不思議な池袋
烏川 ハル
プロローグ
地下道から続く階段を上り、青空の下に出る。
池袋駅西口の、一番北側の出口だった。
「昔とは違うけど、でも変わらないなあ」
しみじみとした独り言が、私の口から漏れる。
池袋は大きな乗り換え駅であり、駅前も栄えているが、この辺りは駅の端っこだ。駅前の道路も大通りではなく、建ち並ぶビルもビルにしては小さい建物が多い。
それでも私の印象ほど、ゴミゴミしていなかった。
明るい日差しの下で見ているからだろうか。いや昔だって、この辺りで遊んでいたのは、学校が終わった後とはいえ、それほど暗くなる前だったはずだが……。
子供の頃の記憶は当てにならないのかもしれない。あるいは、この辺りもかなり開発されたということかもしれない。
そんなことを思いながら、私は久しぶりに訪れた懐かしい街を歩くのだった。
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