1.2
今回はハッキリと目が覚める。日差しが差し込み辺りの様子が鮮明に目に写る。部屋は木の豊かな香りが充満しており、木目の年季の入り方を見てもよく手入れのされていることがよくわかる。体を起こせないので良くは見えないが、テーブルと椅子が部屋の中央に見える。その先にはドアがあり、所々に民族模様の装飾がなされている。起きあがろうと足掻くが上手くいかず、音が大きかったのかドアから男が入ってきた。
「やっと起きたのか。」
白髪混じりで眠たげな目をした大男は、そう一言言い部屋を出て行く。少しすると、ドタバタと走る足音が聞こえて来る。少年?少女?見た目では分からないが顔立ちの整った愛らしい子どもが私のもとへ駆け寄って来た。
「目を覚ましたって聞いて!!」
「森で血だらけで倒れててビックリしたよ!」
「あなたに一体何があったの??」
などなど、起きて早々に質問攻めに合いながらも助けられたと理解する。
「やめてやれ。」
一方的に話す子どもに男は私にまだ休ませるように話す。興奮が止まない子どもを抱えて食事を持って来ると言い残し部屋を後にする。
現状の私は食事ひとつもまともに出来ず、2人に介抱されながらスープを口に運ぶ。肉の風味のある根菜のスープは特段に美味しい訳ではないが、命の暖かみのある有難いものだった。2人の介抱のお陰もあり私は順調に回復していく。
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