第47話 イデアの素顔
超高級ホテルの豪華な夜を満喫する愛羽たちだったがそこへイデアが現れた。
『あれ?』
しかしさっきまでとは違い着物姿ではなく、タンクトップに短パンというかなりラフな格好だった。
綺麗に結われていた髪もほどかれ無造作にしており先程とは全然イメージが違っている。
『オシゴトオワッタカラアイニキタヨ。モリアガッテル?シャンパンモッテキタカラミンナデノミナオソーヨ』
イデアはみんなのグラスにシャンパンを注いでいくと自分はまた別のシャンパンのビンをそのまま手に持ち勝手に声をあげた。
『カンパーイ!』
キャバクラやホストクラブで何10万、何100万とするそのシャンパンのビンをイデアはスポーツ後の水分補給でもするように一気に飲み干し、また新しいシャンパンを開け次は一口飲んでテーブルに置いた。体も飲み方もかなりワイルドだ。
『ミンナプールイッタ~?』
『プール?』
6人は首を振った。
『OK!ジャアプールイコーヨ!』
イデアは愛羽の手を引っ張り、みんなについてくるように手でジェスチャーしサンダルをすらして音を鳴らしながら足早に歩いていく。
そのままついていくとかなり広いプールサイドに出た。波が打ち寄せるプールがあれば、水が流れるプールやウォータースライダーまであり全てのプールの中がイルミネーションのように光を放っていて水の色が次々に変わっていく。
『うわぁ~、めちゃくちゃ綺麗。何これ』
『素敵…日本じゃないみたい』
『神聖な感じがするよね』
みんながプールのイルミネーションに感動しているとイデアがニコニコしながら近づいてきた。
『ah~、ミンナオヨゲマスカ?』
『え?泳げるけど、あたしたち今日水着持ってきてないですよ』
『oh~!ソンナモノイラナイヨ~!』
真顔で答えた愛羽から順に次々にみんなを笑いながら突き落としていく。そして最後には自分も服を着たまま飛び込んできた。
『フ~♪キモチイイネ~!サイコーダヨ』
よほど楽しいのか子供のような顔で笑っている。いたずらで無邪気。そんな言葉がピッタリ合う位1番はしゃいでいる。
愛羽はこの時初めてこのキュートな外人の素顔を見た気がした。着物を着ていたイメージとはまた別人で年頃の女の子らしい可愛い顔だった。
『ゴメンネーミンナ。キガエハアルカラ、ヌレタフクモアトデアラッテモラウカラユルシテネ』
そう言ってイデアはみんなに水をかけまくっていき、夜のプールを楽しんだ後はホテルの中の映画館で映画を視た。
みんな疲れて寝てしまっていたが愛羽とイデアは起きていた。視ていた映画がホラーだったのでとても眠れなかったのだ。イデアもホラーがダメらしく愛羽とイデアはずっと抱き合っていた。
結局2人共最後まで視ることができず途中で断念し他の映画を視た。今度は感動のシーンでイデアは静かに泣いていて、愛羽はそんなイデアを見ていたたまれず頭をそっとなでてあげていた。するとイデアが優しく笑って、それを見て愛羽もニッコリと笑い返した。
2人はいつの間にか互いにもたれ合いながら寝てしまっていた。
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