地獄

ここはどこだろう。


最後に見た景色は。戦争が始まって、炎で紅く染まった空。


自分は死んだのだろうか。きっとそうだろう。そうでなければ、こんな異世界のような綺麗な場所に自分がいる訳がない。


視界に綺麗な人が入ってくる。この人に聞いてみよう。


「あ、あの!」


パシン、頬を叩かれる。意味が分からずその人を見上げる。


「犬はワンと鳴くものよ」


気が付いた。


ここは異世界なんかじゃなく、戦時中以上の地獄だと。

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