Future is Fate

@Sin31415

第1話

「現在人類が地球外に持っていった資源、その質量の総量わかるか」

 いつぞやにやった授業の復習の確認とでも言いたげな感じで聞いてきた。

「最低でも月の半分に相当する量だっけ、じいちゃん」

「相変わらず記憶能力いいな、全く羨ましいよ」

「80年前に発見されたff粒子。

 それを発展実用化し人類を安価で確実に宇宙に行く方法を生み出した。そんな近代科学の天才集団、そのトップである人にそう読んでもらえると嬉しいよ(笑)」

「全く、実の孫にそんな褒められ方するとはなあ。

 それにトップの立場はお前さんが生まれてすぐに引退したと言ってるだろ」

「今は孫のおもり専門かな」

「仕方ないじゃろ。

 お前さんが生後まもなく天才的な素質を見せびらかしてきたんじゃから」

「俺はそこまで頭良くないよ。

 まあ、その割に色んな人たちが、あれ手伝え、これ手伝えって全く酷いもんだよ。

 てかさあ、普通俺の歳って学校に通うもんだよな」

「世界で五本の指に入るとされる最高難題の大学入試を五歳で全て満点取られたら、そうせざるおえないだろうに」

「じゃあ大学に通わせるもが筋ってもんだろ。

(てかなんで受けさせたんだよ、何がさせたかったんだよ)」

「そんなに通いたいなら通わせてやるぞ。

 有無を言わさずお前は実験のモルモットにされるか、はたまたいろいろな事をやらされてこね回されるだろうが。(わしの孫のIQとか記憶能力とかってどんなものか、興味があったんだもん)」

「それは流石に勘弁だなあ」

「実際、昔の部下経由で根まわししなきゃそうなってたんだぞ」

「それは素直にありがとう」

 じいちゃんは軽く照れたような仕草をした。

「それよりお前さんは最近両親に合ってるのか」

「同居してるんだから知ってるでしょ。

 俺がいつ出かけたかなんて。

 それに二人とも研究で忙しいんだから」

「だけれども二人の研究所があるのは、この衛星くり抜いて作った家のすぐ隣のコロニーなんだから行こうと思えばいつでもいけるだろ、それにお前さん研究の手伝いや買い物でたまに衛生出るだろ、その時帰りの寄り道くらいの軽い感覚で行けばいいのに」

 確か二人が住んでいるコロニーはここからでも全体が裸眼でくっきり形が見えるほど近い。

 しかし…

「俺が行ったら情報漏洩だのなんだのやかましい護衛と、研究熱心な両親がいるんだぜ。

 とても行く気にはならないね(あの二人が俺の顔を見たいとは思えないし)」

「はああ、親子揃って薄情なんだからなあ。

 誰に似たんだか」

 じいちゃんは肩をすかして息を大きく吐いた、それはもうこの家の酸素量に影響が出てしまいそうなほどに。

 

 人類を変えた人の子、人の形をするもの


「まあいい、お前さんにそろそろ勉強の実践をしてもらうか」

「実践ってなんのことだよ」

「お前さんが今学んでいる分野の中でも二番目にお前さんに素質がある機械工学だよ」

「まさか俺に重力外活動しろって言うのかよ」

「安心しろ、生身ではなく宇宙作業用モービルでだからな」

「いくらモービルのシステムのプログラムが得意だからって乗ったことはないんだがてか機械工学あんまり好きじゃないし」

「安心しろただの定期整備だそこまでめんどくさい作業じゃないぞ。

 それに仕方ないだろ、ここはもともと小型の衛生だったものを改造して居住してるんだから、デブリ迎撃用の固定砲の整備は必要不可欠なんだ」

「ちゃんと横についてくれるんだよな、流石になあ」

「わしは居住ブロックからバックアップのみだよ」

 人使いの荒さに驚愕しつつ俺は移動用レバーを握った。(最初の一歩を踏み込んだのは背中を押されたからな気がするがきっと気のせいだろう、てかそうだと信じたいなあ)

 移動しながらパイロットスーツに着替えるが、なんというか締め付けが強い(正直言って気分が悪いてか不快な気分になった)、それに作業用機のやつのせいだろうが色合いがあまりにも地味すぎてたまらなく辛い主に年頃の感性が。

 だがそんな気分でもかなりちゃんと移動できるのは優秀過ぎると言いたくなってしまう。

 言われたとうりのブロックに作業用の旧世代機が雑に固定されていた。

 頭部の形状から見て2から30年前のガラクタだと思わされる。

 しかしマニュピレータなどのパーツは最新型の量産タイプの規格に無理やり改造して合わせてるようにも見える。

「じいちゃん、これどういったリアクター使用してるの」

「そいつは通常の量産型のカビくさいリアクターを使ってる。

 なんだがメインケーブルなんかの都合で最新世代の五十%が限度だ。

 リアクター的にはもう少しいけるし、少しパーツに無茶させれば一時的にはどうにかなるんだがな」

 明らかに買い変えると言う発想がないらしい。

 やれやれと思いつつ、俺は胸部の中心から突き出したコックピットの中に入った。

 コックピットは基本的に教科書通りのものと言える。

 左右にレバーが2本ずつとその手前にボタンが大量、モニターは正面に大きなのが一つとタブレット端末の画面くらいの大きさのモニターが右上と左上についていた。

 後、正面のパネルは開閉しそうな見た目なのは確か、作業用機用のカスタムパーツで精密作業用に作られた手袋が出てきたはずだ。

 確かその手袋の動きと対応させたパーツが連動するようにできていたはず。

「とりあえず、下のカタパルトデッキにモーツの足を普段使うコロニー間移動用の車両同様に接続してくれればいい。

 そうしてくれたらこちらから外に移動させてしまうから」

 先ほどまで建物内のスピーカーから聞こえていた声がパイロットスーツの内部スピーカーに切り替わった。

 俺は内側の方のレバーを優しくしく奥にたおした。

「うわああ」

 機体のあちこちが格納庫の中にぶつかってしまった。

「落ち着け、右上に幾つかのボタンがあるその中でランプがついているものを全部消せ」

 言われるがままに俺はそうした。

 すると機体は垂直に下に動くようになった。

「そのままこちらで微調整するからゆっくりレバーから手を離せよ」

 ガチャンとゆう大きな音と共に機体が大きく揺れた。

 どうやらカタパルトデッキに接続できたようだ。

 カタパルトはそのままゆっくりと前進していつも通り全面が閉ざせれた扉の空間に入った後、後方の扉がゆっくりと降りていった。

「ちゃんとヘルメットつけろよ、車両と違ってこいつは機体の中にそこまでの量空気入れないんだからなあ」

 あいにくこの世界はまだ空気などの物質は無限資源ではない。

 超高時間の移動で木星などから気体を採取してそれを生成しなんとか宇宙に出るための空気を確保しておるがお気づきの通りコスパが極めて悪い。

 人類は、今はまだそこまで危機感を持っていないが後50年もすれば気づくであろうだそうだ、じいちゃんはよくそんなことを言っている。

 このシステムもあまり他のコロニー採用されている話を聞かない限りコスパが悪いのだろう。

「よし」

 掛け声と共に、目の前の扉の上が外れてカタパルトデッキの一部となった。

「今回は練習だし、そこまでカタパルトから離れた場所の点検は行わないから」

 そう言いながら右上の小さなモニターにマップが転送されてきた。

 俺はゆっくりとレバーを倒して固定砲台に覆い被さるようにした。

「大砲のすぐ横に持ちてがあるだろそこにアンカーを引っ掛ければ流されずに済むぞ」

 俺は右のレバーの左のつぼみのようなのを親指で回した、正面モニターの左下にアンカーと表示したところでつぼみの中心のボタンをおした。

 そうするとメインカメラでもある正面モニターの中心に照準が現れた。

 俺は慎重に照準を合わせてアンカーを放った。

 するとアンカーは行き良いよく飛び出てしまい機体が吹き飛ばせれてしまった。

「アンカーは手で持って引っ掛けるだけで十分だからな。

 って教えるの忘れてたすまん」

 遠距離操作でアンカーのワイヤーはゆっくりと巻き取られ再び機体は大砲を覆い被さるようにな体制となった。

「ではまずマニュピレータの指を大砲の隣に差し込め」

 言われたと通りに右マニュピレータの指を差し込むと先ほどマップが表示されたモニターの反対のモニターに大砲の設計図が出てきて中心に赤い点を一つ表示した。

「どうやら中央に要目視点検の場所があるようだ、ちょっと待っとれ今遠距離操作で大砲を開けるから」

 そう言うと一時的に通信が途絶えその間に大砲の砲塔の少し上あたりが横に開いた。

「よし、これで中の整備ができるな。

 今度開いたハッチに左マニュピレータの中指を差し込んでくれ」

 言われたとうりにすると正面のパネルが開いて手袋が出てきた。

 それと同時に指の先がふたつに分かれたらしくメインモニターが指先のカメラに切り替わった。

「あとはこの前やったシュミレーションと同じ操作だからな、ちょっと待ってろ俺がこっちから異常がないか確認しちゃうから」

 そのあとはシュミレーターと同じように異常がどこかとかをじいちゃんがピックアップしてくれたからそこを直すだけとなった。

「はー、疲れた」

「まだ作業が終わっただけのなんだから気を抜くな。

 いくらローカルのケーブル繋いでるからって何があるか分からんぞ」

「ごめん」

 かなり倦怠感強目の声で俺は返した。

 まあなんの事故もなく俺の機体の足はカタパルトデッキの延長上に行った。

「次出やすいようにするために機体をデッキにドッキングさせておいてくれ」

 面倒だったが、俺は機体のスラスターで機体をゆっくりと回転させた。

 180度回転させたところで二人が住んでいるコロニーが目に入ってきた。

 あこ二人は確かにあそこで住んでる、しかし俺は………

 少しノイローゼ気味に眺めているとコロニーの少し横で何かが光っっているように見えた。

 それは虚空の宇宙の中で輝く星たちとは一線を隠す。

 本質は明らかに違うものの光だった。

 俺は機体のカメラでその光を追った。

 最高画質で拡大位するとそれは

「えっ」

 俺の驚きの声で気づいたのかじいちゃんの不安そうな声が聞こえてきた。

「急になっ、何が見えたんだい。

 はっ、これは」

 じいちゃんもすぐに事態を察知したらしく、急いで俺ごと機体を慌てて仕舞わせた。

 じいちゃんは格納庫まで降りていた。

 俺が機体から降りた瞬間に機体のマニュピレータなどを慌ただしく換装し始めた。

 

 会いたくないもの忘れられるべきもの

 

「じいちゃん、あれってまさか……だよね」

「あれは間違いなく軍事用のモービルだ。

 超高画質カメラで見たから、まず間違いはない」

「なんでこんなところにあんな機体があるんだよ、それも俺のところからだけでも3機で隊列を組んでた」

 あれは確実に軍事演習だとかにしてはおかしすぎる。

 自慢じゃないが俺は今までに数多くの研究所の研究室に研究の手伝いに行ってきた。

 その中には電子工学や機械工学の研究所もいくつかあった。

 だかろこそわかる、あの形状のスラスターは決して作業用のものではない。

 しかしもっと変なのは何故コロニーが気づかない。

 迎撃などを取るそぶりもない。

 あれは条約違反のコロニーの違法研究事例、なんて言う信じたくもないものなのだろうか。

「じいちゃん、粒子遠距離測定できるかなあ」

「待っとれ、今やってやるから」

 嫌な予感は的中した。

 あの機体は超光学迷彩だ、粒子の流れを調整して光の反射はおろか振動と言ったものを全て消し去ってしまう。

 といっても弱点が専用のパーツが向いている方角にしか機能しない点だろう。

(かなりの量の粒子を求められるので活動時間が極めて短くなる)

「じいちゃん、いそうでコロニーに通信をあれはとんでもない奴らかもしれない」

 そうじいちゃんに頼んだ、頼もうとしたのだがあまりの焦りに滑舌が回らない。

 次の瞬間奴らはバズーカを取り出しコロニーに向かって放った。

 コロニー、その巨体に対するものを外すわけもなく。

 3点全く違うところに着弾した。

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