俺の体操服を嗅いでいるとんでもない美少女に遭遇してしまったのだが
アキノリ@pokkey11.1
第一章 異常事態
別に私は!!!!!
第1話 真面目の仮面が割れた日
県立葉月高等学校。
それが俺の通っている高校だが。
仮にもそんな高校にも青春という漢字2文字がある。
何と言うかそうだな。
野球部とマネージャーの禁断のスキャンダルとか.....よく聞く。
だけどそういうのが青春だと思う。
そんな青春とは日本中にもそれなりにあるかも知れないな。
まるで種を蒔く様な感じで、だ。
話が逸れたが何が言いたいのか。
そうだな.....実は目の前の事を見てから言っているのだが。
幾ら考えても、例えば煩悩を排除して考えても目の前の状況に混乱せざるを得ない。
あまりに混乱しているせいか.....考えが浮かばない。
どう反応したら良いのだろうか。
例えば.....男女だったら。
告白とか、付き合うとか、失恋とかあるよな。
因みに俺の遭遇した場合はこのうちのどれかというと。
論外の番外になるが.....うん。
つまり完全なシークレット選択と言えるかもな。
「.....」
「.....ち、違うの。勘違いしないで!」
俺、内藤一馬(ないとうかずま)17歳。
高校2年生の葉月高校に通っている一般的な男子生徒。
そんなにイケメンじゃ無いがそこそこの容姿の俺は提出した課題の件で放課後に呼び出されたので行ってから。
黒髪を弄りながら夕方、職員室から戻って来た。
そして鞄を持って直ぐにでも立ち去ろうとしたのだが。
俺の体操服を嗅いで胸を揉んで紅潮している美少女に遭遇した。
いや。何を言ってんのお前、と馬鹿にしているそこのお前。
これは割とマジなのだが。
だからどう反応したら良いのか分からないので.....先程の様な事を言っていたのだ。
非常に、非常に困っている。
俺が、であるが。
普通は逆なんじゃないかこういうのは。
何をやっているのだ。
汗塗れの体操服で、だ。
「な、内藤君。.....と、取り敢えず落ち着いて」
「.....俺は何時だって落ち着いているが。これは.....」
赤面しながらバッと音を立てて体操服を必死に隠す少女。
目の前の肩までの黒髪にピンク色の水玉リボンを左右に着けている。
顔立ちは整い過ぎていて全く悪い点が無さ過ぎる顔立ち。
学校の.....成績優秀でしかも容姿端麗の美少女、佐藤蕾(さとうつぼみ)。
クラスメイトなのだが。
確か年齢は17歳だったっけか?
この教室でも.....いや。
学校中で可憐な華とされている。
ただ俺自身そんな輝いている佐藤とあまり関わり合いが無いのだが。
その筈だった。
そこまでの説明で分かるかもだが俺は好かれる存在でも無い。
しかしそれは良いのだが今の時点で色々な伝説が崩れ去った気がする。
何故、俺の汗だくの体操服を嗅いでいるのだ。
変態ですか.....いや。
かなりのヤバい奴としか思えない。
「.....佐藤。俺は何も見ていないから取り敢えずは返してくれ。その体操服」
「あれ!?何で体操服が此処に―」
「そんな演技は要らない。.....返してくれ」
「.....本当に?本当に.....何も見てない?」
「.....そうだな」
そ。そうなの?、とパアッと明るくなる佐藤。
だけど一度しっかり見たものをそう簡単に消せる訳が無く。
記憶の消去マシンでもない限り無理だろ、と思いながら俺は盛大に溜息を吐きつつさっきまで折り畳まれて無かった体操服を受け取る。
それから鞄に打ち込んでからそのまま去って行こうとする。
すると佐藤が俺に向いてきた。
慌てながら、だ。
「じゃ、じゃあまた明日ね」
「.....そうだな」
「.....あの。.....ほ、本当に見て無いよね?」
「.....そうだな」
そ。そう?、と胸に手を添えて撫で下ろす佐藤。
俺の反応は何時でもこんな感じだが.....うん。
でもそのせいで佐藤がゆっくりと目を回しながら迫って来ている。
頼むから、見てない、と思ってくれ。
この件は恐らくだが非常に面倒臭くなると思う。
考えながら俺は佐藤を振り払う様にして去って行った。
面倒臭いのは御免だ、と思いつつ。
関わらなければ大丈夫だろう。
☆
これがマズかった。
何がマズいと言えば見てしまった事を、変態な事を、だ。
佐藤は俺をチラチラ見てくる様になった。
困ったもんだな、と思いながら居ると。
真正面から山吹和也(やまぶきかずや)17歳、が俺に近付いて来た。
手を挙げながら、よっ、とふざけた感じの。
和也は俺の親友である。
俺をニヤニヤしながら見てくる和也。
坊主頭のそばかすが特徴の男。
身長は俺より少しだけデカい感じだ。
野球部とかじゃ無いのだが坊主頭である。
何故かは知らん。
「つーか何だ一馬。お前さん佐藤にジロジロ見られてんぞ?どうした」
「それのきっかけはろくでもない事だが。まあ放っておいてあげてくれ」
「え?ろくでもない事?」
「.....ああ。すまんが言えないけどな」
和也を苦笑気味に見る。
この性癖を言うのは人権にかかわると思う。
そう思いつつ俺は和也を見つつ外を見る。
全くな.....欠伸が止まらない。
すると誰かが横から俺に声を掛けてきた。
「あの.....内藤君。おはよう」
オドオドした感じの少女。
山口雫(やまぐちしずく)16歳。
このクラスの学級委員だが。
俺はその黒のボブヘアーを見ながら山口を見る。
顔立ちは同じく美少女並みに整っている山口。
そんな山口に、どうした?、と声を掛ける。
山口は、あのね。佐藤さんと何かあった?、と言ってくる。
俺は見開きながら答えた。
「.....何故?」
「.....その。佐藤さんがずっと貴方を見ているからね」
「.....特に何もない。.....大丈夫だ」
「.....そう?.....そうなんだ.....そうなんだ、うん」
「.....」
まあその。
何かあったとするなら。
体操服を嗅いでオナってました、という事ですかね。
言えませんよね、と思いながら視線だけ向けて佐藤の席を見るが佐藤が居ない。
よく見たら山口の横に居た。
俺は、!?、と思いながら目を丸くする。
「その。内藤君」
「.....さ、佐藤が一馬に話し掛けている?!」
和也が騒ぐ。
そんな和也の言葉を皮切りに大騒ぎになった。
というか既に大騒ぎだったが更に大騒ぎになる。
そりゃそうだろうな。
だが俺は首を振りながら呆れる。
取り敢えず俺と佐藤はほぼほぼ何の接点も無いしな。
この様な感じにはなるだろう。
そんな佐藤は俺に向きながら.....難しい顔をする。
というか一体何だよ?
まるで宝くじの当選に落ちた様な顔をして、だ。
「.....内藤君。.....き、昨日の件だけど」
「.....見てない。大丈夫だ」
「.....本当だよね?」
「.....本当だ」
しつこいぞ。
思いつつ佐藤を見る。
佐藤はジッと俺を見てくる。
困ったな.....、と思いつつ見ていると。
佐藤が俺の手を掴んだ。
「.....?!」
「ちょっとこっち」
「お、おい!?何をする!」
大騒ぎの教室内を他所に.....駆け出す佐藤。
それから俺は何故か佐藤に引っ張られてそのまま4つ先の物置部屋に連れて来られそのまま鍵を掛けられたのだが。
何をしているのだ一体。
俺も暇じゃないのだが.....!?
と思いつつ唖然としながら佐藤を見る。
「わ、私は気になっているから。本当に忘れているか尋問する」
「.....いや。勘弁してくれ.....何故そんな事を.....」
何故信じないのだ。
良いじゃないか一つや二つ変な事を見られても。
参ったな.....。
考えながら俺は涙目の佐藤を見つめる。
本当に困るのだが。
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