感知と彼氏
バブみ道日丿宮組
お題:夏の彼氏 制限時間:15分
感知と彼氏
感知能力というのを遺伝で受け継いだ。
そういう家系というやつで、神社でのお役目をしたりがあったりする由緒ある能力らしい。
能力を簡単に説明するなら、人がどういう性格でどんな影響を与えるのかのイメージが脳裏に図として描くという感じ。
うーん、スマートじゃないね。
あいつは私に殺意を持ってる。眠りそう。好意を持ってる。性を欲してる。そんな感じっていえばわかりやすいのかな。
運命線を見える……ってのに近いかもしれない。
それでね、夏の家族旅行。
海で出会った男の子が将来の彼氏になるのが見えたの。
子供の頃にあった男の子だよ?
まさか本当に彼氏になるとは思えないじゃない。恋人ぐらい選びたいものじゃない?
でも、感知能力が今まで間違った答えを示したことはない。阻止すると悪い方向なのが起こったから、その答え通りに私はだいたい進んできた。
感知に若干の誤差はあるとしてもね。
そんな私は、大学入学試験をこないだ無事に突破して、入学!
大学は予想通り私の能力をいかせそうだった。つまり医学。ようは人のことを勉強するところ。この力が役に立ちそうな場所を作る。
神社はお兄ちゃんが継ぐだろうし、私はもっと若い人や子供たちの困ったことをどうにかしたいって思った。
ってのは嘘。
ほんとは神社の仕事がすっごくめんどくさいって感知してたから、お兄ちゃんに投げちゃった。お兄ちゃんは笑ってた。
俺もわかってるから、お前は好きなことをしろって応援もしてくれたんだ。
そんな私の今後を左右する場所で、
「はじめまして」
私は彼に再会した。
もちろん彼は私が子供時代に会った少女だとは思わない。
私はわかってる。感知がそれを告げてるから。
「は、はじめまして」
数年ぶりにあう彼は、大人しそうな青年だった。
クラスで隣になったから話しかけてきたみたい。あまり周りに溶け込めないタイプなのかな? そこらへんは深く見えなかった。
きっと能力が見たらいけないんだって告げてるのかもしれない。
そうして一年後、私は付き合うことになった。
控えめな彼の優しさに惹かれたこともあるけれど、私の知らない世界を知ってた。私の能力も馬鹿にしないでくれた。
いつか2人で子どもたちが幸せになれる施設を作れればいいねって指輪に約束をしたんだ。
感知と彼氏 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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