第55話 レベルアップ!

 あれから何体倒しただろうか?

 途中で破壊した壁の破片を拾いつつ、次々に現れるデーモンを屠っていく。

 もはや考えることすら放棄して、ひたすら投げる投げる投げる投げる投げる投げる………………。


【レベルが51にアップしました。各ステータスにボーナスが発生します…】


 キタキタキタキタきたーーーーっ!

 一ヶ月ぶりのレベルアップ。

 いや、むしろ初めてのレベルアップだ。


 なんかちゃんと戦ってレベル上がると嬉しいもんだな。いやー、いいね。


「じゃあ、早速『ステータス』」


川西 龍真(かわにし りゅうま)

36歳 男 用務員、迷宮管理人

レベル:51

HP2550/2550 MP2550/2550

力:2550

魔力:2550

体力:2550

知力:2550

敏捷:2550

技量:2550

運:2550

スキル:『平均アベレージ』、『50フィフティ』、『解体術』、『熱耐性』、『魔法特殊耐性』

称号:『ダンジョンマスター』、『デーモンキラー』


 あー、レベル時のボーナス効果は持続しているんだな。これはずっと50で固定になっているのか?

 何回かレベルを上げれば、分かりもするか。


 さて、これでレベル50迄の経験を積んだわけだから、これからは楽にレベル上がるだろう。

 相手になる魔物のレベルも上がっていくだろうけど、自分も強くなっているなら問題ないだろう。

 さぁ、サクサク上げていくぞ! 


「レベルアップおめでとうございます、マスター。これで普通にレベルが上がるようになりましたね。

 なお、次のレベルに上がるにはデーモンでいうと500体程になります」


 お、おう……。まだまだ道のりは長そうだな。


 お昼になったので、タニアに全員を集めてもらった。全員、戦い詰めだったのか汗だくになっている。

 俺は最下層で戦っていたが、ほかの人たちは一つ上の地下六階層でレベル上げしていたみたいだ。


 そしての全員レベルが上がっていたよ。


 ミィヤ28→31レベル

 明日香42→43レベル

 鈴香45→47レベル

 星香45→46レベル

 瞳月42→43レベル

 

 こうやって見ると、ミィヤがかなり伸びがいいな。案外センスがいいのかも。

 もう守られるだけのお嬢様ではないようだ。


 鈴香も戦闘慣れしているおかげで、順調にレベルを上げていた。

 明日香はまだ一人での戦いには慣れてないので、これからに期待だな。


 星香と瞳月はMP管理に苦労していた割にはレベルが上がったようで良かった。

 今までのストックがある分、上がりやすいのはあってのだろうけどね。

 

 さて、お昼ご飯は地下六階の森林ゾーンで食べよう。一番空気が良いしね。

 タニアの能力でダンジョンを色々改造出来るとはいえ、家などの建造物を創りだすのは難しいみたいだ。

 その代わりに、なんと温泉を沸かしてくれた。


 全員、汗だくなのでみんな喜んでいたよ。

 俺以外に男はいないとはいえ、ミィヤ以外は見られるのは困るだろうから先に女子四人に入ってもらった。

 ミィヤが俺と一緒に入りたがっていたので、俺と一緒にご飯の用意を手伝ってもらうことにした。


「リューマ、野菜を刻み終わったよ」


「ありがとう、じゃあそこの鍋に入れてくれ」


 鍋に湯を沸かして、そこに刻んだ野菜と残してあったオーク肉を突っ込む。

 そこにフライパンで小麦粉とバターで作ったホワイトクリームを入れてホワイトシチューの完成だ。

 火で温め直したパンをいれて、チーズをかければパンドリアの完成だ。


 うん、見ただけでお腹が鳴るな。

 丁度、出来上がった頃に四人が戻ってきた。


「うあああっ! いい匂いがする!!」


「鈴香、ちゃんと服きてー!」


 用意しておいたタオルで頭を拭きつつ、上半身にタンクトップだけ着てやって来た鈴香。下はちゃんとスカート履いてるけど、ちょっと露出しすぎじゃないか?

 良く発達した胸に目がいきそうになり、目のやり場に困る。


「えー、オッチャンしかいないからヘーキヘーキ!

 見られても減るもんじゃないし」


 いや、俺も男なんだよ鈴香。少しは遠慮して欲しいぞっ。それにだ。


「いや、お前はいいかもしれないが俺のライフが減る可能性が……」


 何かに勘づいた明日香が、頭の上から上着を着せる。うん、グッジョブだ明日香!


「リューマ?」


「ん、なんだミィヤ」


「余所見はしちゃダメ」


 ごふっっ、遅かったか!?

 ミィヤさん、いい加減肘鉄はやめて!

 ステータスに関係なく痛いよ!


「あらま」


「ふふ、相変わらずですね、川西さん達は」


 風呂上がりでしっとりと濡れた髪を乾かしつつ、現れた二人。まだ高校生なのに妙に色気を感じるんだよな。

 やっぱり大和撫子言われるだけはあるな、二人とも美人だし。


「ははは……。これ以上被害を被る前に俺も温泉入ってくるわ。先に食べててくれ」


「ん、二人で行く」


「はーい、行ってらっしゃーい」


 鈴香に元気よく見送られ、俺達も温泉に入るのだった。

 流石に近くに女子四人がいるのでイチャつくことはなかったけど、ぴったりミィヤが俺にくっついて離れなかったのは言うまでもない。


 何故かタニアも一緒に入っていたのだが、聞いたら負けな気がしてスルーしておいた。

 んーー、意味あるのか?

 女性の形をしているから、身だしなみに気をつけているのかもしれないな。全身クリスタルで造られているけど。


「腹減ったな、昼ごはん食べよう」


「ミィヤもペコペコだよ」


 食べ終わってくつろいでいた星香が俺らの分を取り分けてくれる。意外と手際がいいな。

 温泉に入ったおかげで、よりお腹がすいてより美味しく感じる。

 なんか、こうしているとキャンプしている気分だな。


 自由に出入り出来るし、ここにログハウスとか建てて別荘にするのもありだな。

 緑は多いし、水もダンジョン内なのに湧いている。しかも温泉もある。

 なんか贅沢に過ごせそうだな。


「タニア、ダンジョンに家建てたら駄目か?」


「問題無いです、マスター。日は射さないのですがここなら天井に発光するクリスタルがあるので明るいですし、植物だけではなく動物も生活出来るはずです」


「なるほど、隠れ家にはもってこいだな」


 魔王には目をつけられたが、向こうからは来ないみたいだし大丈夫なはず。

 どっちかというと、マリウスの方がやばい。


 あいつに追われることになったら、ダンジョンに逃げ込むことに決めた。


 そもそも、しばらくダンジョンでレベル上げするなら掘っ建て小屋でもいいから、家はあった方がいいな。

 幸いな事に木材は沢山ある。

 しかし、釘やら工具がないな。


「タニア、家を建てるための工具は創れるか?」


「そういう加工は出来ませんマスター。

 あくまでダンジョンの構造を変えるの能力ですので」


「だよなー」


「何、オッチャン。今度は家建てるの?」


「お、なんか持ってるのか?」


「流石に持ってないや。でもさ、シドンのオッチャンに作って貰えばいいんじゃない?」


「なるほどな!それくらいなら、やってくれそうだな」


 そして俺は休憩小屋を作る計画を立てるのだった。

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