眠れなかったんだ」

お母さん「初めての実践だから不安があると思うけど、そこで頑張れる人が一流のパイロットになれるのよ!」

ジニー「そうだね!僕頑張るよ!」

お母さん「早くいってらっしゃい!」

ジニー「うん!」


ジニー「トムおはよう!」

トム「おう!お前また緊張してる?」

ジニー「してないよ!」

トム「うそつけ」

ハハハ

ハハハ

学校へ着いた

今日は初めての実践訓練だからみんな活気付いてるようだ

僕も内心すごく楽しみであり不安だ

少しすると教官がきて話始めた

「今日はお前らの初めての実践訓練だこの6年間お前らが積み上げてきたことを生かし最高のパフォーマンスをしてくれ!」

「はい!」

「それではシュミレーション同様チームを組んでもらう。」

ジニー「トム、コール、セレナまた頑張ろうね!」

セレナ「もちろん!」

コール「うん…」

トム「楽しみだな!」

「それでは準備が出来次第滑走路で待っておくように」

滑走路へ行くと数々の航空機が並んでいた

みんな初めて近くで見る本物に興奮していた

「それでは!第一回パイロット航空試験実践を開始する。みなこれまで培った事を全て引き出して行うように」

「はい!」

「これまでこの機体のついては隅々まで解説してきた

地上からの無線誘導はするが機体の説明は不要だろう

それではAグループから機体に乗り各種操作をこなし、飛び立ってくれ!」

ジニー「みんないよいよだね、よろしく頼むよ!」

「ああ!」

トム「ジニー頑張ろう!」

コールは初めて乗る機体にすごく興奮していた

ジニー「みんな!準備はいい?」

「ああ!」

AI「水平垂直尾翼ともに正常!

    エンジン問題なし

    飛行システムオンライン」

ジニー「行くよ!

    エンジン点火!加速しろ。」

コール「了解!」

(凄まじい音が鳴り響く)

AI「離陸速度に到達!離陸速度に到達!」

ジニー「機首をひけ!」

トム「了解!」

時速530km

高度7500ft

セレナ「ジニーもう少しよ!」

速度700km

高度3万m

セレナ「ジニー3万3000ftまで上昇したら水平飛行よ!」

時速780km

高度3万2900ft

「うおお」

AI「大気圏突入

  目標高度に到達

  速度安定

  高度速度共に安定

  自動操縦に切り替えます」

トム「ジニー本番でも上出来だな」

ジニー「日々シュミレーションを繰り返してたからね同じだよ!」

トム「そうか?」


a:Aグループ!正面からデブリが来てるぞ!今すぐ避けろ!

a:Aグループ!!応答しろAグループ!!

b:どうしたんだ!!!

a太陽風の影響で衛星の回線が切れて船Aグループと通信ができません!!!

b:使える衛星は一個もないのか?

a:現在確認していますが見つかりません!

b:他に手はない!引き続き応答するまで交信しろ!

a:はい!


ジニー「そう言えばもうそろそろ定期連絡の時間じゃないか?」

トム「そうだな。よし通信室に行くぞ。」

ジニー「ああ」

トム「そう言えばこの廊下滑りやすくないか?」

ジニー「そうか?お前がドジなだけだと思うな」

トム「はあ?お前この前こけてたじゃないか!」

ジニー「見てたのかよ!あれはな…」

二人が雑談しながら通信室に向かっていると急にアラートが鳴り出した。

アラート:障害物。障害物。衝突コースです。直ちに機首をあげてください。

ジニー「なんだって?!どうしてこんな接近するまで気づかなかったんだ?!」

トム「今はそんなこといい!早く行くぞ!」

二人はコックピットに向かった。

ジニー「くそっ!間に合わない」

トム「間に合わせるんだ!

   機首だ!機首を引け!」

ジニー「あぁ!!!」

トム「もっとだ!!!」

ジニー「わかってる!」

トム「やばい!」

ジニー「くそっ!」

凄まじい衝撃が船内に響き渡った。

ジニー「トム!起きろトム……トム!」

トム「あ…ジニー大丈夫か…?」

ジニー「あぁ。トムこそ大丈夫か?」

トム「大丈夫だ。」

ジニー「なら早速被害状況を確認して船内アナウンスだ」

トム「あぁ…」

トム「このままじゃあ軌道から大きく外れて永遠の宇宙旅行だな。」

ジニー「だな。トムは船内アナウンスで総員退去命令を出せ。」

俺はここで通信司令本部に連絡する。

トム「わかった。そういえば本部はなんでデブリの接近を報告してくれなかったんだ?」

ジニー「理由はわからないがなんらかの理由でこちらと通信不可になりデブリの接近を伝えることができなかったんだろう。早く操縦室へ!いこう!」

アラート:障害物。障害物。衝突コースです。直ちに機首をあげてください。

トム「まずい第二波だ!」

無線:みんな!直ちに脱出ポットに向かえ!デブリ第二波がもうすぐ来るぞ!

ジニー「早く行こう!ここだ!」

嘘だろ

ジニー「酸素生成装置がない!デブリがぶつかった衝撃で外れたんだ!」

トム「ジニー!俺は倉庫から酸素生成装置をとってくるから先に乗っててくれ!」

ジニー「だめだトム!戻れ!」

セレナ「ジニートムを信じましょ!」

ジニー「くそっ」

アラート:障害物。障害物。衝突コースです。直ちに機首をあげてください。

アラート:障害物。障害物。衝突コースです。直ちに機首をあげてください。

二度目の衝撃が襲ってきた。

すごい音だった

衝突の衝撃で脱出ポットは宇宙へ投げ出され機体と離れた

ジニー「コール!機体を安定させて」

機体はバラバラに砕け散り、エンジンに衝突したのか

機体は爆発した。

僕たちは窓から見てるかなかった....

ジニー「トムー!!!」

セレナ「うそでしょ」

ジニー「くっそ」

無線:Aグループ!聞こえているか!

ジミー「あっはい!こちらAグループ機体がデブリに衝突しトム・マリアーノが置き                    去りとなりました!直ちに救援を!」

無線:ジニーよく聞け 

   デブリの衝突で機体はバラバラだ、万が一衝突で死んでいなくても

   宇宙空間に放り出されて生身で生きられる奴はいない....

ジニー「そんな...」

無線:すまないがジニー、救援はできない。

ジニー「そんな...」

セレナ「トム...」

無線:酸素生成装置がないんだろう、時間がない、今から救助するので場所を!

X2015万Z4533万Y12000万です

無線:そんなに遠い所まで飛ばされたのか

無線:時間がない直ちに救助チームを向かわせる!気をしっかりもて

ジニー「はい・・・」

コール「ねぇジニー、トムは最後倉庫に酸素生成装置を取りに行ったよね」

ジニー「それがどうしたってんだよ」

コール「確か倉庫は特殊な作りで、万が一の時のシェルター代わりになるんだ。だからすごい頑丈な作りになってるんだ。もし倉庫がデブリの衝突で無事だったらトムが生きてる可能性は?」

ジニー「それだ!」

ジニー「教官!もしかしたら機体の破片の中に倉庫が無事で浮遊しているかもしれません!トムは最後倉庫に向かったんです!」

無線:了解だ!直ちにそちらに確認へ向かわせる!

   まずは君たちだ!猶予は残り少ない!

    少し時間が掛かるかもしれないがすぐ助けに行くからな!

ジニー「了解です!」


ジニー「トム....」

セレナ「トムは頭がいいから生きてる!」

ジニー「トムはきっと生きてるよな」

コール「ああきっと...」

あれ

無線:ジニー・ロビンソン機体を発見した直ちに救助に向かう!

ジニー「了解です.....」

あれから何分経っただろうか、だんだんみんなの緊張が高まってくる

ジニー「コール、救助チームはあとどれくらいでくるかな・・・」

コール「多分救助チームが出動してから10分ぐらい経ってるから

救助艦の速さなら多分30分ぐらいだと思う」

ジニー「そうか…酸素は持ちそうか?」

コール「僕の予想が大体合ってたらギリギリだと思う」

ジニー「みんな!呼吸を浅くして出来るだけ酸素の消費を抑えるんだ!」

コール「そうしよう」

ジニー「セレナ、大丈夫?少し水を飲むんだ」

セレナ「ええありがとう、大丈夫よ、少し不安なだけ」

ジニー「そう…、もう少しの辛抱だがんばれ」

セレナ「ありがとう」

コール「あれ見てみろよ!あの光ってるの救助艦じゃないか?」

ジニー「嘘だろ?きたのか!」

セレナ「ほんと?」

ジニー「んーあれはほんとに救助艦か?コールあれはただの星だ」

コール「違うって!」

ジニー「いいから喋るな!酸素の無駄だ」

無線:Aグループ応答せよAグループ応答せよ

ジニー「嘘だろ?きたのか!本当だ!」

コール「ね?言ったでしょ!」

ジニー「ああお前は天才だ!」

コール「どうゆうことだよ、ハハハ」

セレナ「やっと来たいのね!」

ジニー「ああ」

無線:Aグループ応答せよ!

ジニー「はい!こちらAグループ、ジニー・ロビンソンです!」

無線:よく頑張ったな。救助艦とのドッキングを開始する。

救助チーム「Aグループ!乗り込め!」

ジニー「了解です!みんな行こう」

みんなが乗り込む

ジニー「トムはどうなったんですか?」

救助チーム「数分前に機体の破片から倉庫らしき物体があると報告を受けた。

      トムはきっと無事だ」

ジニー「本当ですか!よかった....

運送艦へ着くと、ジニーがトムの救助チームへ無線を入れる

無線:Aグループ、ジニー・ロビンソンです!トムの救助はどうなってますか?

無線:ジニー?

無線:え?と、トム?

無線:ああそうだよ、どうしたんだ?

無線:どうしたんだじゃねーよ!生きてたのか!大丈夫か?

無線:大丈夫だよ

無線:心配させやがって

無線:今そっち向かってるから心配すんな!

しばらくするとトムが救助チームに連れられ戻ってきら

ジニー「トムぅ、心配したんだぞ!」

トムが涙目で近寄ってくることに衝撃を受けたがトムも同じ気持ちだった

トム「なんだよ、そんなに心配してたのか?」

ジニー「当たり前だろ!」

トム「さあもう疲れたし地球に帰ろう!」

ジニー「ほんとだよ。」

(救助チームに連れられ地球に到着)

教官「ジニー・ロビンソン、トムマリアーノ今回はこちらの責任だ本当に申し訳ない。」

だがこのような死線をくぐり向けた君達は素晴らしいパイロットになれる

「帰還おめでとう」

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短編集〜Short story~ @waiyouyour5647

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