数のぶんだけ色がある 〜私は私で僕は僕。私たちが私たちであるために。〜

月野木 星奈

遊馬玲愛(あすまれあ)

昔から、おままごとよりも外遊びの方が好きだった。


みんなが可愛いと言うものを、可愛いと思えなかった。


女子たちがする恋バナについていけなかった。


バカな男子たちと遊んでる方が楽しかった。


たった、それだけ。


それだけのことが、私を一人にさせた。


中学に上がると、外で遊んでいることが子供っぽいと言われるようになった。


可愛いもの、流行りのものを知らないとバカにされるようになった。


男子といると、女子たちに陰口を言われるようになった。


友達だと思っていた男子たちから、告白されるようになった。


そうやって女子と男子の区別が、どんどん明確になっていった。


女子はか弱くて、可愛くて、おしとやかで、いつも誰かと一緒にいて、

お揃いのものをつける。


みんなと違う方向に進めば進むほど、私の周りには誰もいなくなっていた。


もしも、女子と言う生き物が可愛くなければいけないのだとしたら、

私に性別なんてものはいらない。


自分を殺して生きるくらいなら、私を理解してくれる人が現れるまで、

一人でいればいい。


高校は私を知る人がいないところ、校則はあえて自由なところを選んだ。


肩まであった髪はバッサリ切って、ベリーショートに。


色は当然、真っ赤な赤色。


ピアスは両耳合わせて三箇所も開けた。


もう、誰にも縛られない。


私は私らしくいることを決めた。


私だけの高校生活が今、始まる。








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