新卒パワハラ奮闘記(後編)
監査部の聴取から1週間後、結果が出た。
意外にも四天王全員に重めの処分が下った⚡
実際のところ、私と新人バイトの証言だけでは決定打にならなかった。
しかし思いがけず現れた伏兵。
敵だと思っていた腰巾着主任が証言してくれていた。
1年以上見続けてきた勤務時間内外の腐敗、歪な人間関係を洗いざらい話してくれたという。
真面目主任の他にも、ドレイ先輩や平均主任への被害もなかなのものだった。
・カウンターに頭を叩きつける
・休日出勤させて深夜の新台入替作業→からの早番出勤
・早番出勤の1時間前まで飲み潰させる
・キャバクラやパチンコはドレイ先輩のおごり
などなど。
腰巾着「あのクソ共のこと全部暴露してやったよ(-ω☆)キラリ」
世渡り上手なイケメンに濡れた。
その翌日。
四天王の一角、幹部Aに私は呼び出された。
4人の中で一番タチの悪い幹部Aこそが全ての元凶と囁かれていて。
以前は厳しいながらも爽やかだったこの店が、幹部Aが配属されてから雰囲気が狂ったそうだ。
私が事務所に入るなり幹部Aの冷たい声が突き刺さる。
A「お前が監査部に電話したんだろ?」
不意打ちの一言に警鐘MAX。
“誰からバレた?”
“どこまでバレてる?”
“カマをかけられている可能性は?”
逡巡の後、肚を決める。
“・・・しらばっくれよう”
虚実織り交ぜつつ、事態を理解しきれないバカを演じることにした。
口を割らない私に業を煮やした幹部Aは話を進める。
A「お前この店にいたくないから監査に話したんだよな?だから異動願い出しといたから。お前も俺らと同時に異動だよ。よかったな」
A「この先お前は行く先々の店舗でチクリ魔って扱われるからな。覚悟しとけ」
コイツマジ悪魔😈
でも報復が異動で済むならカワイイもんだ。
翌日の勤務中、また呼び出しがかかる。
今度は四天王の更に上、まさかのエリア長ご降臨。
店には来るけど下っ端なんか相手にしない上流階級の方。
対談の席でエリア長はにこやかに言い放つ。
「しらばっくれなくていいよ☺お前が電話したのは知ってるから☺」
話を要約すると「いきなり監査部に電話はやりすぎ(笑)今後は上司に相談しような☺俺に相談してくれても良かったんだぞ☺」
チョット意味ガワカリマセン。
後日、エリア長の役職を知って愕然とした。
この人、人事のトップだった。
今回の事件の処分を監査部が人事に依頼し、その際に得た情報を部下達にリークしたと推測される。
全部知ってる訳だよ。
職権乱用ってご存知ですか?
そして後日談。
異動先店舗での一幕。
幹部Aの粋な計らい()で別エリアに異動になった私。
異動前日に店舗挨拶へ伺った。
そこで向けられた出迎えの言葉に戦慄させられることになる。
「お、チクリ魔が来たぞw」
開口一番言い放ったのはこのエリアのブロック長。
幹部A、マジで言いふらしてやがった。
ブロック長「よー、前の店でどんなことあったんだよ?どうせちょっと怒鳴られたとかだろ?最近のはすぐ泣き言いうからよー」
ハラハラしながら真面目主任の話を簡単に説明する私。
頼む!マトモな反応をしてくれ!
ブロック長「・・・・それは、ないな(ドン引き)」
良かった。
まともな店舗だった。
最後に。
アノ店が特異だっただけで、会社やパチ業界自体がヤバイとは考えないで下さい。
異動先エリアでの約2年は私にとってとてもありがたいものでした。
チクリ魔と呼ばれその後も失敗だらけだった私。
そんな私を人並に怒り、人並に褒めてくれる優しい上司達がいたから成長することが出来ました。
本当に恵まれた2年間でした。
呪われたアノ店さえなければ。
【2年目の恐怖体験に続く】
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