朝のこと
バブみ道日丿宮組
お題:ゆるふわなコメディ 制限時間:15分
朝のこと
人の生き死にを決めるものはなんだろうか。
僕は毎日そんなことを考えながら、通学してる。
「……」
今日は生憎の雨で、電車の外は憂鬱さでいっぱいだ。それが伝播したかのように車内はヌメヌメとした嫌な空気が漂ってる。
「……」
スマホがブルりと震えたので、確認してみれば幼馴染が遅刻するというメッセージが入ってきてた。
大丈夫?と返信し、目を閉じる。
通学時間はおおよそ1時間。
始発駅から、終点駅まで乗る、長い通学時間だ。
「……」
またブルりとスマホが震える。
了解とか、わかったとかそんな返信だろうなと思いつつスマホを再度手に持つ。
「……はぁ」
そこにあったのは、宿題取りに来てくれるというお願い事だった。
「……」
わかったと返信し、降りる支度を始める。支度といっても、本をカバンにしまうだけで、あとはなにもない。
強いていうならば、乗車率が100%超えてる車内を通らなければならないということだろう。
「……」
幼馴染の住んでるところは、ちょうど真ん中の駅でまだ通り過ぎてなかった。
もし仮に通り過ぎてれば、謝りを入れて断ろうかとも思った。
そうだとしても、どうせ何らなかの報酬を出されて、ほいほいといってしまうのが性分だ。
もう10年もの間一緒なのだ。お互いが好きなもの、嫌いなものがわからない関係じゃない。
「……降ります!」
駅にたどり着くと、席を立ち、乗車口へと突き進んでく。
「……はぁ」
もみくちゃにされながら、なんとか駅のホームに降りることができた。
スマホを取り出して、今最寄り駅についたと連絡すると、すぐにメッセージが返ってきた。ケーキあるから食べてく?という甘い文句も添えてだ。
誘惑。そう誘惑だ。
登校というめんどくさいことがなければ、すぐにありがとうと返してたことだろう。
しかしながら、私たちは学生。
学校に行き、勉強をし、社会を学ぶ。
「……」
放課後までとっておいてくれると、返信して、幼馴染の家へと向かうのであった。
朝のこと バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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